植物性サプリメントの科学
医薬とサプリメントによる健康生活改善




覚醒剤の構造式を借り物の図で示します。メタンフェタミンは、アミノ基にメチル基が結合しているだけです。しかし、これは大きい意味をなすのです。覚醒剤分子だけでなく、サプリメント、医薬品も生体内に入ると酵素により構造変化されます。これは代謝といいます。アンフェタミンのアミノ基は、生体内でアセチル化などの代謝反応を受け、活性の弱い構造に変化する場合があります。これを避ける構造にしたのがメタンフェタミンの構造と考えられます。また、メタンフェタミンはより脂溶性の物性をもつので、これが効果的にはたらいている可能性もあります。

アンフェタミンより数倍の強力な効果があるメタンフェタミンは、始めはドイツでペルビチン錠として1938年に市販されましたが、早くも弊害に気づいて1941年に危険薬物に指定されました。ところが、日本では1941年に武田薬品工業からアンフェタミン製剤をゼドリンという商品名で、大日本製薬(現在の大日本住友製薬)からメタンフェタミン製剤をヒロポンとして市販されましたが、効果も売上げもヒロポンの方が上だったと蛇足ですが記録されています。当時の薬局で販売されていたという。誰でも入手できたといいます。風邪薬と同じ扱いだったのです。危険薬物という認識はなかったようで、今思えば恐ろしいことでした。当時は戦争中で、夜間に眠くならずに、さえてくるということで、戦闘機乗りは愛用したということです。軍需工場では行員に配布されたという話も残っています。覚醒剤は単純作業の能率を上げるといわれていました。戦後もヒロポンは芸能界に広まっていたといいます。今でも語り草は残っています。危険な覚醒剤という概念はなかった時代で、中毒に苦しんだひとが多かったと伝えられています。今では、喫煙は指定場所でしか出来ませんが、以前は、喫茶店や会社の事務所内、商談中でも喫煙をしていたものでした。

このように、最近は健康に気をつける時代になりました。危険薬物を廃絶する動きになっています。その中で、覚醒剤および誘導体の合成ドラッグという化合物群も行政が厳しく規制していくものと思います。

下記の構造式で、上がアンフェタミン、下がメタンフェタミンです。きわめて簡単な構造式です。立体異性体により活性は異なります。法令違反になりますから、合成しないようにお願いします。








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