吉良「あたしももう歳なモンで、いつポックリいくかわかりません。討ち入りはひとつ早めに、ということで」
大石「吉良様がそのように弱気になられては。」
吉良「あたしが強気になってもしかたないでしょ。」
大石「私共も一日も早く討ち入りしたいという気持ちは山々なんですが...」
吉良「ほんと!?じゃ今夜来て!!」
大石「いや突然今夜と言われましても。」
吉良「待ってるほうの身ってのもたまんないもんがあるのよ。じゃ明日!」
大石「どうしようかなぁ。困っ.....」
吉良「あんたらっ!!。ほんとにやる気あるのかい!!」
大石「あ...ありますよ。あります。..なあ。」
吉良「塀作ったり忍者雇ったりで一体いくら掛かってると思ってんだい!!。えぇ?。
討ち入りやる討ち入りやるって大騒ぎして、お家再興まで引き伸ばそうってハラじゃないの!?」
大石「吉良さん!!私共は武士ですぞ。そんな。私の胸の中には亡き殿のあのお言葉。
~内蔵助。この恨み晴らさでおくものか。後を頼む。後を頼む~そのお言葉しかありません。
私共は討ち入り一本。お家再興のことなどこれっぽっちも考えてはおりません。
ま、それは、お家再興ともなれば、私が山科に買った土地のローンも払えるし、サラ金地獄に落ちたこいつらもきれいな体に戻れるし、
まあ男50までには建売のひとつも欲しいものだし、娘にはピアノを息子にはせめて大学をともなれば100万、200万じゃしょうがないし、
まあ65になれば人間の最低限の義務である老齢年金には加入しておかねば、などということはこれっぽっちも考えておりません」
吉良「そこまで考えてりゃ充分だろうが!!。」
大石「いや。でもわたしらやることはやっております。おい、山。」
主税「めし」
大石「....山。」
源吾「おんな」
大石「...(ったく性格出ちゃうんだから。)おまえたち。勉強のし過ぎだ。山といったら素直に川だ。このように合言葉の練習もとどこおりなくいたしております。」
吉良「.....あんたら。なんて格好してんの。いい色に焼けて。」
大石「......あ ははは...はは...」
吉良「昨日はどこ行ってたんだ?」
大石「...鎌倉海岸だったかなあ...」
吉良「海水浴してたの!?」
大石「...いえ..トレーニングをかねて合宿に。吉良様の似顔絵を描いたスイカを前に、亡き殿の恨みを募らせておりました」
吉良「嘘つけぇ!!」
大石「...ほんとは中華街で食事をしておりました!」
吉良「.........明日はどうするんだ?.......」
大石「明日! あんた。それじゃ私たち毎日遊び歩いてるみたいじゃないですかぁ!!もういい もうどこへも行かない!おまえたちもどこへも行くな。
明日から家に閉じこもってねえ、亡き殿の恨みを募らせておりますよ!!」
吉良「お前たちが家に閉じこもってどうするんだ!明日は百ヶ日だろうが!!」
大石「...??...」
吉良「...内匠頭さまのだよ。.....」
大石「あっ!.....」
吉良「...ったく、四十九日のときもあたしが行って墓そうじして来たよ!!」
大石「.....おい、殿の墓って.....」
吉良「泉岳寺だろうが!!」
大石「あっ!なーんだ目と鼻じゃん。灯台下暗しとはこのことですなあ。」
吉良「.....よし!!決めよう。討ち入りやるかやらないか、今ここで決めよう!もう。じゃなきゃね、あたしゃもう腹掻っ捌いて死ぬわ。」
大石「いや。あの。本日討ち入りのときの衣装ができましたものですから。」
吉良「.....派手だね、しかし。すこしちっちゃいんじゃないの?」
大石「ずいぶん前にあつらえたものですから」
吉良「太ったの!?痩せるぞ普通。殿が切腹してんだから。」
大石「実は吉良様のもこちらに。」
吉良「...いやあ。あたしはいいよ。あたしは衣装とかそういうことじゃなくてねえ。..........これ!?白いだけじゃない。衣装じゃないよ。下着だよこれ。なんだあ。....」
大石「あの、来週仮縫いがありますから、ご一緒しましょう。」
吉良「仮縫いって、あんたらもう一着つくるの?」
大石「はい。これは夏物ですから、冬服をと......」
吉良「冬!!?冬まで待つの!?あたし。」
大石「雪が降ったらかっこいいかなって....」
吉良「無理だぁ。あんたらの言うことはさんざん聞いてきたけど雪までは降らせられんわ。それまでもたんわ。」
大石「吉良さん。大丈夫です。人間最後は何が何でも生き抜くという根性です。」
吉良「ケっ!!必死に生き抜いたあげくに斬り殺されりゃ世話ねえや。はははははは。」
大石「ははははははは」
吉良「笑うなあ!!.....よし。雪はあたしが降らせましょ。石にかじりついても生き延びましょ。....帰ってくれ。あんたらの顔見てると頭ぶっちぎれて死にそうになるんだ。
だがなあ!!これだけは言わしてもらうぞ。あたしが死んだら、討ち入りもへったくれもねえんだ。大事にしてもらうぞ。」
大石「....吉良様。くれぐれも死なないでくださいね。吉良様がいて討ち入りから何から全部始まるんですから。吉良様がテーマなんですから。」
