ハリー・クラーク
海の国の人魚の姫様は、人間の国の王子に恋をし、海の魔女にその声と引き換えに足をもらい、人間の国にいく。それでもし王子と結婚できなければ、姫は海の泡となって消えてしまうのだ。姫は王子に会うが、口がきけないので何も訴えることができず、王子は別の姫と結婚してしまう。その王子を殺して血を足にかければ人魚に戻れるが、姫は愛する王子を殺すことができず、海の泡となって消えてゆく。
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アンデルセンの生んだ悲しい恋の物語です。本当の愛はたいてい、このように理解されずに消えてゆく。愛はたいていの場合、あまりものを言わないからです。なぜ言わないのでしょう。言うと相手が苦しむということに、気付いているからです。