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世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

カイン

2016-08-10 04:14:42 | 霧の風景


ロヴィス・コリント、20世紀ドイツ、印象派。

嫉妬を理由に弟を殺したカインが空を見ている。神が空から自分を見ているような気がするからだ。だが見ているのは神ではない。自分自身なのだ。カインは自分の罪から逃げる。復讐されるのが怖いからだ。彼は謝罪も償いもしない。だがこのことを永遠に忘れることはできない。なぜアベルを殺したのか。弟のほうが自分より良く見えたからだ。逃げれば逃げるほど、その真実は影のように自分にとりつく。カインはどこにいくつもりなのか。永遠に逃げるつもりなのか。






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