月光院璋子の映画日記

気ままな映画備忘録日記です。

「コクーン」に出演している往年の俳優&女優たち

2008年12月08日 | ◆カ行&ガ行

どうしてこの映画を見損ねていたかといえば、当時流行りだった単なるSF映画だとばかり思っていたからでしょうか。
内容的には、どうということのないSF映画の一つながら、他のSF映画と違うのは、主役が老人たちだということです。

以下のお三方、どうです!
何かやらかしそうな老齢ヤンチャ紳士ではありませんか。



なので、当然本作に出演している俳優&女優は、高齢となっても映画に出演できるほどお元気だった俳優&女優たち。それだけ長年活躍してこられた俳優&女優たちということで、見ていてとても懐かしさがありました。


(左からドン・アメチー、ヒューム・クローニン、ウィルフォード・ブリムリー)

そこで、ここのブログでは、ストーリーではなく、半世紀以上にわたって映画に出演してきた彼らのお顔をアップしてみたいと思います。まずは、ヒューム・クローニン(Hume Cronyn)。


(ヒューム・クローニン、このとき73歳。2003年91歳で死去)

さすがに往年のスターです。高齢となっても存在感が凄い。
このヒューム・クローニン、愛妻のジェシカ・ダンディが亡くなったあと、再婚。これも凄いなァと!実生活のことは分からないけれど、多分人生をとことん前向きに愉しんでいたのだなあと。
その感性、意識、決断に感服させられます。


(若かりし頃のヒューム・クローニン)

宇宙人の生命力が注ぎ込まれたプールで遊んだら、エネルギーが満ちてきて、三人組の老紳士は若かりし頃のように夜遊び三昧できるくらいに若返ってしまうのですが、ヒュームは何と浮気してしまい、以下は妻に詫びを入れるシーン。



何だか実にリアルです。というのも、その妻役が実生活でも妻であるジェシカ・タンディ(Jessica Tandy)だからでしょうか。老いてなお気品を失わないこの美しさ・・・・
何だかここのシーンだけ観ると、とてもSF映画とは思えません。映画『旅愁』の数十年後・・・という錯覚を持ってしまいます。


(ジェシカ・タンディ、このとき75歳)

ジェシカ・ダンディというと、私の中では1940年代、50年代の映画に出ていた美女でしたが、彼女は、この映画の10年後、1994年に亡くなるまで映画に出演していました。まさに往年の名女優、80歳を過ぎて『ミス デイジー(Miss Daisy)』でアカデミー賞主演女優賞でした。享年85歳。実に半世紀以上も映画に出演していたのですから、やっぱり只者ではありません・・・・

二つ目のカップルはこちら。老いらくの恋というけれど、ちょっと嫌な言葉です。恋に老いも若きも関係ないぞと。



ドン・アメチー(Don Ameche )は本作のとき、76歳でしたが、1993年に亡くなりました。享年85歳。
若い頃はこんなお顔。
  ↓


個人的には、晩年のお顔の方が好きですね。
実に、好々爺然とした晩年でした。

本作では、唯一夫婦役じゃない二人ですが、

 
(グエン・バードンとドン・アメチー)

このお二人の恋を素敵だなと思ったのは、ドン・アメチーの純愛もさることながら、やはり、グエン・バードン(Gwen Verdon)のこの笑顔のせいでしょう。

いくつになっても女性らしい華のある笑顔ですね。
ドン・アメチが恋を告白したくなるのも分かるなァ。
若い頃から、笑顔が素敵な女優です。
 ↓


(これって、お宝映像ですね)


(本当に、笑顔がいいですね~)

三組目はこちらのお二人。
   ↓

(ウィルフォード・ブリムリーとモーリス・ステイプルトン)

このお二人、実に、共に老け顔なんですね。本作のときは、それぞれまだ若くて、ウィルフォード・ブリムリー(Wilford Brimley)は50歳、モーリス・ステイプルトン(Maureen Stapleton)は59歳!
なので、ちょっとびっくりしました。老人ホームに入居する年齢じゃないですよね。(苦笑)

モーリス・ステイプルトンは主役を演じる女優タイプではないけれど、まさに名脇役というタイプで、アカデミー賞でも助演女優賞をゲットしています。


(2006年、80歳で亡くなっています)

改めて彼女の経歴を見ると、ジェシカ・タンディ同様に舞台出身と言ってもいい女優さんですが、トニー賞やエミー賞などを多々受賞しているので、舞台、テレビドラマ、映画と幅広く活躍した名女優だと再認識させられます。
若い頃はこんな感じで、
  ↓

受ける印象はあまり変わっていませんね・・・
脂肪が付いておばさん化しただけという感じです。
ウィルフォード・ブリムリー(Wilford Brimley)は、
さすがに高齢となったいまはは、
こんな感じ。
  ↓



現在74歳ですが、お元気なのでしょうか。

他に、私がウディ・アレンと見間違えたのが、こちら。



若返りのプールにいくら誘っても来なかった老夫婦。三人組は、友達のバーニー(ジャック・ギルフォード)の病妻を何とかプールに入れようと誘うのですが・・・・・とうとう愛妻が亡くなってしまう。
すると、泣きながら愛妻の遺体を抱えてプールに入り、彼女の体にプールの水をかけながら「死なないでくれ、死なないでくれ」と泣くシーンですが・・・・染み入るものがありました。

この夫の役を演じていたのは、
ジャック・ギルフォード(Jack Gilford )でした。
いかにウディ・アレンのような眼鏡をかけ、彼のようなしゃべりをしていたとはいえ、ホント、見間違えてしまいました。



ジャック・ギルフォード(Jack Gilford )

本作のときは、76歳。
この5年後に亡くなっています。享年81歳。

以上の面々を中心とした老人ホームで暮らすご高齢者たちが、ひょんなことから地球外生物たる宇宙人と出会ってしまう本作。



展開の冗長さが気になりますが、ご老人が主役とあれば、無理のない速さの展開なのかなあという思いも。



宇宙人の目的がなかなか分からない時点で本作がSFファンタジーだと分からないのは、ひとえに宇宙人のリーダーを演じているのが、ブライアン・デネヒー(Brian Dennehy)だったからですね。悪役でも何でもこなせる存在感のある俳優ですから、分からないで見始めたら、ホラー映画かと思ってしまう場面も。


(宇宙人役の4人組)

本作は、心優しい宇宙人との交流を描いたSFファンタジー。
なのに、妙にリアルに感じたのが不思議です。
それは、

 

老齢となり、同年代の老人たちとホームで何の希望もないままに死を待つ生活ではなく「いくつになっても心躍る冒険にチャレンジして」「生きているいまを実感する」人生に希望を託す姿に共感を覚えたからかもしれません。

ただ、若返りの秘密が老人ホームのお隣の家のプールにあると分かったときのご老人たちの行動には少なからず心寂しくなるものを感じさせられましたけれど、老齢になったときの人間の「生きたい」「死にたくない」「若返りたい」という気持ち・・・・そういうものなんでしょうか。いわゆる≪不老不死≫への欲望・・・・

それより、私は、
このシーン、いいなあと。

相手に触れることなく愛し合うという宇宙人の愛情表現。
これ、良かったです。
そういう星なら・・・・私も行きたい。(笑)


 


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