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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

森、生と死の息吹(妻女山里山通信)

2008-11-04 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 昨日は、早お昼を食べて妻女山(赤坂山)にあるわが家の山の手入れをしました。落葉松に太いクズのとバラがからみついたのを切るためです。バラの固い枝があるために、なかなか切りたい幹に近づけず難儀しました。桑用の特殊な刃の厚い鎌と鋸を使ってなんとか切断。その後、下草のつるを排除すると下からは、空き缶やペットボトルなどの不法投棄のゴミがたくさん出てきました。

 観光客ではなく、ここへ頻繁に休憩にくる地元の企業の人達の仕業でしょう。中には引越や転勤の際にコタツや椅子、パンツまで捨てていく馬鹿者がいます。川縁の畑付近への不法投棄も後を絶ちません。社員教育はどうなっているんでしょうね。そういう会社は潰れてしまいなさい。心底そう思っています。

 さて、やっと山仕事を終えたのできのこ狩り。3組ほど入っているようですが、みな陣場平より奥へは行きません。熊や猪との遭遇の確率がグンッと高くなるからです。実際素人は危ない山です。私は熊鈴をつけてその山奥へひとり向かいました。

 紫占地のシロがあるのですが、たった4本採れただけ。布袋占地がたくさんありましたが、これは白之白粉占地と同じく酒との相性が悪いので採りません。この時期、昔なら山はとっくに紅葉で錦秋に彩られていなければならないはず。ところが今年はまだ青々しています。何かが変です。

 そこで、前回時候坊をたくさん採った唐松林に行ってみることにしました。前回の場所よりさらに50mほど下ると、そこは時候坊の楽園でした。例年なら終わっているはずの時候坊が、列を成していました。アッという間に大きな袋半分以上になりました。これは、煮付けて瓶詰めにします。きのこを採り疲れて広葉樹の森に出てひと休み。熊鈴も鳴らないので静かです。

 時折風が吹いて団栗を落とします。熊や猪がいつ現れるともしれない緊張感はありますが、静寂の森にひとりいるのは、自分も野生動物になったようで、妙に心が落ち着きます。森の一員になったような気がするのです。古代科野の国や川中島合戦など歴史有る山ですから、想いを巡らせば、古代人の息吹や武将の雄叫びが聞こえてくるような気もします。

 森というのは人の営む街とは違って、街では巧妙に隠蔽されている生と死がそのままの状態で有ります。動物や昆虫の死骸、腐朽菌に冒されて朽ちていく樹木、腐敗した植物。その一方で絶えず生まれつつある生命。大木が倒れギャップが出来ると、アッという間に小さな実生がはびこり、雨後には粘菌が動き出し、きのこがアッという間に成長して胞子を飛ばします。森の中に佇んでいると、そんな息吹を感じることができるのです。

 帰りはいつもの山道を避けて急斜面を直登し林道に出ました。伸びやかに青空にそびえる木楢の高木は黄葉に輝いていました。赤茶色に色づいた葉の間でガマズミの赤い実が森の宝石のように光っていました。森を下りもう一仕事山の下草を刈ってから帰路に就きました。

 翌朝は深い霧が出ました。有名な川中島の霧です。しかし、川中島合戦のような5m先も見えないような深い霧はなかなか出なくなったようです。そして、斎場山の麓では長芋掘りが始まりました。バックホーで掘った深い穴に沿って土を崩しながら長芋を掘り出していきます。秋堀りの長芋は、水分が多いので一週間ほど陰干しすると旨さが増します。冬を越した春堀りの越冬長芋は、充分に甘さと旨さがのっています。とろろはもちろんですが、しんじょや薩摩揚げ、お好み焼きにすると馬鹿旨です。

 長芋を使った料理は、MORI MORI RECIPE(モリモリ レシピ)をご覧ください。

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