読み返すゆとりもなく中途のままアップしてしまった日記、
「ベンジャミン・バトン/数奇な人生」(1)を書き換えて、
こちらをアップいたしました。
さて、
秀作となった本作を担った出演者のご紹介です。
スタッフの方は、ネットでご検索ください。
まずは、
捨て子のベンジャミンを拾って育てるクウィーニーを演じていたタラジ・P・ヘンソン(Taraji P. Henson)
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まだ30代の女性が若い娘役を演じてもさほど違和感はありませんが、老人の顔をした小さなベンジャミンを育てる様子や祖父のような老人(実は中身は青年)となったベンジャミンに接する姿、とても安心感がありました。つまりは、母親で在り続けていることに違和感がなかったこと!これは脅威です。
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施設の老人たちの世話をし、彼らを一人ひとり看取り続ける姿に違和感が感じられないというのは、それは天性の仕事と言えるかもしれません。黒人差別が強かった時代とはいえ、そういう時代に限られた仕事として施設の住み込みの使用人になったとはいえ、その女性としての姿と貫禄は、まさに母性愛の権化、グレイトマザーそのもので見事な安定感、存在感でした。そういった女性をタラジ・P・ヘンソン(Taraji P. Henson)は見事に演じていました。
そして、こちらの主演女優の彼女も見事でした。
二十歳前くらいの若い娘役から、老いて臨終を迎える90歳くらいの老婆までの長い長い人生の物語で、それぞれの時代ごとにそれぞれの年代を違和感なく演じきったケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)、もともと年齢不詳の老け顔なので中性的な魅力があり、男性の役をしても違和感がないけれど、今回のここまでの老女の役には凄まじさを感じます。
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今年40歳になる彼女ですが、すでに3人の子供の母親。
ハードで多用な女優業を担いながら、養子ではなく自ら3人の子供を産んで育てるというのはたいしたものです。(やはり仕事で成功したい女性は、結婚するなら才能のある年下の男性に限るかも!)驚愕したのは体のラインが少しも崩れていない(ように見えた)ことでした。何といっても、ただ若い娘役というだけではなく、本作のデイジーは世界的に活躍するようになるダンサーなので、体のラインは決定的!
映画冒頭のこのシーン、顔がドアップで映し出されたとき、40年後のアンジョリーナ・ジョリーかと勘違いしてしまいました。
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上の画像ばかりでは気の毒なので、こちらもアップ。
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2年前の彼女ですが、本作ではもっとシェイプアップされていたように感じます。変わらずに美しいラインでした。
さて、もう一人の主演、
ベンジャミンを演じたブラッド・ピット(Brad Pitt)の画像は、(1)でサービスさせていただいたので、こちら(2)では若くなったときの彼は割愛させていただきます。どうぞ映画でじっくりその変容をご覧ください。ここでは、ベンジャミンがブラッド・ピットの実年齢に近づくまでの画像をご紹介しますね。
このあたりになると、ブラッド・ピットだと分かりますね。
いまだ老人ながら、タグボートの船員としてだんだんとたくましい男性に変わりつつある頃で、70代。
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わざとこうしたダサい格好をしているのではなく、その時代のファッションなのです。時代で言うと、第二次世界大戦が終わった後なので、1946~50年頃。この眼鏡は、老眼用。
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自分が、他の人間と違ってかつての自分と比べたら間違いなく若返ってきていることを客観的に自覚しつつ、この先も若返るのか誰にも分からない・・・・そんな心境下のベンジャミン。
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デイジーは自分と比べたらまだまだ若く美しい。やりたい仕事で成功し仕事仲間の恋人やボーイフレンドもいる。自分とは住む世界が違うのか。でも、二人は繋がっている・・・
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紆余曲折を経て、ベンジャミンはデイジーと同じ年代を迎えます。時代が変わり、まさにビートルズ文化全盛の頃。
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めまぐるしい60年代が終わり、月日は流れ、
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もはや、目も良くなり眼鏡は必要なし。お金の心配も無し。
けれど、新たな、それも深刻な悩みが、ベンジャミンを襲います。
