ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する私と、皆さまにお届けするブログです

ビルボード 全米 Top40 1986年11月8日付 ロバート・パーマー Robert Palmer - I Didn't Mean To Turn You On

2022-11-06 20:23:21 | 1986年ビルボードTop40
1986年11月8日付ビルボード All American Top40、4位から上がって1位はBostonの"Amanda"。8年ぶりにTop40に登場したBoston、デビューシングル"More Than a Feeling"の5位、"Don't Look Back"を上回り、ついに初のNo.1ヒットです。Top40ヒットは1978年の最高位31位の"A Man I'll Never Be"以来、この曲で6曲目のTop40ヒットで、3曲目のTop5ヒットです。

2位は3位からアップ、Robert Palmerの"I Didn't Mean To Turn You On"。Robert Palmerですが、初のTop40ヒットが1978年の"Every Kinda People"。以来、この曲で5曲目のTop40ヒット、No.1の"Addicted to Love"に続く2曲目のTop5ヒット、さらに、The Power Stationの3曲を含め、8曲目のTop40ヒットです。

3位は2週間の1位からダウン、Cyndi Lauperの"True Colors"。Cyndi Lauperですが、デビュー曲の"Girls Just Want to Have Fun"がいきなりの2位、次の"Time After Time"がNo.1を記録、この2曲を含め、この曲で7曲目のTop40ヒットで、4曲目のTop3ヒット、"Time After Time"に続く2曲目のNo.1です。

4位は5位からアップ、The Human Leagueの"Human"。The Human Leagueですが、1981年のアメリカでの初めてのヒット"Don't You Want Me"がいきなりのNo.1を記録、以来この曲で4曲目のTop40ヒットで、2曲目のTop5ヒットです。

5位は6位からアップ、Madonnaの"True Blue"。Madonnaですが、この時点ではまだデビューから4年目ですが、1983年の初のTop40ヒット"Holiday"が最高位16位、そのヒットを皮切りに、この曲までに、"Like a Virgin"を始めとするNo.1ヒット4曲を含め、Top40ヒットが11曲目、そのうち10曲がTop10ヒット、9曲目のTop5ヒットです。

この週2位がRobert Palmerの"I Didn't Mean To Turn You On"。最高位はこの1週のみの2位。年間チャートは年度の途中でもあり46位。Bostonの"Amanda"に抜かれ、1位を逃してしまいましたが、初のNo.1ヒット、年間10位の"Addicted to Love"に続く、この年2曲目の大ヒットです。

Robert Palmerですが、イギリスヨークシャー出身のロックシンガー。ロックシンガーではありますが、ただのロックではありません、R&Bシンガーでもあり、レゲエ系の曲も歌うなど、多彩でソウルフルなロックシンガーです。

元々はR&Bグループにいたようですが、70年代中頃に、そのソウルフルなボーカルが注目され、ソロシンガーとしてデビュー、初のソロアルバムを74年にリリースしますが、大ヒットまでには至りませんでした。その後、3枚のアルバムを発表、段々とヒットの階段を上がっていき、4枚目のアルバムからのシングル"Every Kinda People"が初のTop40ヒットで最高位16位を記録します。この"Every Kinda People"は、レゲエ色の強い曲で、この曲がTop40に上がってきたときには、それまで聞いたことがない個性的な曲に、大変驚きました。

その後、ソロでのヒットは、79年の最高位14位の"Bad Case of Loving You (Doctor, Doctor)"のみでしたが、85年にはDuran DuranのAndy Taylor、元ChicのTony ThompsonなどとThe Power Stationを結成、"Some Like It Hot"など、3曲のTop40ヒットを出します。

そして、85年にリリースしたのが彼の8枚目のソロアルバム『Riptide』。このアルバムは最高位は8位、アルバム年間チャートも11位に入る、彼のアルバムの中でも最もヒットしたアルバムとなりました。

このアルバム『Riptide』のプロデュースは元ChicのBernard Edwards。バックにはAndy TaylorとTony Thompsonが参加するなど、The Power Stationで得たつながりを最大限生かしたアルバムとなっていました。このアルバムからは、ファーストシングルの"Discipline of Love"がTop40には入らなかったのですが、2枚目のシングル"Addicted to Love"が突然1位となる大ヒットシングルとなりました。こちらをご覧ください→→→

このアルバムからは、サードシングル"Hyperactive"が最高位33位のいまいちのヒットでしたが、なんと4枚目のシングルのこの曲"I Didn't Mean To Turn You On"が、最高位2位を記録する大ヒットとなりました。
"I Didn't Mean To Turn You On"ですが、私のブログの記事でも何度か話題になっています、Jimmy Jam and Terry Lewisの作品、この時のチャートの上位には、彼らの作品が、この曲を含め、3曲入っています。

