断じて敢行すれば、鬼神もこれを避く

中国のことわざ－２８　断じて敢行すれば、鬼神もこれを避く

決心して断行すれば、何人もそれを妨げはしない

秦の始皇帝が急死したときのことである。

本来なら始皇帝の遺言通りに長男の扶蘇（ふそ）が次期皇帝になるはずであったが、宦官の趙高らは、自分たちの思いのままに操れる弟の胡亥（こがい）を擁立させようとした。

しかし胡亥は小心で、扶蘇を殺して皇帝となれと言う趙高の誘いになかなか乗ろうとしない。

そこで趙高が、渋る胡亥におどしをかけたのがこの言葉である。

「何かを行おうとする場合には、小さな事にこだわったり、細かなことを心配したりしてぐずぐずとためらっていたのでは、後で必ず後悔する羽目となる。断固たる決意の前には鬼神も敵ではない。必ず成功する」と。

参考：史記、守屋洋著　中国古典一日一話（三笠書房）、広辞苑