数理論理教(科学教)の研究

数理論理(科学)はどこから来て、どのような影響を与え、どこに行こうとしているのか、少しでも考えてみたいと思います。人文系

「タンパク質」とは何か 抽象的記号(遺伝子)の生物的な具現化? 構造生物学?

2022-11-06 08:02:35 | タンパク質
タンパク質」とは何か。
1.「タンパク質」は基本的に「アミノ酸」から作られています。
 「タンパク質」を構成するアミノ酸はたったの20種類しかありません。
  つまり「アミノ酸」(準具現的な記号)の20種類の組み合わせで、膨大な種類の「タンパク質」ができあがります。
「生体のタンパク質を構成するアミノ酸は20種類あるが、それが3つ連結したペプチドだけでも約203=8000通りの組み合わせがあり得る。タンパク質については、その種類は数千万種と言われる。生物の遺伝子(ゲノム)から作られるタンパク質ひとそろいのセットは、プロテオームと呼ばれるが、ヒトゲノムの塩基配列解読が終わった今、プロテオームの解析(プロテオミクス)が盛んに進められている。 (wikipediaより引用)」
 現在タンパク質の構造解析がどんどん行われて、それが生物に与える影響が詳細に分析されています。

2.「タンパク質」の構造
「タンパク質は以下のような階層構造をもつ。
また、アミノ酸のみで構成された種類は単純タンパク質と言い、構成成分にアミノ酸以外のものが含まれる場合は複合タンパク質と呼ばれる。(wikipediaより引用)」

 アミノ酸の配列は、その構成する原子同士の「水素結合」により、ある部分的な形状を取るようになるようです。
「…X線解析されたタンパク質の立体構造を調べてみると、多くのタンパク質の中に共通に含まれる構造部品があることが分かった。その代表的な構造部品がαヘリックス、βストランドそしてβターンと呼ばれるものである。これ以外の部品は、ループと呼ばれることが多い。…」
「…αヘリックス、βストランドそしてβターンといった構造はタンパク質という建築物を組み上げるための、基本的なブロックと考えることができる。これらのブロックをを柔軟なつなぎ構造を使って連結し、組み上げることでタンパク質の二次構造という…」
「…二次構造が複数集合してできあがる、立体的により複雑な構造を三次構造と呼ぶ。…」
「…大きなタンパク質になるとこのようなタンパク質が複数集合してできあがっている。このような場合、その一つ一つのタンパク質をサブユニットと呼び、それぞれが三次構造を取る。これらのサブユニットが複数集合した構造を四次構造と言う。(『分子レベルで見た薬の働き』平山令明著 講談社ブルーバックスより(以下分子レ)より引用)」
 
 タンパク質は複雑な立体構造を持つことで、様々な役割を担っています。この構造が変異されると、正常な作用が行えなくなり、つまり病気になります。
 その構造を変異させる方法には、(1)遺伝子を変異させる(逆転写やエピジェニティクスな修飾を操作)、(2)構造化段階(1次~4次化の間)で変異させる(リボソーム小胞体ゴルジ装置などでの製造過程で抑制するなど)、(3)完成品の立体構造に働きかけて抑制させる(酵素などの正常の働きを阻害する類似構造体を嵌まりこませる)などです。


 現在、このタンパク質の「構造解析」がすごい勢いで進んでいるようです。理論的に算出された構造を持ったタンパク質を創って、薬として役立てている事例もあるようです。しかし、これが軍事用の研究に応用されれば、サイレント兵器(正常なタンパク質を意図的に変異させる)につながる危険性もあります(もうきっとやっていると思いますが…)。
「構造生物学(こうぞうせいぶつがく、英: structural biology)とは、生物を形作る巨大な生体高分子、特にタンパク質や核酸の立体構造を研究する生物学の一分野[1]。X線または電子線結晶学、NMR、クライオ電子顕微鏡などの技術を用いる。 」
「1990年台から2010年位までは、規則正しく配列した結晶に短波長の電磁波を当てる方法(X線結晶構造解析)と、隣り合う原子間の距離と角度を調べていく方法(NMR)が一般的であった。2014年位からは、これらに加えてクライオ電子顕微鏡による単粒子解析や電子回折によって構造決定がされる場合が増加しつつある。
 それぞれの解析技術の特徴としては、X線結晶構造解析は、他の手法と比較して圧倒的にスループットが高いかつ高分解能での立体構造決定が可能である。NMRでは、タンパク質の動的情報が得られる。クライオ電子顕微鏡は、巨大なタンパク質複合体の構造決定が可能であることが多く、結晶場に影響されない溶液中での構造が得られることも特徴である。また、クラスタリングを用いることで1度の実験で複数のコンフォメーションの構造決定が可能な場合もある。電子回折による構造解析では荷電性アミノ酸の荷電状態の情報を得ることができる[4]こと、放射光X線結晶構造解析で使用する結晶よりもさらに小さい結晶(数十~数百nmオーダー)から構造決定が可能であることが特徴である。(引用終わり)」

