ルビーの森

京都三条と銀座並木通りにある、ミャンマー産無処理で美しいルビー専門店。鉱山から一貫したトレーサビリティーを実現。

お教えいただくこと

2009年01月07日 06時52分06秒 | 宝物
「指輪を手に取る会」については先日ご紹介した通り、

諏訪会長がお声掛けいただき、宝官さん、末永さんなど

有志が、歴史的に意味のある「橋本コレクション」を

手にとって、意見交換をするという会です。

ジュエラーの大先輩に囲まれて勉強させていただくばかり

です。感謝するばかりです。

写真のルビーリングですが、17~18世紀に製作されたもの

で、剥がれていますが、エナメルで豪華に装飾されていた

様です。

さて、私たちはルビーが得意なので、このルビーをしっかり

とお見せいただきました。

私は、蛍光性があること、モゴック産に多いスタッビィ状の

結晶インクルージョン(アパタイトの形が崩れた結晶)など

あと、成長線の感じからモゴック鉱山からやってきたルビー

だと思いました。

ルビーの品質という視点だけで見ると最高のルビーではあり

ません。少し青みを帯びており、今でもよく産出されるタイプ

の結晶です。ただ、ルビーを取り囲む装飾の部分の豪華さや

いままで大切にされて残っていたことから推測すると、この

ルビーは、「宝物」として扱われたということが分かります。

色々とこの時代のルビーをお見せいただく機会がありますが、

加熱処理などをして美しさを改良してあるものは見たことが

ありません。(石留めしている金具をエナメルを乗せて加工

したことにより、加熱したような跡が残っているサファイア

はありましたが。。)

今よりも、宝石の流通が確立されていなかった時代、ルビー

というだけで、もの凄く珍しいものだったのだろうと思い

ますが。。。

人が持てる技術を惜しみなく使って美しくする部分と、人が

手を出せない部分を非常に高い次元で感じさせてくれるリング

です。

お教えいただけることに感謝するばかりです。