話題の「母と暮らせば」を観ました。
「戦後70年という年にこの企画に出会った。井上ひさしさんが、『父と暮らせば』と対になる
作品を長崎を舞台に作りたいと言われていた、それならば私が形にしたいと考え、泉下の井上
さんに語り合う思いで脚本を書きました」と山田洋次監督がコメントを寄せています。母には吉永
小百合さん、息子には二宮和也さんと決めていたそうです。7-8年前に「父を暮らせば」を映画
で鑑賞し、数か月前には舞台で鑑賞しただけに、戦後70年の今、感慨ふかく鑑賞できました。
山田監督は、学生・浩二のモデルとなった被爆時の医科大学生だった土山元長崎大学長を取材し
、アイデアを膨らませたそうです。8月9日一瞬にして900名近い戦争犠牲者を出した大学は
世界でも長崎医科大学のみ、亡くなった先生や学生たちに恥ずかしくない仕事をしなければと
監督は語っています。
劇中で、原爆による死が運命だと気持ちの吐露に、母・伸子は「地震や天災と違って、運命では
ない、人が起こしたことだから」と諭す言葉が出てきました。戦争は人が作ったもの、だから
こそ、戦争はしてはいけないの気持ちと感じました。
吉永、二宮の二人に、昨年のテレビドラマで熱演している黒木華さん。いつも舞台で主役はって
いる加藤さん、テレビなどでおなじみの小林稔侍さんや橋爪功さんがちょい役。もったいない
俳優陣もさりげなく作品を盛り上げています。