月光院璋子の映画日記

気ままな映画備忘録日記です。

★5月の映画三昧リストまとめ

2008年05月31日 | ■2008年 5月の映画鑑賞

  ◎は今回が初見となる映画 
    ●以前観ている映画  
    ★はブログでアップしている映画。  

●「トランスポーター2」---★
◎「女帝キャサリン」---★
●「ジュリア」---★
●「誘拐犯」--- ★
●「キャッチ ミー イフ ユー キャン」---★
●「悪魔の呼ぶ海へ」---★
◎「ザ ナンバー23」
●「ミッション インポシブル 3」
◎「どろろ」(邦画)
◎「フラクチヤー」---★
◎「サースティング」
◎「大阪の女」(邦画)----★
●「ボーン・アルティメイタム」---★
◎「ザ・メッセンジャー」(邦題「ゴースト ハウス」)---★ 
●「キャプテン・ウルフ」(原題「ザ・パシフィアー」)----★
◎「松川事件」----★
●「激闘鍵屋の辻」----★
◎「太陽を盗んだ男」---★
◎「眉山」
◎「シャドー」
●「フォーレヴァー フレンズ」
◎「Unknouwn」
●「真実のマレーネ・ディートリッヒ」 
●「昼顔」
◎「日曜はだめよ」 
◎「プリンセスとウォリアー」
●「ギャング オブ ニューヨーク」

●「バッテリー」
◎「サンダーバード」
◎「ナル二ア国物語 第一章 ライオンと魔女」
◎「0侯爵夫人」
◎「Awake」
◎「ドラゴン キングダム」(先行上映会)
●「デス オア アライブ」
◎「暗黒の女戦士」
◎「88ミニッツ」---★
◎「バンテージ・ポイント」 
◎「勇者たちの戦争 Home of the brave」
◎「つぐない」---★
◎「サイレント ヒート」
◎「相棒」
◎「世界最速のインディアン」
◎「アイ ノー フー キルド ミー」---★
◎「茶々 天涯の貴妃」
◎「ウェイスト・ディープ」---★
◎「デッド ドール」
◎「デッド サイレンス」
●「プロポーズ」
●「バースディ ガール」
◎「ラスベガスをぶつぶせ」
◎「渋谷区円山町」



★本日これから数本見る予定です。


「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」

2008年05月31日 | ◆ア行

2008年 アメリカ映画
監督:S・スピルバーグ&J・ルーカス

公式サイト⇒http://www.indianajones.com/site/index.html

待ち遠しいですね。
「ダイ・ハード4」「ランボー4」と4続きながら、これは一番楽しめるかなと期待しているところです。理由は、

ランボーやジョンと違って、インディ・ジョーンズが戻ってきた!と期待できそうだからです。

ブルース・ウィルスもシルベスター・スタローンも、特に後者はあまりに体重増加著しくて、還暦を過ぎてもベトナムの山奥に住んでいなければならないランボーに違和感がありました。(映画としては、この4がシリーズでは一番良かったですね・・・)そして、タフガイのジョンにしても、50代半ばにして相棒のいない平刑事というのはちょっとなあ・・・と。
何より「ダイ・ハード」なら、やはり奥方が救出されないとシリーズとしては完結しないような印象が大きく、まあ、そういった個人的な思惑からかなりズレていた「4」だったせいで、シンパシィがもてなかったわけです。無理な設定だなあと。

けれど、インディ・ジョーンズのテーマソングが戻ってくるときに、以前とあまり変わらないイメージを保持してくれているハリソン・フォードなら期待出来るかもしれないと思った次第。無論、トレードマークの帽子を取れば白髪頭なんですけど・・・そこは、相棒の若さで補ってもらいましょう。

今回のインディ・ジョーンズの連れ合いとなるのは、子役でもなければイマイチの女優でもない。もっとも旬な若手俳優の一人、昨年の「トランスフォーマー」に出ていたシャイア・ラブーフ(Shia LaBeouf・・・・読み憎い!)が相棒役です。そして、シリーズ最初の「失われたアーク」に出ていたカレン・アレンが演じたマリオンが出てくるので、何となく・・・面白い展開になるのかなあと。
インディアナのハリソン・フォード同様、あのマリオンもいまや50代半ばを過ぎたわけで。。

