日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

本日の晩酌 - 旭興

2015-09-01 23:25:27 | 晩酌
各地の地酒を試していると、何とも形容しがたい酒に出会うことがしばしばあります。ここで、形容しがたい酒とは二つに分かれます。一つは、明確な個性を持ちながらも、一言では言い表せない複雑玄妙な味わいを持つ酒で、心底感服させられる酒というのは得てしてこのような一面を持っています。これに対してもう一つの部類に属する酒は、「とらえどころがない」と言い換えることもできます。この「旭興」は後者に属する酒です。
雄町を奢ったとの触れ込みにもかかわらず、味わいには実にてらいがなく、しいていうなら正当派の純米酒ということになるのでしょう。しかし、食中酒に適した淡麗辛口の酒というわけではなく、だからといって旨味の乗った芳醇な味わいでもなく、無濾過生酒ならではの濃厚さ、鮮烈さが際立っているわけでもありません。決して平凡ではない、だからといって明確な個性もない、何とも形容しがたい味わいを最も直截に言い表すのは、「中庸」という表現かもしれません。

★旭興 純米吟醸無濾過生
渡邉酒造(栃木県大田原市)
原料米 雄町
精米歩合 50%
日本酒度 +4
酸度 1.7
アミノ酸度 1.2
酵母 協会9号
アルコール分 16度
栃木県宇都宮市 小池酒店にて購入
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