日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

晩秋の大地を行く - 晩酌

2015-09-28 22:32:33 | 晩酌
過去二日には及ばなかったものの、今日も200km強を走りました。当てにしていた長万部の宿に振られ、一風呂浴びる時間もないまま、倶知安で雨の中のキャンプという状況です。疲労感も自ずと増幅され、身体が酒よりも休養を欲しています。しかし、長旅の最後の夜をこのまま終えるわけには行きません。
本日は刺身を二品奢るなど、道産の、季節の食材を中心とした万全の布陣です。唯一の問題は、連日の疲労が噴き出し、遅くまでやる気力がないということでしょうか。しかし、昨夜と同様、もともと全てを消費できると思っておらず、思い残すことのないよう盛大にやろうとしたまでのことです。残ったものは明日の朝食にします。
遠軽で調達したときと同様、コープだけで完結させることも十分可能でした。しかし、あえてセイコーマートの100円惣菜も用意しています。酒についても、スーパーの方が安いと知りつつ、倶知安のセイコーマートで買いました。道中を通じて最も世話になってきたのは紛れもなくセイコーマートであり、最後の晩餐もここを抜きにしては考えられなかったからです。

サッポロクラシック
にしんの甘酢浸け
きんぴらごぼう
ご飯にのっけてうまいパリパリ大根
するめいか刺身
あぶらがれい刺身
ローストビーフ切落し
塩ほっけ
愛別産舞茸の炊込みご飯
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晩秋の大地を行く - 旭ヶ丘公園キャンプ場

2015-09-28 22:14:05 | 北海道
この展開を予想できた方はいらっしゃるでしょうか。道内最後の夜は倶知安でのキャンプとなりました。
キャンプをしようと積極的に考えていたわけではありません。十六夜の月が出るならともかく、その月は余市を出たあたりで陰ってしまいました。しかも倶知安の市街に入ると、一時止んでいた雨が再び降り出す有様です。キャンプをするかどうかの迷いは完全に消え、長万部の宿に電話を入れました。ところが、あるところは満室、またあるところは到着の遅さについて難色を示され、ことごとくお断りというまさかの結果に。全部入れても数軒の温泉街だけに、片っ端から当たってみるという選択もあり得たものの、ここは縁がなかったと諦めた方がよかろうと思い立ち、そのままキャンプ場に流れ着いた次第です。
気温は10度と、どうにか耐え得る状況ながら、断続的に降ってくる小雨が厄介です。先客は乗用車一台のみ、既にテントで休んでおり、これから誰かが来ることもないでしょう。テントは屋根付きの炊事場に張らせてもらいました。晩酌もここですることになるかと思います。
結局、道内の最初と最後はいずれも雨の中のキャンプとなりました。特に今夜の場合、宿の手配に難航しているうちに、一風呂浴びる時間もなくなるという誠に痛い状況です。有終の美とは言い難い結果ではありますが、暗い中でも羊蹄山を遠望できる、静かなキャンプ場の雰囲気は悪くありません。最後の晩餐にふさわしい肴も用意しており、どうにか体裁を取り繕うことはできそうです。
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晩秋の大地を行く - 小樽駅

2015-09-28 19:45:03 | 北海道
銭函駅に寄ってから5号線を上り、小樽駅に着きました。初日に走った道をたどり、上陸地点に戻ってきたわけです。道中の出来事が走馬灯のように甦り、否応なしに感慨が押し寄せてきます。
上陸時に朝日を浴びていた駅舎はライトアップで浮かび上がり、六つ並んだファサードの窓にはランプの明かりが格子状に灯って、その奥には吹き抜けになった高い天井が見えます。明るい中ではもちろんのこと、暗くなってからはなおさら引き立つ名建築です。
日中に比べて弱まりはしたものの、雨は依然として断続的に降っており、気温も12.5度に下がっています。これでは残念ながらキャンプは厳しく、長万部に泊まるという選択肢が現実味を帯びてきます。いずれにしても晩酌の準備は必要となるため、先ほど駅の近くのコープで買い出しを済ませました。昨日遅い時間に立ち寄って何もなかったという事実から、買い出しは七時頃が最善と考えてのことです。その狙いは見事に的中し、最後の晩餐を飾るにふさわしい布陣が整いました。あとは早く投宿して一息入れたいものです。
ただ、そうはいっても、長万部まで140kmもの移動が残っています。先は長くなりそうです…
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晩秋の大地を行く - 最後の夜