「ダイ・ハード4」の相棒役も同じ年頃の男の子でしたが、個人的にイマイチ魅力を感じなかったけれど、こちらは期待できそうではありませんか。

そして敵役には、これまたもっとも旬な実力派女優エリザベス、じゃなくてケイト・ブランシェットを配しています。こうしたキャスティングだけでも、エンターテイメントしてのファンサーヴィスが伺われるなあと。

これがシリーズラストとなるのかどうか不明ですが、今回の『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』でのお宝は、人類の起源の謎を解く・・・・・その不思議な力を持つといわれる水晶のドクロ。これが、クリスタル・スカルですね。

このお宝をめぐって、何とレーニン配下の女エージェント(超能力科学専門の学者らしい・・・・)がソ連の命運をかけてかどうか不明ながら捜索隊を指揮。
ところが、彼女の知識だけではどうにもならない。そこで、ジョーンズ博士ことインディ・ジョーンズに協力させようと彼女とその配下の一味はインディ・ジョーンズを捕らえてしまう。そこから映画は始まるが・・・


前回までの敵はナチのドイツでしたけれど、それが旧ソ連になるあたり・・・苦笑させられます。

やっぱりこういうシーンがないと、インディ・ジョーンズじゃないですよね。

そうしていつもの通り、(=この「いつもの通り」というのがシリーズでは大事なんですよっ!)そのお宝はインディ・ジョーンズの手により見つけ出されるわけですが・・・・

思わず、「待ってました!」と声がけしたくなります。

そうして発見した木箱の中からは、厳重に梱包されたモノ、横たわっていたのは異星人のミイラと思われる遺体だというのだから、冒険アクション映画がしっかりSF映画を取り込んだ映画になっているのでは!?と期待してしまいます。いい加減、キリスト教関連のオカルトマターは飽きちゃいましたし。

ともあれ、
ジョージ・ルーカスとスティーブン・スピルバーグによってインディ・ジョーンズとロズウェル事件や存在は否定されてる「何とか51」とかがどうつなげられていくのか楽しみですね。シリーズ第一作目から随分経ちましたが、ハリソン・フォードのインディ・ジョーンズはファンの皆さんにとっても永遠なのでは・・・・

★公式サイト(日本語)
   ⇒http://www.indianajones.jp/top.html

 

 

 

 


「ラスベガスをぶっつぶせ」

2008年05月30日 | ◆ラ行

2008年:アメリカ映画
監督:ロバート・ルケティック(「キューティ・ブロンド」の監督ですね)

原作は、ベン・メズリック著「ラスベガスをぶっつぶせ」というベストセラーとなった本。すべて実話(MITの天才学生ジェフ・マーのブラック・ジャック攻略)ということで評判を呼んだ綺羅星のごときエンターテイメント。先行上映で一足早く観て参りました。 

マサチューセッツ工科大学(MIT)の苦学生ベンは、子供の頃からの夢だったハーバード大学医学部の試験に合格したものの、奨学金を受けられるのは針の穴を駱駝が通るくらいに難しいことだと知って苦悩する。
進学して医学部での学業と研究生活を送るには、30万ドルが要るからです。学業の合間の自給8ドルのバイトではどうにもならない。

そんなとき、講義での発言がきっかけとなり天才的な数学力をローザ教授に見出され、ブラックジャックの必勝法を習得するチームに誘われる。 一度は断るものの、その必勝法に確信を持ったベンは、



30万ドルという高額な学費を稼ぐため、教授が率いる仲間と共に日夜トレーニングを続け卓越した数学的頭脳とクールさでめきめき能力を開花。

理屈は高度な確率でも、やってみれば算数の問題だとわかるカウンティング。けれど、これを実際にやるとなると算盤の暗算のように右脳の働きがよほど活発な人じゃないと難しい。しかも、プロ相手にチームで仕掛けるので、チームワークも大事。つまり相手を信頼して仕掛けるわけですから、わだかまりがあると途端にトラブったりして計算も狂ってしまう・・・だから、感情のコントロールと欲望のコントロールに加えて、いかなる状態になっても平常心を保つことが必須になります。

