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古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

古典の季節表現 春 躑躅

2015年03月27日 | 日本古典文学-春

夕につゝしを見るといふ心をよめる 摂政左大臣家参川
入日さす夕紅の色はへて山したてらす岩つゝしかな
(金葉和歌集~国文学研究資料館HPより)

つつしさくならひのをかのまつかけにおなしゆふひのいろそうつろふ
(夫木抄~日文研HPより)

四季物語の中に つつじの木工頭
あかねさす入日の影に色映えて見るも輝く岩つつじかな
(風葉和歌集~岩波文庫「王朝物語秀歌選」)

くれなゐのやしほにみゆるいはつつしはるさめにこそいろまさりけれ
(夫木抄~日文研HPより)

建仁元年影供歌合に、水辺躑躅 前中納言定家
竜田川岩根のつゝし影みえて猶水くゝる春のくれなゐ
(新続古今和歌集~国文学研究資料館HPより)

百首歌よませ給うける中に 順徳院御製
水鳥の羽かひの山の春の色にひとりましらぬ岩棡哉
(新後拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)

樵路躑躅といふ事を 前大僧正慈鎮
山人の爪木にさせるいはつゝし心ありてや手折くしつる
(風雅和歌集~国文学研究資料館HPより)

山路のつゝじ
はひつたひ折らで躑躅を手にぞとるさかしき山のとり所には
(山家集~バージニア大学HPより)

題しらす 読人不知
思ひいつるときはの山のいはつつしいはねはこそあれこひしきものを
(古今集~日文研HPより)

あふことはとほつのはまのいはつつしいはてやくちむそむるこころは
(正治二年初度百首~日文研HPより)

建保三年内裏百首歌奉りける時 前中納言定家
岩つゝしいはてやそむる忍山心のおくの色をたつねて
(新後拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)

題しらす 源重之
光なき谷にも春の岩つゝしいはて入日の色にさくらん
(新後拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)