前の投稿の続きになるが、様々な資料(最もポピュラーなものとして本)を点訳するというのは、かなり根気がいる仕事だ。私の場合だと、最初にパソコンで点訳をした後、パソコン上で2回の校正、その後、プリントアウトしてさらに1度校正。3回見直しするが、それでも3回目の校正でまだ見落としがある。その後、二人の校正者に校正をお願いする。自分では見つけられなかったミスを、二人の校正者に指摘され、直すことは常である。3人の目で確認しても、多分まだ見落としはあると思っている。どこまで行っても切りがない作業なのである。
点訳していて「ふ~ん?」と手が止まるのは、〈漢字の読み〉だ。最近校了した点訳本は「髪結い伊三次捕り物余話 雨を見たか」(宇江佐真理著)、時代小説だ。何年か前からこのシリーズを点訳しているが、いつも悩むのは〈漢字の読み〉だ。すべての漢字にフリガナがふっているとは限らない。フリガナが無いものは、点訳者が何とか読まなければならない。「夫婦」「昨夜」この読みにはいつも困惑する。TPOによって、当然、読み方は変わるはずだ。「夫婦」はいつも「ふうふ」と読むとは限らない。本文では「ふうふ」、場面によっては「めおと」。会話文でも武士同士なら「ふうふ」または「めおと」、町人の場合はおそらく「めおと」とよむだろうと、想像しながら点訳していく。本当は著者に聞くのが一番だろうが、そうもいかない。著者が意図しているのと違っていても、そこはお許し願っている。「昨夜」も同様だ。「さくや」、「ゆうべ」、「ゆんべ」・・場面場面で読み方は変わると思のだけど、正しい読みは分からない。
やればやるだけ迷いが出てくる。それを「奥が深い」というのかもしれない。点訳を始めて20年以上、いまだに迷い道の中にいる。







