うすくこく色ぞ見えける菊のはな露やこころをわきて置くらむ(後拾遺和歌集)
むらさきにやしほ染めたる菊の花うつろふ色とたれかいひけむ(後拾遺和歌集)
かざしには折らまほしきを白菊の花にやどれる露やこぼれむ(新千載和歌集)
白露の置きける菊を折りつればたもとぬれてぞ色まさりける(重之集)
菊のはな露とおきゐていざ折らむぬれなば袖の香こそにほはめ(古今和歌六帖)
秋ごとに露は置けども菊のはな老いせぬ秋のかざしなるらし(文保百首)
百年(ももとせ)を人にとどむる花なればあだにやは見る菊の上の露(貫之集)
今よりはまた咲く花もなきものをいたくな置きそ菊の上のつゆ(新古今和歌集)
菊の花しづ くおちそひ行く水のふかき心とたれか知るらむ(古今和歌六帖)
もろともにおきゐし菊のしら露もひとりたもとにかかる秋かな(源氏物語)
(2009年11月6日の「菊」の記事は削除しました。)