日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

晩秋の大地を行く - 最後の夜

2015-09-28 17:14:58 | 北海道
駅を巡ったところで日没の時間となりました。これが道内最後の夜となります。ここまで旅の終わりを実感する間もないまま、ひたすら走り続けてきたとはいえ、やはり最後の夜ともなると、それなりの感慨が押し寄せてくるものです。
その夜をどこで過ごすかと考えたとき、倶知安か長万部だと今朝申しました。現時点での方針としては、とりあえず倶知安まで走り、そのまま泊まりたければキャンプを張って、そうでなければ長万部の旅館に飛び込むつもりです。

倶知安には旅人が集まる無料のキャンプ場があると聞いており、そこで最後を飾れるならまさに有終の美といえるかもしれません。しかし、今日は朝から一貫して天候が安定せず、時折青空が顔を出しながらも、分厚い雲が次から次へと流れ、土砂降りが間欠的に叩きつけるという状況でした。倶知安でもそうなるとすれば、かなりの難儀をするでしょう。加えて気温も低く、15度を超えることが一度もありませんでした。現在の気温は13度、札幌近郊でこれなら、倶知安がそれ以上に冷えるのは間違いなく、予報によれば最低気温は1桁になるようです。寒さに震え、あまつさえ雨にまで振られてしまっては、最後の夜も興ざめというものでしょう。加えて、かなりの確率で結露するため、撤収には手間取ると予想され、明日の移動距離も当然延びます。
その点長万部なら、残りの走行距離を100km少々に詰めることができ、七月の経験からしてもある程度の余裕を持って函館に向かうことができます。駅の近くに商人宿風の温泉旅館が軒を連ね、素泊まりならば料金も大したものではありません。一風呂浴びた後、自室でささやかな晩酌をして、布団でゆっくり休めるという点で、出費に見合った価値は十分にあるわけです。交通の要衝である長万部に泊まれるのも、自分にとっては興味深いものがあります。

このように、基本的には長万部に傾きつつあるものの、倶知安に着いたとき空が晴れて月が出ていたり、キャンプ場の雰囲気が予想以上に秀逸だったりすれば、結論が変わる可能性は十分にあります。よって、まずは倶知安までまっすぐ走り、キャンプ場を下見して、最終的な判断をしようと考えている次第です。いずれにしても、長旅の最後を飾るにふさわしい、印象的な夜になってくれることを願っています。

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