エドワード・ヘンリー・コーボールド
愛欲と戦争の女神イシュタルは冥界の権力を求めて冥界に下った。冥界には七つの門があり、一つを通過するたびに、彼女は衣服や装身具をはぎ取られねばならなかった。冥界の女王エレシュキガルの前に来た時、彼女は一糸まとわぬ姿になっていた。
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イシュタルはイナンナ、アスタルテともいう豊穣の女神です。メソポタミアの神話には原初の怒りがある。人間がまだ確かにつかんではいない、自分自身があることに対する一種の拒絶がある。それゆえに、神話の神々は時にまるで狼のように貪欲なのだ。その貪欲が、憧れというほどに弱くなるには、もう少し時間をかけ、少しずつ自分の中に下りていかねばならない。冥界の七つの門をくぐるたびに服をはぎ取られるというのは、人間が少しずつ自分を掘り下げて、本当の自分のすがたを学んでいくということの隠喩にもとれます。