やがて訓練を終えて、準備整いラスベガスに乗り込む学生たち・・・・・

実在したMITの学生たちがカードカウンティングという手法を使い、カジノで数百万ドルを稼ぎ出した実話とはいえ、絵空事ではない分、現実の怖さというものが待っている。

ベストセラーになるほどの人々の関心の対象は、ブラック・ジャックをどうやって攻略したのか!?ということで、いわゆるカード カウンティングです。
その方面に関心を持つ子供なら喜んでやりたがりますが、麻雀でも似たような技術が可能で、日本にも同類の映画がありましたね。柏原崇がまだ少年だった頃、その天才少年役をやった映画、「雀鬼アカギ」「雀牌アカギ」を思い出してしまいました。もっとも賭博が禁止されている日本では、賭け麻雀は日陰の身。ラスベガスのような華やかさとは無縁の映画でしたが・・・・



この原作に惚れ込んだケヴィン・スペイシー、自ら映画化権を取得するために奔走し、製作も兼ねたというのだから、思い入れの深さも相当ですね。数学他の成績が優秀で、これぞと見込んだ学生たちを率いてこのゲームを仕掛けるMITの教授にほれ込んだからとか。
ケヴィン・トレーシーが教授のどこにほれ込んだのか、何となく分かるような気がしますね・・・(苦笑)



主演のベンを演じているジム・スタージェスは、ビートルズの名曲の数々をちりばめたミュージカル映画『Across the Universe』で ミュージカル初挑戦で、主人公ジュードを見事に演じ一躍全米そして国際的に注目される事となった新鋭の若手です。
今後も大物俳優との共演作品が次々と控え、この映画でブレイクすると注目度ナンバーワンの若手になるかも。

そのベンを支えるガールフレンドの変装の数々も見ものですが・・・・女性はいかに数学的な才能があろうとも、賭博には向かないということを痛感させられました。もっとも、カード・カウンティングそのものは違法ではありません。「バットマン リターンズ」に出ていたケイト・ボスワース、彼女の堅実さが救いでしたね・・・・

世の中の怖さ・・・というものを、学生たちに教える存在となるのが大人たち。その筆頭が彼ローレンス・フィッシュバーンとなると、見ている側も怖くなりますよ・・・・

いろいろな見方が可能なエンターテイメントに仕上がっていますが、サスペンスとして観るも可能、人生ドラマとして観るも可能。青春映画として観るも可能。

人生というのは、人間が主体。人間は環境や感情や自身の思惑や欲望に影響される存在・・・そうしたものからの影響を最小限にできると、「クールなやつ」と呼ばれるのですが・・・・、いかに計算しても思いがけないことが発生するのが人生。
なぜなら、リアルな人生には生きた人間が関わってくるから。自分一人でPC画面を眺めながらのゲームとは違って生身の相手がそこに存在するから。

ゲームの手法はちゃんとした理屈通りにやれればノープロブレムでも、ゲームを行うのが人間である限り、不測の事態は付き物。ましてやクールな人間に夢や希望など、ましてや恋など出来ようか。

公開サイト
 ↓
http://www.sonypictures.jp/movies/21/

ということで、

明日から公開される映画ゆえ、このくらいにしておきます。個人的にブラック・ジャックはよくやりましたので馴染んでいる分、面白く見ることができましたが、そうじゃない方は、もしかすると、訳が分からないうちに映画は終わってしまうかもしれません。それほどスピード感のある展開なので、ボストンとラスベガスの二重生活に飛行機の中で眩暈を覚えた主人公と同じ状態になるかも。

 

 

 


「バースディ ガール」

2008年05月29日 | ◆ハ行&バ・パ・ヴ行

2002年製作 アメリカ映画
監督:ジェズ・バターワース


(ジョンを演じているベン・チャップリン)

金城武に似たベン・チャップリンと二コール・キッドマン共演のラヴコメ(のつもりの)サスペンス映画。

インターネットの出会い系サイトで見つけたロシア娘との結婚を決意して彼女をイギリスに花嫁として迎えることにしたジョン(=ベン・チャップリン)・・・・。


(出会い系サイトで知り合い結婚詐欺を商売にしている二コール・キッドマン)

空港で彼の前に現れたのは、見るからにはすっぱな化粧で頭の悪そうなロシア娘(=二コール・キッドマン)だった。
しかも、この娘ナディアは英語がからっきしできない。一体ネットでのメールのやり取りはなんだったのか!?

