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福祉について考えるUMEMOTOのブログ

第1回 認知症になっても安心して暮らせる町づくり100人会議

2005-07-11 07:12:26 | 認知症
7月8日に霞ヶ関東京會舘にて、「認知症になっても安心して暮らせる町づくり100人会議」が開かれた。
100人会議とは、厚生労働省が提唱する「認知症を知る1年」キャンペーンの趣旨に賛同し、その推進を応援する民間の個人や団体を中心とした運動体である。具体的な役割は、メンバーそれぞれの立場を活かしながら認知症に関する知識や情報の普及、認知症になっても暮らし続けられる地域づくりを応援することとなっている。
そのため、第1回の会議のメンバーとして、幹事である医療や看護・福祉分野それぞれの第一人者や団体、有識者として作家や俳優、映画監督、タレントなどの個人が参加している。そして特徴的なのは、今後さまざまな分野での支援が必要だとして、地域生活関連企業・団体、例えば学校関係や飲食店関係、博物館協会、石油商業組合なども参加していることである。合計82の個人・団体がメンバーに名を連ねており、そうそうたる顔ぶれであった。

このような豪華な顔ぶれ、幅広い企業や団体への参加への誘いは意味があって、まずは各界のトップが意識を共にし、その影響力をもって実際の活動につなげていこうという意図がある。
100人会議の今後の構想としては、2005年から10年後の2014年までを「認知症を知り地域をつくる10ヵ年」として、今年度、5年後、10年後と到達目標を決めて取り組むとしている。
5年後までに最も力を入れて取り組むものに、「認知症サポーター100万人キャラバン」がある。これは、キャラバンメイトと呼ばれる認知症について正しい理解・知識を持っている人が、住民や職域の集まりや学校などに出向いて認知症に関するミニ学習会(=認知症サポーター講座)を開催し、地域の認知症サポーターを育成する活動で、受講者にはサポーターの印として、オレンジのリストバンドが配られることになっている。

今年度は「認知症を知る1年」として認知症の知識の普及・啓発。2009年までの目標は、認知症について学んだ住民等(認知症サポーター)が100万人程度まで達すること。また、認知症になっても安心して暮らせるモデル的な地域が全国各都道府県でいくつかできていること。
2014年の最終の到達目標は、すべての町が認知症になっても安心して暮らせる地域になっている、という壮大な目標であるが、100人会議のスタートでその口火を切ったことになる。
何をもって認知症になっても安心して暮らせるのかというのは、以下の通り――
・ 認知症であることをためらいなく公にできる。(早期発見・早期対応)
・ 住民や町で働く人々による(ちょっとした助け合い)が活発。
・ 予防からターミナルまで、関係機関のネットワークが有効に働いている。
・ かかりつけ医を中心とした地域医療ケアチームがきめ細やかに支援している。
・ 徘徊する人を町ぐるみで支援している。

このようにある程度指針となる項目をまとめたことで、今後の町づくりに取り組みやすくなるだろう。10年後までにすべての町が認知症になっても安心して暮らせるようにするようにするのに、具体的なプロセスが明確になっていないことが気になるが、目標自体の方向性は間違っていない。少しでも達成に近づくためには、今回の参加者が率先して何らかの活動をおこなっていくことだろう。参加者はボランティアであるにもかかわらず、今回集まったのだから、これをただのポーズで終わらせないようにしてもらいたい。
また、今回の会議には尾辻厚生労働大臣や聖路加病院の日野原先生なども参加し、マスコミに対してのアピール度も十分であった。これまでの福祉分野では、プレゼンテーションの部分が不足していた感があるが、これで少しでも一般人の興味が引くことができれば今回の会議は成功したといえるだろう。
今後の予定としては、「認知症でもだいじょうぶ町づくりキャンペーン」として、全国から活動事例を募集・選考し、2月の第2回の100人会議の場で授賞式をおこなうことになっている。数多くの事例が集まり、その波が全国に普及していくことを願うばかりである。

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2 コメント

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Unknown (佐藤帝泉浩)
2005-07-11 15:29:17
お久です~

佐藤帝泉浩です!

福祉は日に日に進歩していますね♪

私も、日に日に(?)知識が付いてきました!

これからも頑張ってください☆
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そうですね・・・ (UMEMOTO)
2005-07-14 20:18:50
確かに、福祉に対する考え方の根本が大きく変化してきているようには感じます。

実際の市民レベルでは、まだまだとは思いますが。

それでも、避けられない課題として目の前にある以上、取り組まざるを得ないのも事実。しかし、障害者の分野においては意識次第で大きな差ができてしまいそうな感じもします。せめて、高齢者だけでも良い状況になればねぇ。本当は、同じことなんですけどねぇ。
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