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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

樹液バーではオオムラサキの三角関係が勃発・・・ (妻女山里山通信)

2011-07-22 | アウトドア・ネイチャーフォト
 盆地は34度の連休中日、オオムラサキの樹液バーに遠征しました。今日はアオカナブンの団体さんはいないものの、カナブンとアオカナブンが一匹ずつ樹液ホールに上半身を突っ込んで飲みまくっていました。どれどれとレンズを近づけると、いきなりお尻から勢いよくおしっこの噴水が飛び出しました。

 しばらくすると上空からバサバサという激しい羽音が。見上げるとクヌギの梢の間をクルクルと二頭のオオムラサキが回りながら下りてきます。二回ほど樹液バーのあるクヌギの木の周りを回ると樹液バーにご来店。するとごこからともなくもう一頭のオオムラサキが登場。オスがメスを奪いに来たのかと見ると、そうではありません。もう一頭もメスでした。両手に花!? いえいえ。

 ここで一頭のオスをめぐるメス同士の戦いが始まりました。オスは最初からいたメスをずっと見ています。初めからいたメスは、後から来たメスに脅しをかけます。二頭は舞い上がりました。もう一頭のメスも「待ってぇーっ!」と言わんばかりに二頭を追いかけます。二頭は木々の間を抜けて、10メートルほど先のヤマザクラの梢に留まり、見つめ合っています。

 すると、後から来たメスが、下からオスにすがりつくような恰好になりました。オスは翅をバタバタさせて追い払っています。自分の相手は最初の彼女と決めている様です。後から来たメスは何度もすがりつくのですが、全く取りつく島がありません。やがて二頭は飛び立ちましたが、その後どうなったかは不明です。無事に交尾できたか、もう一頭のメスに邪魔されて不発に終わったか・・。ただし、写真のようにメスがオスと対峙しているのは拒絶のサインということなので、このメスは既に交尾が済んでいるのかもしれません。

 ひょっとしたら、後から来たメスは、実は最初にオスとお見合いしたメスで、メスはOKだったのにオスが気に入らず立ち去ったということはあり得ないのでしょうか。ものの本には、オスが求愛行動をし、メスが受け入れると交尾すると書かれていますが、オスが拒否するということは、全くないのでしょうか。そうするとオスはせっかくの交尾のチャンスを自らつぶしたということになります。クヌギの森の恋愛ドラマは、不思議に満ちていました。

 オスは求愛するときに腹部の先端をメスの方に曲げて誘います。さしずめ人間なら、OTINTINを出してさあどうだ!てな感じなんでしょうかね・・。ちなみにオオムラサキの交尾は、小枝にぶら下がって行われる場合は、翅を閉じて互いの腹部の先にある交尾器を連結させて行います。邪魔者が入ると翅を広げて威嚇します。交尾は受精に時間がかかるため数時間にも及びます。また、オスは交尾後まもなく死に、メスは産卵後その一生を終えます。

 クヌギにある樹液バーの樹液ですが、カミキリの幼虫が穿けた穴からにじみ出ます。それをカナブンやアオカナブン、スズメバチやオオスズメバチが大きくし、オオムラサキはそのおこぼれを頂戴するのですが、他の昆虫が吸っていると、オオムラサキは翅を広げて威嚇します。スズメバチをどかしてしまうシーンを見た事もありますが、アオカナブンの団体にたじろいで、樹液を吸えずに立ち去ったのを目撃したこともあります。

「オオムラサキの一生」

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