二コール・キッドマンにとってイメージにぴったりという役柄。どうしてこうも頭の足らないはすっぱな娘の役とか育ちの悪そうな娘役とか訳アリの女という役柄が似合うのか・・・・
ジョンは驚愕し困惑し失望して出会い系サイトのようなネット結婚斡旋サイト事務局に電話するが、まったく連絡がつかない。緊急だというジョンの留守録へのメッセージに返事はない。これではまるで詐欺にあったようなもの。そう、詐欺!この映画、ここからして詐欺なのだ。


(二コール・キッドマンとマチュー・カソヴィッツの共演って、違和感!)

緊急連絡に応答がないまま、うぶなジョンはベッドで篭絡されてしまう。ああ、これだから男って!などと言ってはいけない。英語での会話コミュニケーションゼロ!意志の疎通ゼロ・・・・けれど結婚相手!晩生の真面目男と百戦錬磨の女が一つ屋根の下で二人きりなのだから。

婚約したも同然の二人のところに、しかも彼女のバースディという夜、露英辞典をプレゼントして何とかやっていこうかと思っていた矢先、彼女の従弟という二人組みが突然やってくる。ハッピーバースディ♪
面食らうジョン。周囲は一気にロシア語圏となる。私はロシア語がわからないので、彼らが会話するロシア語がどの程度のものなのか皆目見当もつかない。ロシア語で乱痴気騒ぎをする彼らに何とも違和感が募るけれども、やってきた二人がなかなかよろしい。一クセも二クセもありそうで、かつ対照的なキャラ。

一人は、「オーシャンズ13」でフォックス役をやったヴァンサン・カッセル(妻がモニカ・ベルッチ!)

もう一人が、「アメリ」のマシュー・カソヴィッツ!


(陽気なキャラの詐欺師の方を演じたマシュー)

この二人、フランス映画の「憎しみ」(1995年製作マチュー・カソヴィッツが監督!)でも共演しているらしく息がぴったり合っている。切れる体育会系の切れるタイプをヴァンサン。それをなだめる柔のタイプをマチュー・カソヴィッツというのがいい。

ロシア語だらけの中で銀行員のジョンは蚊帳の外。どんちゃん騒ぎの日々に恐れをなしてお引取りを願ったところ、
いきなりナージャを人質にして金を要求され、人の良いジョンは銀行からお金を持ち出してしまう。



ところが、・・・・

人質のはずのナージャと脅していたアレクセイは、実は恋人同士!結婚詐欺グループのお仲間だった。あまりの事実に驚愕し硬直するジョン・・・・
ああ、哀れなジョン!なのだが、


(ホテルのトイレで縛られるジョン・・・)


(ドア一つ隔てた部屋から聞こえてくるアレクセィたちの話とベッドでのナージャのあえぎ声・・・・)

こういう表情って、シリアス映画そのもの。金城武に似たベン・チャップリンでは、だから、イマイチその辺のところがわかりにくいキャラクターになってしまう。



いくら、こんな姿をして見せてくれても、どうも笑えない。やっぱり彼はコメディには向いていない。

一方のナージャは、というと、
ジョンのことなど眼中にない。

そういう悪女役が二コール・キッドマンにはぴったりなのだが・・・・ナージャのお腹の中にはアレクセイの子供がいる。もう十分稼いだから足を洗おうと言うナージャ。この辺から、実は見かけと違って純粋な心を持った女性なのだという役柄を超えた二コール・キッドマンお得意の自己主張が始まる。


(自分に暴力を振るう男にしがみつくというキャラは、彼女にぴったりだが・・・これがコメディ映画で見せる顔だろうか)

けれど、アレクセイは詐欺のために他の男とエッチした彼女が気に入らない。自分の彼女にそういう仕事をあてがった張本人なのだが、そこが実に身勝手なキャラ。まだまだ詐欺を続けたいらしくナージャに暴力を振るい、彼女を縛り上げて置き去りにする。実に酷薄!勿論お金も持ち逃げする。抜け目のなさ!こういう役がまた似合うんだなあ、ヴァンサン・カッセルって!

