昨今、子供の数が減って趣味、趣向も多様化となりかつ不況なせいもあって、車も免許もない若者が多いすなあ。
自分らの頃は早ければ高校生の時分に教習所通いをして、夏休み中には免許を取ってしまい就職に備える人、
冬休みに思いっきり遊ぼうと企む人、暴走族からみの先輩と称する人物から廃車寸前の車高ベッタベタの車を売りつけられ、
親には内緒でひたすらバイトに励む人など、好むと好まざるとに関わらず免許やら車は欠かせないもんでした。
就職してからではなかなか大変そうなので、自分も学生の時に免許を取ったんですが
仮免許まえの第3段階中のある日、同じ下宿からの連れと同じバスで帰るための時間調整で、同乗見学というのをしてみました。
これは同じ段階の人の車に乗って勉強をするというもんです。
これが終わってこの車の生徒さんと何気に話していると、仮免検定が同じ日ということでした。教習原簿を見せてもらうとなんと入校日が同じ。
でもって後日、仮免も二人同じ日に合格しました。
今度は卒業検定に向けた路上教習です。決まった担当の先生はいたのですが忙しい先生だったもので、路上教習時にはちょこちょこ先生が変わりました。
ま、いろいろ教え方のちがいからか、この段階で何時間か延長がつきまして余計に教習を受けました。
そんなある日、例の入校日一緒だった彼が来て
「どう?」と話しかけてきまして、原簿を見せてもらうと、彼はノーミスで進んでます。
「いやあ。延長ついてさあ。さすがに卒検まで同じってのは無理だねえ」
「そっかあ がんばってねえ」と車に向かいました。
数日後、自分はやっと卒検です。「よう。」と、かけられた声のほうを向くと、あの彼です。
「あれ?どしたん?」
「いや、落ちてさ。今日になったんだわ。」
ということで、この日ふたりして卒検合格しました。
つぎは手稲免許センターで学科試験。これに合格すれば即日免許交付です。
朝、手稲行の列車に乗り込み(そういえば、入校日、仮免、卒検と同じ日だったあの人はどうしてるかいなあ)とふと頭をよぎりましたが
さすがにねえ。そうそう重なるもんじゃない。
列車は大麻駅に停車しまして乗車客が乗り込んできます。
「あら。」
「マジかい?」あの彼がいます。
「てことは、あれかい?今日合格して交付になったら、入校日、仮免、卒検、交付日がいっしょになるんだ」
「そういうことだね」
結局、二人ともめでたく合格して入校日、仮免、卒検、免許交付日がいっしょとなりました。
「よかったねえ」と出来たてのお互いの免許証を見比べて、一瞬の沈黙の後、思わず二人して爆笑しました。
誕生日が同じだったんです。