2015-09-28 17:14:58 | 北海道
駅を巡ったところで日没の時間となりました。これが道内最後の夜となります。ここまで旅の終わりを実感する間もないまま、ひたすら走り続けてきたとはいえ、やはり最後の夜ともなると、それなりの感慨が押し寄せてくるものです。
その夜をどこで過ごすかと考えたとき、倶知安か長万部だと今朝申しました。現時点での方針としては、とりあえず倶知安まで走り、そのまま泊まりたければキャンプを張って、そうでなければ長万部の旅館に飛び込むつもりです。

倶知安には旅人が集まる無料のキャンプ場があると聞いており、そこで最後を飾れるならまさに有終の美といえるかもしれません。しかし、今日は朝から一貫して天候が安定せず、時折青空が顔を出しながらも、分厚い雲が次から次へと流れ、土砂降りが間欠的に叩きつけるという状況でした。倶知安でもそうなるとすれば、かなりの難儀をするでしょう。加えて気温も低く、15度を超えることが一度もありませんでした。現在の気温は13度、札幌近郊でこれなら、倶知安がそれ以上に冷えるのは間違いなく、予報によれば最低気温は1桁になるようです。寒さに震え、あまつさえ雨にまで振られてしまっては、最後の夜も興ざめというものでしょう。加えて、かなりの確率で結露するため、撤収には手間取ると予想され、明日の移動距離も当然延びます。
その点長万部なら、残りの走行距離を100km少々に詰めることができ、七月の経験からしてもある程度の余裕を持って函館に向かうことができます。駅の近くに商人宿風の温泉旅館が軒を連ね、素泊まりならば料金も大したものではありません。一風呂浴びた後、自室でささやかな晩酌をして、布団でゆっくり休めるという点で、出費に見合った価値は十分にあるわけです。交通の要衝である長万部に泊まれるのも、自分にとっては興味深いものがあります。

このように、基本的には長万部に傾きつつあるものの、倶知安に着いたとき空が晴れて月が出ていたり、キャンプ場の雰囲気が予想以上に秀逸だったりすれば、結論が変わる可能性は十分にあります。よって、まずは倶知安までまっすぐ走り、キャンプ場を下見して、最終的な判断をしようと考えている次第です。いずれにしても、長旅の最後を飾るにふさわしい、印象的な夜になってくれることを願っています。
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晩秋の大地を行く - 石狩金沢駅

2015-09-28 16:47:08 | 北海道
国道が片側二車線となった後、少し走ったところにあるのが石狩金沢駅です。貨車駅舎は中小屋、本中小屋の両駅と同様ながらも、塗り分けは若干異なります。国道を背にしているところも違い、背後に山が重なる中小屋と本中小屋に対して、こちらの背後に広がるのは石狩平野の大空です。これは取りも直さず、先ほど本中小屋で眺めた虹が、駅舎の背後に重なるということでもあります。夕立をしのいでいる間に西日が山陰に隠れ、駅舎も日陰になってしまったのは惜しまれるものの、印象的な光景が見られたのは幸いです。
ちなみに、駅前には蒲鉾屋根の農業倉庫が。今は寂れたこの駅も、かつては農産物の積み出しで賑わったのかもしれません。
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晩秋の大地を行く - 本中小屋駅

2015-09-28 16:35:11 | 北海道
再び2kmほどの間隔で本中小屋駅が現れました。中小屋と全く同型、塗り分けに駅名の表記まで全く同じの貨車駅舎は、遠目には全く区別がつきません。背後の山との重なり具合もよく似ています。
しかし、駅前の眺めはこちらの方が上々です。国道との間には広々した緑地があり、その緑地を周回するように国道から出入りする道が造られて、駅舎の正面にある花壇では色とりどりの花が咲いています。しかも、国道の向こう側には石狩平野を一望できるというおまけつきです。
その石狩平野に虹が出ています。これで夕焼けが広がってくれれば最高なのですが。
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晩秋の大地を行く - 中小屋駅

2015-09-28 16:24:45 | 北海道
北海道の路線にしては、留萌本線の末端区間と並んで駅間が短いのが札沼線の特徴です。2kmほど走ったところで次の中小屋駅が現れました。荒れた貨車駅舎は侘しげながらも、線路の向こうに広がる黄金色の絨毯と、それが突き当たった場所にある小高い山との取り合わせがよく、意外なほど様になる佇まいです。
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晩秋の大地を行く - 月ヶ岡駅