"I Didn't Mean To Turn You On"ですが、オリジナルはアメリカのR&BシンガーCherrelleの曲、1984年に最高位は79位と、レギュラーチャートでは大ヒットには至りませんでしたが、ダンスチャートでは6位を記録、テンポの良いダンスミュージックでした。

その曲のRobert Palmerバージョンですが、オリジナルとはだいぶアレンジが変わり、Robert Palmerの抑えたボーカルの曲となっています。
この曲のPVには、”Addicted To Love”のPVで話題になった無表情の4人の女性が、この曲のも出演しています。なかなかインパクトありますね。


こちらがオリジナルのCherrelleバージョン。この頃流行っていた女性ダンスミュージックです。この数年後にシングルとなったら大ヒットとなったかもしれません。


今週 先週 song / artist
1 4 AMANDA / BOSTON
2 3 I DIDN'T MEAN TO TURN YOU ON / ROBERT PALMER
3 1 TRUE COLORS / CYNDI LAUPER
4 5 HUMAN / HUMAN LEAGUE
5 6 TRUE BLUE / MADONNA
6 9 TAKE ME HOME TONIGHT / EDDIE MONEY
7 11 YOU GIVE LOVE A BAD NAME / BON JOVI
8 2 TYPICAL MALE / TINA TURNER
9 12 WORD UP / CAMEO
10 13 THE RAIN / ORAN "JUICE" JONES
11 8 SWEET LOVE / ANITA BAKER
12 15 THE NEXT TIME I FALL / PETER CETERA WITH AMY GRANT
13 18 I'LL BE OVER YOU / TOTO
14 20 LOVE WILL CONQUER ALL / LIONEL RICHIE
15 25 HIP TO BE SQUARE / HUEY LEWIS & THE NEWS
16 22 EMOTION IN MOTION / RIC OCASEK
17 10 ALL CRIED OUT / LISA LISA & CULT JAM
18 27 THE WAY IT IS / BRUCE HORNSBY & THE RANGE
19 7 WHEN I THINK OF YOU / JANET JACKSON
20 21 I AM BY YOU SIDE / COREY HART
21 24 JUMPIN' JACK FLASH / ARETHA FRANKLIN
22 29 TO BE A LOVER / BILLY IDOL
23 31 EVERYBODY HAVE FUN TONIGHT / WANG CHUNG
24 17 GIRL CAN'T HELP IT / JOURNEY
25 36 WALK LIKE AN EGYPTIAN / BANGLES
26 32 FREEDOM OVERSPILL / STEVE WINWOOD
27 30 SOMEBODY'S OUT THERE / TRIUMPH
28 14 HEARTBEAT / DON JOHNSON
29 16 THROWING IT ALL AWAY / GENESIS
30 19 A MATTER OF TRUST / BILLY JOEL
31 39 STAND BY ME / BEN E. KING
32 23 TWO OF HEARTS / STACEY Q
33 38 WHAT ABOUT LOVE / 'TIL TUESDAY
34 37 LIVE AND DIE / ORCHESTRAL MANOEUVRES IN THE DARK
35 28 DON'T FORGET ME (WHEN I'M GONE) / GLASS TIGER
36 26 IN YOUR EYES / PETER GABRIEL
37 40 DON'T GET ME WRONG / PRETENDERS
38 43 WILD WILD LIFE / TALKING HEADS
39 44 YOU KNOW I LOVE YOU DON'T YOU? / HOWARD JONES
40 47 SHAKE YOU DOWN / GREGORY ABBOTT

