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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

春の妖精、春の儚い命、節分草に会いに千曲市倉科の里山へ(妻女山里山通信)

2021-03-09 | アウトドア・ネイチャーフォト
 最高気温が9度の穏やかな日曜日の昼。千曲市倉科の節分草が満開だろうとでかけました。一時間ぐらい滞在しましたが、単独や家族連れが10台ぐらい来ていたでしょうか。何人かの人とお話しましたが、どうも毎年の私のブログを見て訪れている様です。左のバックナンバー2011年の記事では、雪中の節分草がご覧いただけます。

 可憐な節分草。早春に咲き、2、3ヵ月でその年の生活サイクルを終え消えてしまう植物は、スプリング・エフェメラル(Spring Ephemeral、春の妖精、春の儚い命)と呼ばれます。

 昔は雑木林に入って草刈りや灌木の除伐や薪拾いをしたので、明るい林床にセツブンソウがたくさん咲いたのだとか。カタクリと同様、人の暮らしと密接な関係にある植物だったのです。ですから、盗掘や自生地の環境が破壊されると真っ先に消える植物です(絶滅危惧植物II類)。

 逆光で見る節分草。節分草は、万葉集には詠われていませんが、平安時代の「本草和名」や「倭名類聚鈔」に「以倍仁礼(いえにれ)」という古名で登場します。

 セツブンソウの種は、アリが巣に運んで発芽する虫媒花。アリ散布植物です。石灰質の土壌を好み、晩秋から冬の間に、地中深くにある黒褐色の塊茎から発芽します。種子から開花まで3年以上かかるわけですから、林床の環境が良い状態で続かないと生育できません。

 花の直径は約2センチ(ここのは小さく、約1センチ)。花びらに見えるのは萼です。先が黄色く見えるのが退化して蜜腺になった花びらです。

 探すと八重の花や、一株から二輪咲いているものも発見できるかもです。

 入り口の案内看板。後ろ髪を引かれつつ下山しました。来週末は、妻女山陣馬平の貝母の成長状況を見に行きます。

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本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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