ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する私と、皆さまにお届けするブログです

ビルボード 全米 Top40 1986年11月1日付 シンディ・ローパー Cyndi Lauper - True Colors

2022-10-30 21:41:21 | 1986年ビルボードTop40
1986年11月1日付ビルボード All American Top40、2週目の1位となりました、Cyndi Lauperの"True Colors"。Cyndi Lauperですが、デビュー曲の"Girls Just Want to Have Fun"がいきなりの2位、次の"Time After Time"がNo.1を記録、この2曲を含め、この曲で7曲目のTop40ヒットで、4曲目のTop3ヒット、"Time After Time"に続く2曲目のNo.1です。

2位は前週と変わらずこれで3週目の2位、残念ながら1位にはなれませんでした、Tina Turnerの"Typical Male"。Tina Turnerですが、デビューは1950年代の大ベテラン。Ike & Tina Turnerで活動し、沢山のTop40ヒットを持っています。Top5ヒットとなると、1971年にJohn Fogertyの名曲"Proud Mary"のカバーが4位を記録、以来、"What's Love Got to Do with It"が十数年ぶりのTop5ヒットでNo.1を記録、この曲で通算5曲目のTop5ヒット、3曲目のTop3ヒットになりました。

3位は4位からアップ、Robert Palmerの"I Didn't Mean To Turn You On"。Robert Palmerですが、初のTop40ヒットが1978年の"Every Kinda People"。以来、この曲で5曲目のTop40ヒット、No.1の"Addicted to Love"に続く2曲目のTop5ヒット、さらに、The Power Stationの3曲を含め、8曲目のTop40ヒットです。

4位は6位からアップ、Bostonの"Amanda"。ついにBostonがTop40に帰ってきました。Top40ヒットは1978年の最高位31位の"A Man I'll Never Be"以来8年ぶり、この曲で6曲目のTop40ヒットで、デビューシングル"More Than a Feeling"の5位、"Don't Look Back"の4位に続く3曲目のTop5ヒットです。

5位は9位からジャンプアップ、The Human Leagueの"Human"。The Human Leagueですが、1981年のアメリカでの初めてのヒット"Don't You Want Me"がいきなりのNo.1を記録、以来この曲で4曲目のTop40ヒットで、2曲目のTop5ヒットです。

この週2週目の1位がCyndi Lauperの"True Colors"。1位はこの10月25日付と11月1日付の2週間。年間チャートは41位。年度の途中になってしまったことと、Top40には12週間と短い期間であったことで、年間チャートは2週間の1位にしては低めでしたが、2曲目のNo.1の大ヒットになりました。

Cyndi Lauperですが、1983年にデビューアルバム『She's So Unusual』をリリース、そのアルバムからのファーストシングル"Girls Just Want to Have Fun"がいきなりの2位、年間チャートも15位の大ヒットでした。セカンドシングル"Time After Time"も続けて大ヒット、初めてのNo.1となり、こちらは年間チャートで17位。結局、ファーストアルバムからは5曲のシングルがすべてTop40に入る、新人としては、驚きの大ヒットでした。"Time After Time"については、こちらをご覧ください→→→

Cyndi Lauperは新人でのいきなりの大ヒットでしたが、ここまでの下積みが長いのです。ソロでデビュー前の1978年には「Blue Angel」を結成し、アルバムを出していますが、全く売れず、なんとシンディは自己破産に追い込まれ、歌手も一時的にやめてしまいます。その後のソロで復活しての大成功でした。

『The Goonies』のサウンドトラックから、最高位10位のヒット"The Goonies 'R' Good Enough"を挟み、1986年にリリースしたのが彼女2枚目のアルバム『True Colors』。そのアルバムからのファーストシングルがアルバムタイトルナンバーのこの曲"True Colors"です。

"True Colors"の曲の作者はTom KellyとBilly Steinbergのソングライターコンビ。そう、Madonnaの"Like a Virgin"を作ったソングライターコンビです。このコンビ、この後も素晴らしい曲を作ります。 Heartの名曲"Alone"、The Banglesの"Eternal Flame"、そしてWhitney Houstonの"So Emotional"も彼らの作品ですね。素晴らしいバラードを作ります。Tom Kellyですが、70年代中頃のウエストコーストロックグループFools Goldのメンバーでした。シングルヒットは最高位76位の"Rain,Oh, Rain"1曲のみでしたが、この曲、最高に良い曲でしたのです。その辺のところは"Like a Virgin"の記事に書いてありますので、そちらをご覧ください→→→

"True Colors"ですが、バラードの名手が作った素晴らしい曲、歌詞、和訳も気になるところです。「Color」じゃなくて「Colors」ですので、深い意味があるのではないでしょうか。心を打つ名曲でした。Cyndi Lauperの歌唱力もまた、素晴らしいものがありました。

