瑠璃の籠では、かのじょは岩戸の小窓に、瑠璃の枝で編んだ籠をつるし、その中でプロキオンという星を飼っていることになっています。
かのじょはこういうイメージが好きです。すきとおるように美しく、可憐だ。
もちろん、籠の中に星など入るわけがない。だがやさしいプロキオンは、かのじょのために、自分の愛を籠の中に入れてくれるのです。
わたしはこういう、彼のかわいらしさが好きだ。いとおしい。わたしが彼を見るまなざしは、いたいけな子どもを持つ母のそれに似ています。
あなたがたも、何となく、わかるはずだ。
本当に、こんなことになっているとわかっていたら、もっと早くにここに来ていたものを。
そうしたら、どんなことをしてでも、守ってやれたものを。
愛するものを、これでもかといたぶられて、心乱れるサビクをあざわらうのなら、あなたがたも、鬼子母に我が子を食われてみるがいい。
サビク