一人取り残された彼女を警察に突き出そうとするジョン。気弱で心優しい男がバイオレンス男に変貌か!?と思いきや、彼女が妊娠していることを知って心が動く。


(男に捨てられお金も持ち逃げされたナージャだが・・・・)


(彼女を警察に突き出すべきか、助けるべきか。ハムレットになっているジョン)

ジョンは、彼女の罪はソ連崩壊後の経済の悪化だと。生きていくために仕方なく悪の道に入ったのだと考えるようになったのか、そう言い訳する彼女にいつしか同情する。そして自分の無実の罪を晴らそうとするチャンスを棒に振って、彼女をロシアに帰そうと決める。いわば、国際的な詐欺師の国外逃亡を手伝うわけです。それも、どうやら恋に落ちたシェークスピアになっているからです。

まじめなジョン・・・・すでに銀行から大金を盗んだ犯人として全国指名手配中。そんな男が真犯人ナージャを飛行場に見送るのだから、気のよさは天下一品。

ところが、ナージャは抜け目のないアレクセイに見つかって連れ去られてしまう。二人の後を追いかけ、007張りに活躍してナージャを救い出したジョンは、再び彼女を飛行場に。

そこで、グッバイするはずが・・・・・


(男がいなければ何もできないキャラのはずだが、二コール・キッドマンのダメなところは、そういうキャラに徹することができないところ)

何とコーとのポケットに入っていたアレクセイのパスポートとチケットで、二人はロシアに向けてまんまと旅立ってしまうというお話。出入国管理国局の人間の目は、節穴だらけ・・・・ここで初めて笑える映画です。


(二人を追って空港にきたものの、パスポートがない!しまった!)


(空港に行く時間になってホテルの部屋に戻ってみれば、・・・・・どうなってるんだ?というお顔。そもそも盗んだ大金を持って国外逃亡するまであと3時間というときにホテルでゲームなんかするか!?)

空港には間抜けな男が二人残されて、
映画は終わる。


まあ、インターネットの出会い系サイトで外国から花嫁を迎えようとした冴えない男が、恋に落ちた相手と(しかもヤバイ男の子供を妊娠中)、言葉も分からない国(しかもロシア!イギリスとの関係を考えたら、イギリス人ならぞっとするのではないかと思うのだけれど・・・)へ無一文で旅立つ≪勇気ある≫男に変わるという映画。ジョンにとってはめでたしめでたしかも。何といってもそこで初めて彼女の本名を教えてもらえたし。(苦笑)

最後に笑うのは誰?じゃなく、
結局おバカだったのは、誰?という映画ですね。

なのに、どうも面白い映画になっていない。犯人が一人も捕まらないのだから、「コメディタッチ」の「クライムサスペンスの亜種」とも言える映画だけれど、正直笑える場面と分かっていても笑うのに苦労する。

ジョンにとっては、真面目ではあるけれど覇気がなく消極的だった自分が、勇気を出して一歩を踏み出せる男に変わっていく物語でもあるし、ナージャにとっては、自己チューのダメ男と知りつつ肉体的に離れられない関係にあった男とおさらばして新しい人生を踏み出す女の物語。そういう意味ではコメディタッチの成長物語。

なのに、笑えないコメディとなってしまったのは、二コール・キッドマンの野暮ったさとベン・チャップリンの顔のせい。ベン・チャップリンは、本来、本格クライムサスペンスや本格ホラー向きの顔だから。

 


 


☆5月後半の映画三昧リスト

2008年05月29日 | ■2008年 5月の映画鑑賞

5/17
●「バッテリー」

5/18
◎「サンダーバード」
◎「ナル二ア国物語 第一章 ライオンと魔女」

5/20
◎「0侯爵夫人」
◎「Awake」

5/21
◎「ドラゴン キングダム」(先行上映会)
●「デス オア アライブ」

5/22
◎「暗黒の女戦士」
◎「88ミニッツ」---★
◎「バンテージ・ポイント」 

5/23
◎「勇者たちの戦争 Home of the brave」
◎「つぐない」---★
◎「サイレント ヒート」

5/24
◎「相棒」

5/25
◎「世界最速のインディアン」

5/26
◎「アイ ノー フー キルド ミー」---★
◎「茶々 天涯の貴妃」

5/27
◎「ウェイスト・ディープ」---★

5/28
◎「デッド ドール」
◎「デッド サイレンス」
●「プロポーズ」

5/29
●「バースディ ガール」
◎「ラスベガスをぶっつぶせ」

5/30
◎「渋谷区円山町」
◎「・・・・・」

5/31
◎「・・・・・」


 