Cyndi Lauperですが、次のアルバムも大ヒットしますが、90年代に入りシングルヒットが出なくなります。ただ、彼女の素晴らしい歌唱力はその後も健在で、さらに活躍を続けます。2010年にリリースした彼女の10枚目のアルバム『Memphis Blues』は、アルバムチャートで最高位26位を記録するヒットとなり、また、ビルボードのブルースアルバムチャートでは、14週間の1位を記録する、記録的な大ヒットアルバムとなりました。今でも活躍を続けています。


今週 先週 song / artist
1 1 TRUE COLORS / CYNDI LAUPER
2 2 TYPICAL MALE / TINA TURNER
3 4 I DIDN'T MEAN TO TURN YOU ON / ROBERT PALMER
4 6 AMANDA / BOSTON
5 9 HUMAN / HUMAN LEAGUE
6 13 TRUE BLUE / MADONNA
7 3 WHEN I THINK OF YOU / JANET JACKSON
8 10 SWEET LOVE / ANITA BAKER
9 15 TAKE ME HOME TONIGHT / EDDIE MONEY
10 8 ALL CRIED OUT / LISA LISA & CULT JAM
11 16 YOU GIVE LOVE A BAD NAME / BON JOVI
12 17 WORD UP / CAMEO
13 18 THE RAIN / ORAN "JUICE" JONES
14 5 HEARTBEAT / DON JOHNSON
15 23 THE NEXT TIME I FALL / PETER CETERA WITH AMY GRANT
16 7 THROWING IT ALL AWAY / GENESIS
17 19 GIRL CAN'T HELP IT / JOURNEY
18 22 I'LL BE OVER YOU / TOTO
19 12 A MATTER OF TRUST / BILLY JOEL
20 27 LOVE WILL CONQUER ALL / LIONEL RICHIE
21 24 I AM BY YOU SIDE / COREY HART
22 25 EMOTION IN MOTION / RIC OCASEK
23 11 TWO OF HEARTS / STACEY Q
24 29 JUMPIN' JACK FLASH / ARETHA FRANKLIN
25 35 HIP TO BE SQUARE / HUEY LEWIS & THE NEWS
26 26 IN YOUR EYES / PETER GABRIEL
27 30 THE WAY IT IS / BRUCE HORNSBY & THE RANGE
28 14 DON'T FORGET ME (WHEN I'M GONE) / GLASS TIGER
29 36 TO BE A LOVER / BILLY IDOL
30 31 SOMEBODY'S OUT THERE / TRIUMPH
31 37 EVERYBODY HAVE FUN TONIGHT / WANG CHUNG
32 38 FREEDOM OVERSPILL / STEVE WINWOOD
33 20 HEAVEN IN YOUR EYES / LOVERBOY
34 21 STUCK WITH YOU / HUEY LEWIS & THE NEWS
35 28 FRIENDS AND LOVERS / CARL ANDERSON & GLORIA LORING
36 48 WALK LIKE AN EGYPTIAN / BANGLES
37 44 LIVE AND DIE / ORCHESTRAL MANOEUVRES IN THE DARK
38 42 WHAT ABOUT LOVE / 'TIL TUESDAY
39 49 STAND BY ME / BEN E. KING
40 51 DON'T GET ME WRONG / PRETENDERS

