スマホカメラの弱点の一つとして「望遠」があります。
広い範囲を撮影できる広角側は進化著しいですが、望遠側はハイエンド機種を除くと、拡大ズームに頼るしかありません。
ソフトウェアでの拡大ズーム画質もかかなり良くなっていると聞いたので、2023年時点ではありますがどの程度のモノなのか調べてみました。
作例は川崎駅近くの多摩川沿岸にある「多摩川みはらし公園」からの風景です。
ちょうど護岸工事もしていたので特徴ある被写体を撮影することができました。
【一眼カメラ】
OLYMPUS OM-D E-M1&M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II
1600万画素
光学ズーム
【スマホ】
OPPO Reno 5A
6400万画素
デジタルズーム
最近お気に入りのAndroidと私の超々望遠の定番組み合わせで比較しました。
結論から言うと、皆さんの予想通り、一眼カメラの圧勝です。
スマホのデジタルズームの進化はどの程度なのか?一眼カメラの画質に近づいているのか?という視点で見ていただければと思います。
タイトル写真の奥に架かる鉄道橋「六郷川橋梁」を超望遠で撮影したものです。
後方に写るマンションから撮影位置が確認できると思います。私が大好きなトラス式の橋梁です。
※35mm換算600mm相当画角からの等倍切取りです。
Reno 5Aのデジタルズーム20倍での画質です。
26mm相当の20倍になるので35mm換算520mm相当の画角となります。
等倍切取りですが、完全にディティールが潰れています。
OPPO Reno5Aに限りませんが、デジタルズームは「画像補完処理」をして画像が破綻しないようにしている画期的な処理なのですが、それでも画質の劣化を考えると倍率は5倍までだと思います。今回は20倍という超々望遠での拡大補完になるためか画質の劣化は避けられなかったのだと思います。
もう一つ作例を掲載します。
タイトル画面の右側クレーン島の拡大です。
右上にクレーンのフックが見えます。
ひときわオレンジ色の機材が目立ちます。
Reno 5Aにて同じ構図で撮影したものを等倍切取ったものです。
クレーンフックを始めオレンジ色の設備も潰れてしまって、何の部品なのかもわかりません。
6400万画素(Reno 5A)といってもデジタルズームで撮影、等倍拡大してしまうと1600万画素(E-M1)と比べるまでもない結果になります。
画像処理エンジンが進化するたび、デジタルズーム画質も進化してはいますが、やはり一眼カメラの光学ズーム画質には未だ持って届かないことがあらためてわかりました。
これは決して否定的に捉えているのではなく、極小のレンズ、極小の映像素子からたたき出すスマホの画質は驚愕そのものです。
だからこそ(運動会とかで)デジタルズーム撮影の結果だけ見て「このスマホ使えね~」と短絡的な表現をしないで欲しい。あの大きさ、重さでこれだけの画質をたたき出すのは凄いことだと思います。
以前、葛西臨海公園をOPPO Reno Aで撮影した記事を載せましたが、当時と比べて若干自然な表現になった気がしますが、大きな進化は感じることはなかったです。
スマホのカメラ機能、まだまだ伸びしろがあるってことですね。
【補足】
今回モデルになった「六郷川橋梁」は現在は四代目になります。1971年竣工ということなので50年以上の歴史を持つ橋梁となります。
隅田川橋梁群では竣工100年近いものも多いため、大したことないと思ってしまいましたが、出自を確認したところ日本初の鉄道橋ということでビックリしました。
日本初の鉄道は「新橋ー横浜」をつないだ東海道線であるわけで、その区間内でひときわ大きな多摩川に架かる六郷川橋梁が「日本初の鉄道橋」であることはある意味、当たり前だったわけです。