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夢に見た若き千葉ちゃん「小沼正」との再会ー祝!「日本暗殺秘録」DVD発売

2011-03-06 00:00:00 | S.Chiba
 「キイハンター」に出会い、風間洋介にどっぷりはまった頃、文通していたファンから頂いた一枚の千葉ちゃんの写真の表情がとても気に入って、今でも、肌身離さず持ち歩いている。着物姿でファンに囲まれサインを書きながらカメラに視線を向けた千葉ちゃんの柔らかい表情。「日本暗殺秘録」撮影中の30歳の千葉ちゃん!

 1969年10月15日に公開された「日本暗殺秘録」は、その題のとおり江戸時代から昭和までの数々の暗殺事件をオムニバス方式で描く、豪華な東映オールキャストの142分の長編作品。上映は時々行われ、自分は京橋の満員のフィルムセンターで初めて見た。衝撃だった!過激な内容の為、昭和には決してビデオ化されないだろうと、言われていた。その作品が、平成に入って遂にDVD発売に漕ぎ着けた。

 オープニング桜田門外の編の若山富三郎の迫力の殺陣から始まり、鶴田浩二の二・二六事件で終わる、その間のもっとも長い時間をかけて描かれるのが、千葉ちゃん扮する小沼正の起こした血盟団事件。22分過ぎからの1時間40分、たっぷり千葉ちゃんの演技が堪能できる。オープングでドキッと来た方も、この作品中、唯一、流血シーン抜きの22分から2時間過ぎまでの血盟団事件の千葉ちゃんの熱演を、ご覧いただきたい。

 アクション無しの体当たりで見せる千葉ちゃんの共演者は貫禄の師を演じる片岡知恵蔵、凛々しい将校役に田宮二郎ほか、そうそうたる面々。そして、女優陣がほとんど出てこない作品中、唯一このエピソードだけは3人の女性が現れ、千葉ちゃんはその3人と恋仲になる。
 藤純子とは、使用人同士の淡い初恋から別れ、大人になっての再会・悲恋、別離のシーンまで印象に残るシーンがいくつもあるが、工場閉鎖の別れのシーンで仲間と3人で大号泣するシーンはとても好きなシーンの一つ。バーの女給となり再会し別れるシーンの涙をこらえる姿は艶っぽくとっても美しい。
 故郷で同じ結核患者として出会った賀川雪絵とのはかない恋、亡骸にしがみつき号泣するシーンも胸に迫って来る好きなシーン。
 他にも、海に入っていくシーンや、片岡知恵蔵との別れのシーンなど、俳優生活10年目の若き千葉ちゃんの渾身の演技に何度も引き込まれる。

 当時人気が上がる一方の「キイハンター」風間洋介役をしばし休んで、中島貞夫監督の家に下宿し、小沼正の演技を研究したという千葉ちゃん。この作品で第16回京都市民映画祭の演技賞を受賞した熱演を、是非、千葉ちゃんファンならずともご覧いただきたいもの。

 2007年の天草の千葉祭では、千葉ちゃんが駆けつけ盛り上がったトークショーの後、この作品が上映され、満員の劇場の観客のほとんどが最後までこの作品見てくれたと、千葉ちゃんの熱烈ファン・柿久支配人が感激して話されたのを思い出す。

 脚本の一人、笠原和夫は、この小沼正役の千葉ちゃんをイメージして「仁義なき戦い 広島死闘編」の主人公を描いたといわれている。深作欣二監督の考えもあり、千葉ちゃんは伝説の?!『大友勝利』を演じることになったが・・・。
 確かに、千葉ちゃんは小沼正を演じきった感があると、作品を見直して思う。そして、30歳の千葉ちゃんの熱演を見て、知恵蔵御大と同じような年齢になった今の千葉ちゃんの演技を見たいという思いが、さらに強くなった。

 伝説の作品がDVD化された今年、何か嬉しい出来事が待っているような気がするのは、自分だけでは無いだろう。  

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