月光院璋子の映画日記

気ままな映画備忘録日記です。

「キャデラック 俺たちの1000マイル」(「Coupe de Ville」)

2008年08月28日 | ◆カ行&ガ行

●「キャデラック 俺たちの1000マイル」(「Coupe de Ville」)
1990年アメリカ映画 監督ジョー・ロス

こういう家族愛を描かせたら、アメリカ映画はぴか一だ。そう思わせるほど、コメディタッチながらほろっと泣かせるようなロードムーヴィのホームドラマ。過日観たジュリア・ロバーツとキャサリン・ゼタ・ジョーンズ共演の映画『アメリカン・スウィートハート』と同じ監督なだけあって、似たテイストのコメディタッチながら、こちらの映画の方がずっと良質。



原題のCoupe de Villeは、このCadillac Coupe de Ville 1954というキャデラックからきている。映画では車体の色はきれいなブルー。映画の中で54年型と言っていたので、画像を探してみたけれど、ブルーの54年型を見つけかねた。

男の子の3人兄弟は、とかく仲が悪いと言われるけれど、男二人の兄弟となるとカインとアベルのように殺し合うかもしれない愛憎が生まれるケースもあるから、3人というのは殺し合わない分、愛憎が内面化してお互いに距離を置くのかもしれない。
この映画でも、子ども時代からケンカが絶えなかった3人兄弟の11年後の再会からドラマは始まる。


海軍に入隊していた長男マービンは、生真面目で責任感が強い分キレやすく、何かというと父親のように弟たちに命令する堅物で、大学を終えたらしい次男バディは、争いごとが苦手な調整型だが、純情一途なロマンティスト。この長男を何と『ホームアローン』で間抜けな泥棒を演じたダニエル・スターンが演じ、次男をアリー・グロスという俳優が演じている。いろいろな映画に出ているので、見た顔だなあという印象ながら、名前は今回初めて記憶した。
坊主頭のダニエル・スターンはなかなか様になっている!


坊主頭の画像がなくて残念!

Arye Gross
若い頃の画像がなくて残念なアリー・グロス

二人はキャデラックの鍵を持って現れるのだが、どうやら父親の指示でそのキャデラックをデトロイトからマイアミまで無傷で運ばねばならないらしい。ただし、更生施設に入所中の末の弟の弟ボビーを伴うことが条件だ。この三男を演じているのが、誰かに似てるなあと思ったら、パトリック・デンプシー。この映画のときは24歳!



この末っ子は何かというと長男に反抗的で、気性も激しいが、実は陽気でシャイな性格でもある。
こうした三兄弟の珍道中が始まるのだが、案の定、カーラジオで流す音楽一つをとっても趣味が正反対。何かと対立する長男と三男に挟まれて次男は車酔いして吐いてばかり。思うのは恋人のタミーの事。純朴なキャラ全開。(タミー役はリタ・タガート)

道中、この三兄弟はカーラジオから流れる曲を聴いても、三者三様の解釈で言い争い。まさに三者のキャラが反映された解釈!

これらの三人のそれぞれの性格は、実は父親の性格を三分割したようなもので笑えるのだが、そんな父親を演じているのが、アラン・アーキンだ。アラン・アーキンは、過日、映画『ガタカ』の紹介の折にも紹介した記憶があるけれど、存在感のある味わいのある役者。
この映画でも、味のある父親として最後を締めていた。

最後はほろりとさせるエンディングで、兄弟のいる人たちにおススメの映画ですね。


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