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古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

「花の雪」用例

2015年03月08日 | 日本国語大辞典-は行

 「花の雪」という用語は、日本国語大辞典・第二版に「①白く咲いている花、また花の散るのを雪に見立てた表現。花吹雪。」という語釈で、12世紀後半の用例を載せていますが、100年以上さかのぼる以下の用例があります。

木の間より花の雪のみちりくるは御蓋(みかさ)の山のもるにざるべき
(28・延喜廿一年〔五月〕京極御息所褒子歌合、十巻本、5)
萩谷朴『平安朝歌合大成 増補新訂 第一巻』同朋舎出版、1995年、228ページ


「花の波」用例

2015年03月08日 | 日本国語大辞典-は行

 「花の波」という用語は、日本国語大辞典・第2版では、『聞書集』〔12C後〕からの例が早いのですが、200年近くさかのぼる用例があります。

櫻河といふ所ありと聞きて つらゆき
つねよりも春べになれば櫻河花の浪こそまなくよすらめ
(巻第三・春下、107)
岩波文庫『後撰和歌集』松田武夫校訂、岩波書店、1945年、33ページ


「花の浮橋」用例

2015年03月08日 | 日本国語大辞典-は行

 「花の浮橋」という用語の意味は「散った花びらが水面に一面に浮いたのを浮橋に見立てていう語。」。日本国語大辞典・第2版では、『新後拾遺集』(1383-84年)からの例が添えられていますが、さらに、205年ぐらいさかのぼる用例があります。

山風の吹きだにやめばと絶えけり細谷川の花のうき橋
(治承三十六人歌合、241)
『新編国歌大観 第五巻歌合編、歌学書・物語・日記等収録歌編 歌集』角川書店、1978年、232ページ


「花筵・花蓆(はなむしろ)」用例

2015年03月08日 | 日本国語大辞典-は行

 「花筵・花蓆」という用語の語釈には「(3)草花などが一面に咲きそろったさま、また、桜などが一面に散りしくさまなどを筵にたとえていう語。」というものがあります。日本国語大辞典・第2版では、俳諧『犬子集』(1633年)からの例を早い用例としていますが、さらに、160年さかのぼる用例があります。

惜しめども庭に散りしく花筵それも心をのぶる老かな(草根集、1244)102ページ
木のもとの旅ねなりとも花筵こよひなしきそ春の山風(草根集、1370)104ページ
『新編国歌大観 第八巻 私家集編4 歌集』角川書店、1990年


「花の下臥(したぶし)」用例

2015年03月08日 | 日本国語大辞典-は行

 「花の下臥」という用語は、「花の咲いた桜の木の下に寝ること。」という意味で、日本国語大辞典・第2版では、『拾玉集』(1346年)からの例を早い用例としていますが、さらに、146年さかのぼる用例があります。

はるの山にもり来る月に風過てなみた露けき花の下臥
(巻第三百八十二・正治二年院御百首、上、慈円、春)
塙保己一編『続群書類従・第十四輯下(訂正三版)』続群書類従完成会、1983年、585ページ