カットスロート・アイランド&ロングキス グッドナイト

2008年05月28日 | ◆カ行&ガ行
これらは、CSで、
ジーナ・ディヴィス主演映画の特集をやっていたらしいときに、
たまたま観ました。

昔観た映画だわと思いながらも、結構楽しめたのは、やはり、
主演のジーナ・ディヴィスのキャラクターの面白さでしょうか。
美人女優ではないけれど、味のあるアクションをこなせる女優ですね。

この2作は当時のご主人でもあった監督レニー・ハーリンが撮っていますが、
ジーナ・デイヴィスでまっさきにわたくしがイメージする映画は、
やはり「テルマ&ルイーズ」(リドリー・スコット監督)、
そして全米女子プロ野球リーグの実話を映画化した「プリティ・リーグ」、
トム・ハンクスがチームの監督役で出ていました。
この2本が好きです。

★画像は、時間が出来た時にでも。




クリムト

2008年05月28日 | ◆カ行&ガ行
ジョン・マルコヴィッチが、グスタフ・クリムト役を演じています。 それだけで、わたくしなどは観たくなりますが、 19世紀末のウィーンの空気と クリムトの表現への執着と葛藤という内面をリンクさせている映像は特異で、 なかなか興味深かったです。 クリムトの絵画ファンや彼の作品に本当に関心をお持ちの方には、 是非ご覧いただきたいけれど、 ファッションとして彼の絵画が好きという方にはおススメしません。 監督は国際映画賞では常連のラウル・ルイス。 ★画像は、時間が出来た時にでも。

チャイナ シンドローム

2008年05月28日 | ◆タ行&ダ行
原発の安全性、当時と現在では何がどう変わったのか。
あるいは変わっていないのか。

企業利益優先で情報を隠蔽する会社側を悪として、
TVのアナウンサーとして報道番組のアンカーを志す女性ジェインフォンダとスタッフが
その悪に挑むという社会派映画です。

アヒルのランプとかモンローのポスターとか、グラデーションのサングラスとか、
いかにも1970年代~~という映像で苦笑してしまいましたが、
初老のジャック・レモンが懐かしくて観てしまいました。

ところで、マイケル・ダグラスって、
昔も今も容貌が変わっていないので、びっくり。
美容整形手術をしているせいでしょうか。

ジェイン・フォンダの表情が、
ドキリとするほどお父様に本当によく似ているので、
改めて親子だなあとしみじみ思いながら見た次第です。

が・・・・、
1970年代は遠くになりにけりという感を強くもちました。


★画像は、時間が出来た時にでも。


ザ・コントラクター

2008年05月28日 | ◆カ行&ガ行
ウェズリー・スナイプスがCIAの暗殺者に扮した陰謀B級アクション映画。

きれいに仕事を終えるはずだったのが、
いっしょに組んだエージェントのミスで追われる立場になるスナイプス。

舞台がロンドンという設定で、
そこのスラム街に住むトラウマを抱えた少女と出会い、
いつしか少女との友情が大きな割合を占めていくせいか、
アクション映画としては焦点がぼけてしまっていて残念!

他のアクション映画のヒーローたちもそうですが、
スナイプスも監督と脚本に恵まれていないのが、
とても残念!なわたくしです。


「世界最速のインディアン」(THE WORLD'S FASTEST INDIAN )

2008年05月28日 | ◆サ行&ザ行

やっと観る事ができた「世界最速のインディアン」!
2005年 アメリカ、ニュージーランド製作
監督:ロジャー・ドナルドン

アメリカのユタ州にあるボンヌヴィル塩平原で自作の愛車インディアンを思いっきり走らせたい。そこは普段走っている砂浜と違い、どこまでも続く塩の平原。距離も地面の硬さも走りには理想的な場所。そこでなら本当の速さを試せる!世界に数えるほどしかないバイクの聖地。

