人見知りをする幹事

この世には人見知りを物凄くする幹事がいる。
月曜日の演奏会において指揮者の先生が"私は人見知りをするので…"
と実に嫌味のない形で仰っており、人見知りする特性が様になっていることを
ある種の羨ましさと共にすごいと感嘆した彼。

そんな彼だがどういうわけか会社では入社以来幹事を務めたりする。
相変らず人見知りするが部長クラスの方々からぶしつけに会費を要求し、
相変らず人見知りするが見事な幹事だったと時には褒められ、
相変らず人見知りするばっかりにメンバーの一部にしか声をかけていないことを指摘されることもあり、
相変らず人見知りするがそれでも幹事を頼まれる。

仮に彼が何かで大成することがあっても、やっぱり人見知りし続けるのだろう。
仮にこれはと思う女性に出会っても、最初は人見知りし続けるのだろう。

自信がつくなんていうけど、幹事なんてやったところで、
全然人見知りが直らないじゃないか、嘘つき。

なんて体験を通じて、少しだけ、彼は未来が見えてくる。