大石「吉良様がそのように弱気になられては。」
吉良「あたしが強気になってもしかたないでしょ。」
大石「私共も一日も早く討ち入りしたいという気持ちは山々なんですが...」
吉良「ほんと!?じゃ今夜来て!!」
大石「いや突然今夜と言われましても。」
吉良「待ってるほうの身ってのもたまんないもんがあるのよ。じゃ明日!」
大石「どうしようかなぁ。困っ.....」
吉良「あんたらっ!!。ほんとにやる気あるのかい!!」
大石「あ...ありますよ。あります。..なあ。」
吉良「塀作ったり忍者雇ったりで一体いくら掛かってると思ってんだい!!。えぇ?。
討ち入りやる討ち入りやるって大騒ぎして、お家再興まで引き伸ばそうってハラじゃないの!?」
大石「吉良さん!!私共は武士ですぞ。そんな。私の胸の中には亡き殿のあのお言葉。
~内蔵助。この恨み晴らさでおくものか。後を頼む。後を頼む~そのお言葉しかありません。
私共は討ち入り一本。お家再興のことなどこれっぽっちも考えてはおりません。
ま、それは、お家再興ともなれば、私が山科に買った土地のローンも払えるし、サラ金地獄に落ちたこいつらもきれいな体に戻れるし、
まあ男50までには建売のひとつも欲しいものだし、娘にはピアノを息子にはせめて大学をともなれば100万、200万じゃしょうがないし、
まあ65になれば人間の最低限の義務である老齢年金には加入しておかねば、などということはこれっぽっちも考えておりません」
吉良「そこまで考えてりゃ充分だろうが!!。」
大石「いや。でもわたしらやることはやっております。おい、山。」
主税「めし」
大石「....山。」
源吾「おんな」
大石「...(ったく性格出ちゃうんだから。)おまえたち。勉強のし過ぎだ。山といったら素直に川だ。このように合言葉の練習もとどこおりなくいたしております。」
吉良「.....あんたら。なんて格好してんの。いい色に焼けて。」
大石「......あ ははは...はは...」
吉良「昨日はどこ行ってたんだ?」
大石「...鎌倉海岸だったかなあ...」
吉良「海水浴してたの!?」
大石「...いえ..トレーニングをかねて合宿に。吉良様の似顔絵を描いたスイカを前に、亡き殿の恨みを募らせておりました」
吉良「嘘つけぇ!!」
大石「...ほんとは中華街で食事をしておりました!」
吉良「.........明日はどうするんだ?.......」
大石「明日! あんた。それじゃ私たち毎日遊び歩いてるみたいじゃないですかぁ!!もういい もうどこへも行かない!おまえたちもどこへも行くな。
明日から家に閉じこもってねえ、亡き殿の恨みを募らせておりますよ!!」
吉良「お前たちが家に閉じこもってどうするんだ!明日は百ヶ日だろうが!!」
大石「...??...」
吉良「...内匠頭さまのだよ。.....」
大石「あっ!.....」
吉良「...ったく、四十九日のときもあたしが行って墓そうじして来たよ!!」
大石「.....おい、殿の墓って.....」
吉良「泉岳寺だろうが!!」
大石「あっ!なーんだ目と鼻じゃん。灯台下暗しとはこのことですなあ。」
吉良「.....よし!!決めよう。討ち入りやるかやらないか、今ここで決めよう!もう。じゃなきゃね、あたしゃもう腹掻っ捌いて死ぬわ。」
大石「いや。あの。本日討ち入りのときの衣装ができましたものですから。」
吉良「.....派手だね、しかし。すこしちっちゃいんじゃないの?」
大石「ずいぶん前にあつらえたものですから」
吉良「太ったの!?痩せるぞ普通。殿が切腹してんだから。」
大石「実は吉良様のもこちらに。」
吉良「...いやあ。あたしはいいよ。あたしは衣装とかそういうことじゃなくてねえ。..........これ!?白いだけじゃない。衣装じゃないよ。下着だよこれ。なんだあ。....」
大石「あの、来週仮縫いがありますから、ご一緒しましょう。」
吉良「仮縫いって、あんたらもう一着つくるの?」
大石「はい。これは夏物ですから、冬服をと......」
吉良「冬!!?冬まで待つの!?あたし。」
大石「雪が降ったらかっこいいかなって....」
吉良「無理だぁ。あんたらの言うことはさんざん聞いてきたけど雪までは降らせられんわ。それまでもたんわ。」
大石「吉良さん。大丈夫です。人間最後は何が何でも生き抜くという根性です。」
吉良「ケっ!!必死に生き抜いたあげくに斬り殺されりゃ世話ねえや。はははははは。」
大石「ははははははは」
吉良「笑うなあ!!.....よし。雪はあたしが降らせましょ。石にかじりついても生き延びましょ。....帰ってくれ。あんたらの顔見てると頭ぶっちぎれて死にそうになるんだ。
だがなあ!!これだけは言わしてもらうぞ。あたしが死んだら、討ち入りもへったくれもねえんだ。大事にしてもらうぞ。」
大石「....吉良様。くれぐれも死なないでくださいね。吉良様がいて討ち入りから何から全部始まるんですから。吉良様がテーマなんですから。」
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