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古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

「爪木樵男・妻気樵男(つまぎこるお)」

2015年03月12日 | 日本国語大辞典-た行

 日本国語大辞典・第二版に「爪木樵男・妻気樵男(つまぎこるお)」という単語は立項されていませんが、歌語としては、わりと使われている用語です。語釈は「薪(たきぎ)を取ってくらす山人。」
 以下、見つけた用例を古い順に挙げます。

をりえたる妻木こるをに物まうす彼峰なるは雲か桜か
(117・頼政集、66)
『新編国歌大観 第三巻 私家集編1 歌集』角川書店、1985年、516ページ

やどちかくつまぎこるをのつゑをみて山ぢの雪のふかさをぞしる
(46・出観集、588)
『新編国歌大観 第七巻 私家集編3 歌集』角川書店、1989年

山ふかみ跡たえはつる住居かなつまきこるおかかよふ計そ
(巻第三百八十二・正治二年院御百首、上、隆房、山家)
塙保己一編『続群書類従・第十四輯下(訂正三版)』続群書類従完成会、1983年、592ページ

鳥かへる谷のとぼそに雪ふかしつま木こるをの道やたえなん
(巻第八・冬、847、後鳥羽院)
岩佐美代子『風雅和歌集全注釈・上巻(笠間注釈叢刊34)』笠間書院、2002年、586ページ

山里は妻木こるおのをのれのみ通ひ馴たる岩のかけ道
(新続古今和歌集巻第十八・雑歌中・正三位義重・01866)国文学研究資料館HPより