岡山の山火事も、今治の山火事も、たった一晩の雨で延焼の危険が無くなくなった。多くの人々が6日も消火に向けて懸命に頑張ったのに、なかなか火の勢いは収まらなかった。5,6時間の雨がそれをやってのけた。自然の力のすごさに脱帽である。ともかく、これ以上被害が及ばなくなったことに安堵した。
ウチの桜も開花した。このところの冷え込みで満開は少し遅れるだろう。見ごろは来週末ぐらいになるだろうか。周辺の山桜も目立つようになり、木々の間から桜色がチラホラ見えだした。ウグイスは日に日に鳴き方がうまくなり、心を和ませてくれている。春到来である。
今、新聞で今村翔吾さんの「未だ 本能寺にあり」が連載されている。〈信長の死体はどこへいったか?〉というテーマの歴史ミステリーである。この小説、書き方が変わっていて、当事者の証言の聞き取りがほとんどである。明智光秀・信長に関わった、本能寺の変に関わった、様々な人の証言を聞き取り、それを元に真相に迫ろうとしている。〈信長は死んだのか? 死体はどこへいったのか?〉
信長が最後を迎えたのは本能寺の書院だが、大方の小説や映像では、最後に信長が回り縁に出てきて矢を放つところが描かれている。この期に及んで、何故出てきて戦うのか? いつも不思議だった。この最後の場面が今掲載中なのだが、前回の証言者は攻め手の明智軍の一人だった。今証言しているのは書院の中にいる女子衆、書院の中の様子が語られている。信長が回り縁に出て矢を放ったことは、内と外とでは見方が全然違う。視点が変わると、真相が違ってくる。
今村翔吾さんの本はここが面白い。視点の置き方が独特なのだ。今連載中の箇所は本全体のどれくらいの所か分からないが、この先の話の行方に興味津々だ。