静かな音楽がその姿をじっくりと私たちに見せてくれますので、ベンジャミンのこれまでの半生に思いを馳せつつ、このときの彼の悩みに思いを馳せるならまさに等身大。
人生の中盤を迎えたときに出会う悩み、あるいは人生の分岐点に立たされたときの悩みというものと出会うのではないでしょうか。
年見た近作、『バーン・アフター・リーディング』(「BURN AFTER READING」)でのオツムの弱い青年役は、実にチャーミングなブラッド・ピットでしたが、シリアスな彼の表情は、やはり素敵ですね。
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(『バーン・アフター・リーディング』でのブラッド・ピット。ジョージ・クルーニーとの相性の良さで、今までにない役を演じちゃった!というノリの良さでしたね)
本作のベンジャミン、性格的には『ジョー・ブラックによろしく』を彷彿させるところがあり、若かりし頃のブラッド・ピットに会えたような不思議な衝撃がありました。
メイクではないし・・・いったいどうやったのかとハリウッドの技術力には驚愕しますね。昔の映像を操作して作ったのでしょうか。
そのベンジャミンがまだ老人時代、恋に落ちるお相手となったのがエリザベス。彼女を演じていたのが何とティルダ・スウィントン(Tilda Swinton)。
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(ティルダ・スウィントン)
キャスティング、見事だなあと思いました。
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彼女に仕事を尋ねられたとき、ブラッド・ピットが「船員だ」と答えるとき、「それにしては、歳を取りすぎているのでは・・」と答えるシーンが印象的でしたね。なぜって、このときのベンジャミンはまさに晩生の二十代・・・・これが、ベンジャミンにとって、娼婦以外の女性との初めてのラヴでした。初恋の相手は一生忘れられないと言うけれど、ベンジャミンにとってもそれは同じだったようです。
このティルダ・スウィントンが出ていた近作の映画『フィクサー』では、緊張感のある役柄でしたけれど、『バーン・アフター・リーディング』ではフランシス・マクドーマンド(Frances McDormand)の方が強烈で彼女が出演していたことを失念していたほど。
こちらの女優さんです。
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(個性派の女優、フランシス・マクドーマンド)
ティルダ・スウィントンでイメージするのは、個人的には、何といっても、あの『コンスタンチン』での堕天使ガブルエル。あの役は強烈でしたね。あれ以来すっかり彼女の魅力に参ってしまった次第ですが、あのときの”中性的な”ティルダ・スウィントンの魅力!
ケイト・ブランシェットとある意味同タイプですね。二人ともスレンダーで中性的な魅力を持った女優だと思います。こういう女優は、中年になると演じる役柄が限定されると思っていましたけれど、新しい魅力を是非披露してもらいたいものです。
ご紹介したい俳優や女優はまだまだいるのですが、
まずは、ベンジャミンの実父のトーマス・バトンを演じた彼。
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(ベンジャミンの実父役のジェイソン・フレミングとベンジャミンとの再会シーン。自分が捨てた息子を前に、それを秘めたまま。何を話していいのかわからない、けれど、話したい・・・そんな父親の姿を好演していました)
街の娼婦宿でベンジャミンを見て、一目で自分が捨てた息子ではないかと思い彼の後をつけるシーン、そして、娼婦宿に出入りする者同士、ときどき酒でもいっしょに・・・と誘うシーンですが、
代々受け継いできたボタン製造の会社も大儲けしていまや大きくなり、リッチマン。けれど、後を継ぐべき息子を二十年前に捨てたのは自分。愛する妻を失ったばかりに妻を奪った赤ん坊が憎かった。醜く生まれたその子がもう生きてはいないものとばかり思っていた父親・・・それをジェイソン・フレミング(Jason Flemyng)が好演。
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彼もまた20代から老年までを演じた一人です。
このシーン、心に残った美しい場面でした。
本作とは無関係ながら、実年齢ではブラッド・ピットが彼より年上というのも面白い。
こちらも忘れてはならない一人。
ジャレッド・ハリス(Jared Harris)
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ベンジャミンがホームを出てから長い時間を共に過ごすターグボートの船長です。ベンジャミンにとって、まさに男のタフな世界を見せてくれた父親代わりとなる人物。彼の死に際の台詞には泣かされました・・・
そして、
最後に忘れてならない一人がこちらですね。
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映画冒頭に出てくる、あの針が逆向きに進む時計を作った人物。愛息を戦争で亡くした時計職人の ガトー氏。ルーズベルトを俯かせるほどのスピーチ、あれが本作の導入となり、また本作の隠されたテーマだと思われました。イライアス・コティーズ。(Elias Koteas)のそのスピーチ、是非映画でお聞き下さい。