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36 コメント

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復活第2弾 (hannah)
2022-11-06 21:44:39
星船さん、こんばんは。
突然の復活№1ヒット♪Addicted To Love♪に続く大ヒットです。
♪Addicted To Love♪よりこじんまりした感じの楽曲ですが、B.Edwardsのプロデュースと勢いですね。
僕としては78年の♪Every Kinda People♪風の楽曲の方がよかったですけど。
若くして他界したのが残念です。
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Unknown (太ったボンジョビ (´O` )°)
2022-11-07 01:47:47
いやー、これは嬉しかったであります!
この年末に向けてみんながアルバムとファーストシングルを出してくる時期に、パーマーさんの4枚目シングルがヒットだなんて、アメリカもやってくれますね~。
チャート上がってるときに「最初から最後までシブイの一辺倒で大丈夫か?暗いかどカッコいいからトップ10くらいまでイってくれんかな?」とうっすーい期待しておりましたがまさかの2位とは嬉しいな😃。
4枚目によくぞこんな異端な曲を隠してましたよね!
最初のギター🎸のパラパララン、とドラム🥁のズックズックが特にたまらんです。
てことで、わたしはここでアルバムレンタルでしたよ、パーマーさんの見極めに苦労しましたです。
ホントに貧乏ってイヤですよねー。
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おまえをその気にさせるつもりじゃなかった (音時)
2022-11-07 05:54:27
http://neverendingmusic.blog.jp/archives/34730408.html
「おまえをその気にさせるつもりじゃなかった」と言われても、世間は「本当か?」と思うでしょう。MVは「恋におぼれて」のあの女性たち再登場!で話題を呼びました。
 ちょっと話変わりまして…星船さん、Taylor Swiftの新曲(ニューアルバム10曲すべて)がHot100チャートの1位から10位独占!(10月31日)ってびっくりを通り越して、呆れてしまいました…。目を疑いましたよ。チャートは人生のようで、その浮き沈みに一喜一憂をしていたセイシュン時代が懐かしい…(^_^;)。今の音楽の聴き方=ストリーミング中心が反映された結果…とのことです。「シングルカット」する、っていう概念ももはやない?んですかね。
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Unknown (blackmore1207)
2022-11-07 13:31:05
こんにちは。
デュラン・デュランのジョン&アンディ・テイラーらと組んだパワー・ステーションを思い浮かべる方も多いと思います。
名前は知っていても、いわゆる通好みというか、昔はあまり大衆的な人気やセールスとは縁のない人、という印象があったのですが、当時センセーショナルな人気を誇っていたデュラン・デユランのメンバーと組むことによって、ぐっと華やかに、この人の知名度もアップしたのではないでしょうか。
しかし使い回しのPVはちょっと減点かも知れないのではと思います。
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アレンジの違いで (星船)
2022-11-07 21:09:47
hannahさんこんばんは。
そうですね、この曲などは、70年代の"Every Kinda People"と比べると、まったく違う感じの曲になりました。おっしゃるとおり、Bernard Edwardsの影響が大きいのでしょう。オリジナルのCherrelleバージョンとも、アレンジが違って、全然違う曲にも思えます。
突然亡くなったのですよね。残念でした。
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癖になる曲? (星船)
2022-11-07 21:12:02
太ったボンジョビさんこんばんは。
私もですね、この曲がまさか2位にまで登るヒットになるとは、思いもよらなかったです。初め聞いた時には、うーん?でしたが、聞いているうちに、癖になる曲ではありました。何とも形容しがたい、どこが良いのかわからない、不思議な曲ではありました。
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異様なお姉さん方再登場 (星船)
2022-11-07 22:04:27
音時さんこんばんは。
MVの、あの異様なお姉さん方、やっぱり話題になりましたから、リクエストに応えての再登場でしょうか。
ビルボードのチャート、初登場で、ニューアルバムを出した人の曲がズラリと並ぶのが最近の傾向でしたが、ついに、Top10制覇ですか。行くところまでいきましたね。
そうですねー、あの毎週のチャートを聞く時のドキドキ感、いくら説明しても、今の方にはわかってもらえないでしょう。あの頃を振り返って、今と比べると、不便なことばかりでしたが、今ではもう体験できない、素晴らしい時を過ごしました。
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Unknown (太ったボンジョビ (-。-)y-~)
2022-11-07 22:06:26
この曲のナニがヨカった……ですか?
確かに私も言葉にするにはなかなかに難しく、かといってジーンシモンズ来る感じとは違いますし、⭐⛴️さん言われるクセアキラにはなるんですよね?
形容詞でいえば結局は渋野、いやシブいの一徹であります。
低音でミドルテンポでひたすらベースとドラムで圧してくる、ギターはサブ!もしかしてこれがフォンクの定義?元歌はBLACKですものね?
ちなみにこんなシブい曲、他にあったかな?で思い付いたのがここの6年前の今ごろのあのグループ!そういえばあの大ヒット曲も4枚目のシングルだったような?
ね、雰囲気が似てますよね? ね、アレもなんでこんなのが売れるんだ、でしたよね? ね、確かプラチナシングルでしたよね?
誰か清き1俵を太ったシェレールにくださいませ~😫
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まさかそんなRobert Palmerが (星船)
2022-11-07 22:09:05
blackmore1207さんこんばんは。
そうですねー、Robert Palmerさん、70年代に2曲のTop40ヒットがありますが、なかなか特徴のある曲でした。まさかそんなRobert Palmerが、メジャーになるとは、思いもよらなかったです。わからないものですね。パワー・ステーションの影響もありますし、プロデューサーにBernard Edwardsを起用したのが成功だったのでしょう。
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どんな繋がり (hannah)
2022-11-07 22:11:15
星船さん、こんばんは。
79年のカッコいい曲♪Bad Case of Loving You♪以来なりを潜めていたR.Palmerですが、85年のThe Power Stationをきっかけに大ブレイクですね。
彼と時代を代表するプロデューサーB.Edwardsとはどんな繋がりがあったんでしょう。
そういえば、♪Every Kinda People♪は当時のイージーリスニングチャートにもランクインしていました。
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