いちばん すきだったひとは
ながいかみを あんでいた
しろいはなびらの おちるみちで
おれたちは いつもあっていた
そばかすの ほおが
おれのかおを みないのは
すこし おれのことが こわいから
だきしめたいと おもっても
できないほど すきだった
そんなに びじんでもないのに
おれはきみが ずっとすきだった
きみの ちゃいろのかみが
ぶきようなきみのてで あんでいる
かみのかたちが
ふせているまぶたの すきまにゆれる
やさしい まなざしが
すきだった
きみでなければ いやだった
さきみだれる うすべにのはなが
まっしろにみえるほど
おれには なにもわからなくて
せかいが きみだけでいっぱいになるのが
さけびたくなるほど こわかった
きみが だいきらいだといってしまったのは
おれが ばかだったから
とおいむかし いってしまったきみの
よこがおのきおくを ころすために
おれは みんな たべてしまった
なによりも つらかったのは
うそなんだって いえなかったおれが
いちばんきらいだったことだ
あいしてるって いえばよかったのに
ばかなおれが すべてこわした
あいしてるって
いえばよかった