ルイス・モエ
神々と巨人との最終戦争。ヘイムダルの角笛を合図に神々とヴァルハラの戦士たちは集結する。オーディンはフェンリルと闘った。トールはミッドガルドの蛇ヨルムンガンドと闘い、相打ちで倒れる。フレイはスルトルにとびかかったが武器を失っていたため、苦戦の末に倒れる。ついにフェンリルは神々の王オーディンを飲み込む。ヴィダルはフェンリルのあごを裂いて父の仇を打った。ヘイムダルはロキと闘って相打ちに倒れた。そこへスルトルが巨大な火の剣を投げつけ、世界は火に包まれた。ユグドラシルも倒れ、大地は海に沈んでいく。こうして神々の世界は滅んだ。
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神々の黄昏と言いますが、秩序の滅亡は恐ろしい悲哀の図を世界に投げかけます。北欧世界は、氷期の傷が大地になまなましく残っている。それは惑星地球の冷酷さの風を常に感じているということでしょう。愛の限界の壁が空気の中にある。それを感じた人々が、ラグナロクの予感を感じたのかもしれない。
だが話はまだ終わらない。海の底からまた新たな世界が浮かんでくる。滅亡の後の再生の希望を描いて、神話は収束するのです。