愛車インディアンで記録に挑戦したい。そんな夢を抱いて25年・・・・・今年が挑戦するラストチャンスかもしれない。

廃屋のような小屋で年金暮しのバート・マンローは、庭の芝刈りに頓着しないなどご近所の人たちにちょっとばかり迷惑をかけながらも、

世界最速のインディアン

部品を集めてはバイクの改良に余念がない。年金暮らしゆえ慎ましい暮らしだが、旅費を蓄えるためにさらに倹約した生活ぶりは、時計の針を思い起こさせる。つまり、とても自然なのでストレスもなく何とも見事・・・・
孫のような友人の隣家の少年(アーロン・マーフィーという子役)との友情に恵まれて町の人々にも愛されている。

世界最速のインディアン

そんなライダーの彼を不良青年たちがからかうために、マシーンでの勝負を挑んでくるが・・・・、通常起こりえるようなこと、暴力や諍いなどは何も起こらず、驚異的な走りを見せつつも折り返し地点でターンできず勝負には負けるマンロー。インディアンは直線しか走れないのだ・・・・それが何とも面白い。けれど、そんな走りの後もインディアンの改良に余念がないマンロー。

拘泥しない心が周囲の人たちをほっとさせるのが良く分かる。走りの見事さと彼の何ともほっとさせてくれる人柄や人間性に不良たちもいつしか心を開いていくのもとても自然で、畏敬の気持ちというのは、自然に生まれるものだということを私たちに思い出させてくれる。

少年との友情もそうだが、旅費のカンパを集めるパーティを開いてくれる町の老人クラブの人たちとの交流も、そして不良バイカーたちとの出会いも相手にいかなる思惑があろうとマンローにとっては皆温かいものになる。なぜだろう。

怪我や事故を恐れないのかと聞かれたとき、彼は語る。人はいつか死んでいくものだ。誰にでも死はやってくる。人間はイモータルな存在ではないということを彼は実にそのまま素直に受け入れている。
愛車インディアンに乗って走る5分間は何十年もの人生に匹敵すると。いや、何十年という人生の時間もその5分間に匹敵するのだという彼の言葉は胸を熱くさせる。


見逃していたアンソニー・ホプキンス主演のこの映画。老いて童のようなハートと笑顔を見せるマンローを無論ホプキンスが演じているのだが、やはり素晴らしかった。 

 

ユタ州までの道のり・・・・・ニュージーランドを出港する際、不良青年たちから餞別を貰い、貨物船内で働きながら不足分の旅費をまかない目指すはアメリカ、ユタ州のボンヌヴィル塩平原。そこで開催される競技で愛車インディアンの最速に挑戦する夢・・・・

その旅路で「おのぼりさん」のマンローは、実に多くのトラブルに見舞われるが、そのとき出会った人たちに助けられながら前に進んでいく・・・。

天は自らを助けるものを助ける・・・・・という言葉を、思わず思い出してしまったほど。彼は物事を解決するために自分に出来ることを骨身を惜しまず行うので、相手もいつしか手助けするようになってくる。相手に幸せを与えることで彼自身も多くの人々から助けてもらう・・・・

これができたら本望だと思うものを持った人間には往々にして、意志が強固な分自意識過剰で頑迷なところが見受けられるものだが・・・・、マンローにはそれがない。

年老いても夢を持つ人間にも往々にして、自分勝手でわがままなために誰かに自己犠牲を強いたり、周囲に甘えていながらそんな側面には目を向けようとしない狡猾な年寄りも少なくないが・・・・、マンローの自立度は驚異的だ。

そんな「力み」があっては良い走りはできないだろうし、狡猾さや甘えで我が身を取り繕っているようでは、やはり良い走りは出来ないに違いない。マンローは手作りの愛車インディアンが最速のスピードを出せるように改良し続けることに余念がない人生を送ることで、あたかも座禅してきたのと同じ状態に到達しているようだ。だから、彼と出会った人々は彼に心を自然と開いていくのだろう。そこに「喜び」があるからだ。

出会う人、出会う人に、
彼は笑顔で手を差し出して言う。

「Hello,My name is Burt Munro」

人間関係のイロハはここに始まりここで終わる。
夢の実現のために何十年もこつこつと地道な努力をする。決して諦めないその情熱はとてもピュアーだ。目前の状況をあるがままに受け止めることができるのも、そこに邪念がないからだ。必要なことは必要に応じて考えるという柔軟な生き方も、こういう人といっしょにいられたら、人生をあるがままに楽しめるのかもしれない。

マンローはインディアンを愛するように、
まさに人生を愛しているのだ。