3.「タンパク質」の種類
「タンパク質は生物に固有の物質である。その合成は生きた細胞の中で行われ、合成されたものは生物の構造そのものとなり、あるいは酵素などとして生命現象の発現に利用される。また、類似のタンパク質であっても、生物の種が異なれば一次構造が異なることは普通である。タンパク質はアミノ酸が多数結合した高分子化合物であるが、人工的な高分子のように単純な繰り返しではなく、順番がきっちりと決定されている。これは、そのアミノ酸の種と順番がDNAに暗号で記述されていることによる。遺伝子暗号は往々にしてその形質に関係するタンパク質の設計図であると考えられる(一遺伝子一酵素説)。エンゲルスは「生命はタンパク質の存在様式である」と言ったが、故のないことではない。
 タンパク質の生体における機能は多種多様であり、たとえば次のようなものがある。
 酵素タンパク質
 代謝などの化学反応を起こさせる触媒である酵素。細胞内で情報を伝達する多くの役目も担う。
 構造タンパク質
 生体構造を形成するタンパク質:コラーゲン、ケラチンなど
 輸送タンパク質
 何かを運ぶ機能を持つ種類で、酸素を運ぶ赤血球中のヘモグロビンや血液中に存在し脂質を運ぶアルブミン、コレステロールを運ぶアポリポタンパク質などが当たる。
 貯蔵タンパク質
 栄養の貯蔵に関与するタンパク質であり、卵白中のオボアルブミンや細胞中で鉄イオンを貯蔵するフェリチンやヘモシデリンなどである。
 収縮タンパク質
 運動に関与するタンパク質。筋肉を構成する筋原繊維のアクチン、ミオシンなど。細長いフィラメントを構成し、互いが滑りあう事で筋肉の収縮や弛緩を起こす。
 防御タンパク質
 免疫機能に関与する種類であり、抗体とも言われる。B細胞によって作られるグロブリンがこれに当たる。
 調節タンパク質
 DNAのエンハンサーと結合して遺伝発現を調整するタンパク質や、細胞内でカルシウムを使って他のたんぱく質の働きを調整するカルモジュリンなどが当たる。
 その他、よく知られたタンパク質に下村脩が発見した蛍光に関わる提灯形状のタンパク質であるGFPやRFPなどがある。特定波長域の励起光を受けると蛍光を発する。一部の生物(オワンクラゲ, スナギンチャクなど)にみられる。(wikipediaより引用)」
  普通、世間的に「タンパク質」と言われているものは、主に構造タンパク質(コラーゲンなど)や収縮タンパク質(筋肉繊維など)のことだと思います。そして栄養学的にタンパク質を構成する必須アミノ酸のことなどが取り上げられているかと思います
 しかし「タンパク質」とは、広範な役割を担っており、生物の代謝(人間の健康を含めて)に決定的な影響を及ぼすものです。
 特に「防御タンパク質」は免疫機能に関するものであり、今回の生物化学戦の主要なテーマになると思います。
 また、「酵素タンパク質」や「調節タンパク質」の変異(攻撃)の研究も重要だと思います。


「抗体(こうたい、(英: antibody)は、白血球のサブタイプの一つであるリンパ球の一種であるB細胞の産生する糖タンパク分子。免疫グロブリン(めんえきグロブリン、(immunoglobulin)、血漿中のγ(ガンマ)-グロブリン、Ig(アイジー)とも。獲得免疫系の液性免疫(特定のタンパク質などの分子(抗原)を認識して、排除する働き)を担う。抗体は主に血液中や体液中に存在する。
B細胞は抗原に応じて分化し抗体産生をする。一度分化したB細胞は、大量の抗体を迅速に産生し抗原を除去し、生態を防御する。(wikipediaより引用)」
 
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