2015-09-28 15:53:22 | 北海道
続いて訪ねるのは月ヶ岡駅です。鉄骨を組んだ上にコンクリート板を乗せ、周囲を鉄パイプの柵で囲ったホームは知来乙と同様で、長さはなぜかこちらの方があります。ホームに接する形で国道沿いの駐車公園があり、その中心にある丸太小屋が、休憩施設と駅舎を兼ねるということのようです。
立派な丸太が惜しげもなく使われているのもさることながら、マンサード屋根に半円形の明かり取りの窓が開けられ、国道側の屋根は大きく張り出し庇となって、待合室部分には大きな三角形のファサードが。待合室にも丸太のテーブルとベンチがあり、裏手にある自転車置場まで丸太という贅沢さです。外には屋根付きのテーブルベンチもあり、ここで車中泊をすれば面白いかもしれません。廃止の危機に瀕したローカル線に、かくも立派な駅舎があるとは意外でした。
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晩秋の大地を行く - 知来乙駅

2015-09-28 15:35:00 | 北海道
沿線の全ての駅を訪ねる時間は当然ながらありません。しかし、沿道にある駅はこの機会に訪ねておいた方が賢明ともいえます。廃止が噂される石狩金沢までの6駅を、時間の許す範囲で訪ねることにしました。石狩月形に続いて立ち寄るのは知来乙駅です。
ホーム一本と少し離れた待合室のみの簡素な駅ながらも、ホームは仮乗降場の「朝礼台」と違って二両分以上の長さです。切妻の待合室には木製の扉とサッシがそのまま残り、同じく建築当時のものと思しき木製のベンチの上には駅ノートがあります。赤く塗られた屋根と、入口の上にある同じ色の小さな庇との組み合わせが心憎く、ささやかながらも味わいのあるよい駅でした。
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晩秋の大地を行く - 石狩月形駅

2015-09-28 15:15:07 | 北海道
稲刈りが進む石狩平野を東西に横断し、275号線に合流しました。この先337号線、5号線を経由して小樽へ向かいます。
前半で大きく時間を消費したため、先を急ぎたくなるのはやまやまながら、ここで再び寄り道し、札沼線の石狩月形駅を訪ねます。札幌の通勤通学路線として機能しているのは起点側のわずかな区間のみで、先へ行けば行くほど閑散としてくるこの路線、末端区間については廃止が噂されて久しくなります。留萌本線の廃止が公表される中、どうにか生き永らえたこの路線も、予断を許さない状況には違いません。いずれ廃止が表面化すれば、この駅にも同業者が押し寄せるのは明らかというものでしょう。そうなる前の姿を記録しておくのが目的です。
木造モルタル平屋建ての駅舎は戦後の建築か、縁取るように囲われた正面には上下二段の大きな窓が並びます。切妻屋根の玄関側とホーム側に互い違いで二本突き出た煙突は、それぞれ事務室用と待合室用でしょう。金属屋根と雪止めにも北海道らしさが感じられます。
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晩秋の大地を行く - 六花亭

2015-09-28 14:25:29 | 北海道
長旅も最終盤を迎えると、旅の終わりという直視したくない現実に向き合わざるを得なくなります。北海道の旅においてそれを象徴するのが、三笠のイオンの六花亭で職場向けの土産を調達するときです。
しかし、土日と土日の間を休んで9連休にするのと、さらに休んで11連休にするのとでは、道内での行動の幅を広げるという点において、日数以上の違いがあります。今年も長い休みをもらえたことについては感謝している次第です。
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晩秋の大地を行く - 三笠駅

2015-09-28 13:21:13 | 北海道
三笠鉄道村の保存車両には編成美があると申しましたが、保存車両の編成美において、名寄のキマロキと並ぶ双璧といえるのが、三笠駅の跡地に残る堂々6両編成のキハ80系です。三笠の駅探訪はこれにて打ち止め、あとは萱野駅に別れの挨拶をしてから移動を開始します。
挨拶などといいながら、結局日中の半分以上を消費してしまいました。この調子では、脇目も振らずに走って倶知安にたどり着くのがせいぜいではないでしょうか。しかし、萱野にしても唐松にしても幾春別にしても、立ち寄る度に思い出が積もって行き、それがつい長居してしまう理由でもあるのです。来季の渡道でも再訪できることを願っています。
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晩秋の大地を行く - 更科食堂