コメント (36)    この記事についてブログを書く
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36 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (太ったボンジョビ (  ^_^ ))
2022-10-30 21:54:23
シンディについてはまた明日。
40位に久々のプレテンダーズじゃないですか!
軽すぎてそこまで好きでもないんですが、このころにカープが西武(新人清原)と日本シリーズやって大逆転負けを喰いました、悲しかったです。
クリッシーもこれがラスト40でしたかね?80年の「愛しのキッズ」「恋のブラスインポケット」クラスのギタリストの友だちほかには言わずに愛聴しておりました。(エアチェックでしたが)
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自分の本当の色を出していいのよ (音時)
2022-10-30 22:32:42
http://neverendingmusic.blog.jp/archives/21236978.html
 シンディのこの曲は、1986年のヒットの後、ここ日本では、東日本大震災で被災した人たちに向けて歌われた曲として知られることになりました。
 人それぞれに自分の色がある。それはとっても美しいのよ。まるで虹の7色のように…。
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90年代も (星船)
2022-10-30 22:41:24
太ったボンジョビさんこんばんは。
久々のPretendersでしたね。 私はChrissie Hyndeの独特な声に惑わされちゃいます。今回の曲もなかなか良かったから、もしかすると記事になるかもしれませんが。でも、ラスト40じゃあないですよ。90年代ですが、Pretendersの曲の中で私が最も好きな曲がまだありますです。
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歌唱力で勝負 (hannah)
2022-10-31 01:18:56
星船さん、こんばんは。
C.Lauper、前作では♪Gairls Can ~♪とか♪She Bop♪のように弾けた感じの曲が多かったですが、今作は1stシングルは歌唱力でじっくり聴かせる曲で勝負してきました。
№1になるあたりは流石です。
強力ソングライターコンビの作品で、後にP.Collinsもカヴァーしていました。
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Unknown (blackmore1207)
2022-10-31 12:43:05
こんにちは。
「TRUE COLORS」も良かったですが、アルバム①曲目「Change of heart」を聴いた瞬間、イメージが変わってしまうほど感動したのを覚えています。
当時「シンディVSマドンナ」この図式は話題となり、何かにつけ比較された二人、私もそれまでマドンナ派だったため、シンディの歌はシングルしか聴いていなかったです。
因みに東日本震災の中で帰らずライブを敢行し募金をしてくれた話を聞いた時、彼女には頭が下がる思いでした。
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Unknown (かんた)
2022-10-31 20:15:20
シンディが『トゥルー・カラーズ』をリリースすれば、マドンナが『トゥルー・ブルー』をリリース。
シンディが『チェンジ・オブ・ハート』をリリースすれば、マドンナが『オープン・ユア・ハート』をリリース。
この時期の、ライバルの似たものタイトル対決は、ちょっと見ものでした。
はたし、てその結果はというと…。
先ほど少し調べてみたのですが、シンディの『トゥルー・カラーズ』が1位なのに対して、マドンナの『トゥルー・ブルー』が3位。
シンディの『チェンジ・オブ・ハート』が3位なのに対して、マドンナの『オープン・ユア・ハート』が1位と、この勝負、どうやら互角だったようです。

ちなみにその後、ゴー・ウエストが『トゥルー・カラーズ』という曲をリリースしていますが、さすがのこちらは、上記の2人とは勝負にならなかったようです。
ついでに言っちゃうと、ヨーロッパも『ファイナル・カウントダウン』以前に、『オープン・ユア・ハート』という曲をレコーディングしています。
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Unknown (太ったボンジョビ ε=( ̄。 ̄ )ふぅ)
2022-10-31 20:42:26
この曲はリアルタイムでは何とも思わず、というか「これも86年テープに入れるんか~、冴えんのぉ~」くらいに面倒でしたの。
しかし88年ごろかな、夜間の販売推進で一緒になったものすごくイカツいオジサンが、気合いの空回りの私を叱りながら、オラつきながら、しゃんとせんかい!な感じで引きずってくれて、結果しっかり2日で3台売ってくれたんですよ。
「頑張れよ、期待しとるぞ」と言われて分かれたのが22時。最後は優しかったそのお言葉にジーンシモンズしながら運転、途中でFENからかかるトゥルーカラーズ!シンディの芝居がかった歌声にしかしジーンシモンズ、帰社したら「9時まで待った、帰るわ、売れて良かったな」の書き置きとともにチロルチョコ、先輩の愛にもジーンシモンズでありました。
(すみません、ちょっと話を盛りました)
でも以来トゥルーカラーズは結構私の慰めソングとなりまして、シンディの路線変更への勇気を見直したのでありました。
89年の泥棒オールナイトも割りと好きです。
うーん、今日の私はちょっとセンチメンタルストリートでありました。
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女性ヴォーカル咲き誇り (hannah)
2022-10-31 21:52:47
星船さん、こんばんは。
T.Turner→Lisa Lisa→C.Lauper女性ヴォーカル3回連続ですね。
他にもMadonna、A.Bakerも控えています。
Top10にも半分の5曲が女性ヴォーカルで、まさに咲き誇りですね。
東日本大震災の時の彼女の募金活動は有名な話でした。
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その人それぞれの個性 (星船)
2022-10-31 23:04:50
音時さんこんばんは。
東日本震災の直後の日本でのコンサートツアーについては、私も聞きました。でも、この"True Colors"が、その象徴の曲だったというのは知りませんでした。「True Colors」というのは、その人それぞれの個性のことなのでしょうか。心に響く曲でした
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歌唱力の高さ (星船)
2022-10-31 23:10:33
hannahさんこんばんは。
Cyndi Lauperのデビュー曲の大ヒット、"Girls Just Want to Have Fun"が弾けたポップスでしたので、Cyndi Lauperのイメージがそういったイメージになってしまったとは思いますが、初のNo.1の"Time After Time"もしっとりと歌いあげる曲でした。ダンス系のイメージがありますが、"True Colors"は、彼女の歌唱力の高さを、証明したような曲でしたね。
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