2015-09-28 12:35:18 | B級グルメ
以前幾春別を訪ねたとき、そば屋に入った記憶があります。その記憶を頼りに市街を走ると、手打そば処の幟が現れたため、本日はこちらで遅い朝食兼昼食をとります。
かつてはこの町に何軒の飲食店があったのでしょうか。炭坑が消え、鉄道が消え、人々が去るにつれて市街も廃れ、今やこの店が数少ない飲食店の一つです。しかし寂れた様子は一切なく、佇まいは実に矍鑠としています。重厚で大柄な木造二階建ての長屋は雪国らしく、凝った意匠の窓周りには木のサッシがはめ込まれ、側面の漆喰壁には縦長の台形を二つ並べた明かり取りの窓がついており、炭坑で栄えた頃には格式のある店だったのかもしれません。
外観に違わず店内の造りも秀逸です。まず意表を突くのが、引き戸をくぐったところが前室になっていることです。壁を台形状に三枚立て、斜めになった左右の扉を開けて店内に入るという造りで、店内から見るとその部分が電話ボックスか何かのように立ち上がっています。年季の入った木製の扉、真鍮の把手、井桁模様で飾った磨りガラスの明かり取りも実に秀逸。これなら客席の造りも推して知るべしというもので、高い格子天井からは古いMOSの店舗によくあるUFO型のランプが下がり、三和土の店内をほどよい明るさで照らします。厨房との間を仕切る小窓には、やはり木のサッシがはめ込まれ、その上には品書きの経木が並ぶなど、炭坑ありし頃から何一つ変わっていないであろう店内には趣があります。
そばとうどんは500円から、四種類ある丼物は500円均一という良心価格。それでいながら安かろう悪かろうではなく、そばは真っ白な更科です。この価格設定ならそばと丼物を両方注文してもよさそうで、実際そうしている地元客もいます。次に三笠を訪ねるときは、是非ともこの店に立ち寄って、そばと丼物を組み合わせてみたいものです。

更科食堂
三笠市幾春別町1-174
01267-6-8323
1100AM-1500PM
火曜定休
大もりそば600円
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晩秋の大地を行く - 幾春別駅

2015-09-28 11:43:21 | 北海道
かつての終点幾春別にやってきました。萱野、幌内、唐松駅の各駅と違い、駅の痕跡自体は希薄ながらも、立坑、ホッパと炭鉱住宅が残り、寂れた炭鉱町の面影を最も色濃く残した場所です。北海道で初めて花見をした五年前、ここで眺めた桜は今も忘れられません。
ちなみに、唐松で雨宿りをしていたところ、一旦雨が上がって青空が広がってきました。しかし、幾春別では空が再び暗くなり、只今雨が降ってきたところです。不安定な天候は昨日と変わりません。気温が低めなのも同じで、現在の気温は15度。先ほど日が出たとき長袖シャツ一枚に着替えたものの、それまでは長袖二枚と雨合羽でした。序盤などはTシャツ一枚で首から手拭いを下げていたわけで、後半から季節感は明らかに変わったという印象です。
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晩秋の大地を行く - 唐松駅

2015-09-28 10:51:32 | 北海道
降ったとしても傘が要らない程度で持ちこたえてきた本日の天候でしたが、幌内を出たところで本降りの雨が落ちてきました。雨宿りを兼ねて、マンサード屋根の駅舎が印象的な唐松駅を訪ねます。
昨秋の道内滞在最終日、夕暮れ時にここを訪ねて、あとはフェリーが出る苫小牧に向かうだけという状況になったとき、携帯電話を落とすというまさかの出来事がありました。気付いてから慌てて引き返し、管理人のお宅に飛び込んで、自分の番号へ発信してもらいながら薄暗い芝地を探し回ると、着信音が聞こえて事なきを得たというのがそのときの顛末です。そのような出来事もあり、この駅は自分にとっては萱野と並ぶ思い出の残る場所となりました。
周辺の民家の数からしても、広々した待合室からしても、かつては萱野以上に賑わったのでしょうか。その賑わいも今は去り、開け放した待合室を涼しい風が吹き抜けて行きます。
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