前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

前福井県議会議員・さとう正雄の活動日誌。ご意見・情報は smmasao.sato@gmail.com までお願いします。

井上ひさしと時代

2016年07月16日 | Weblog
9条の会のよびかけ人の一人だった井上ひさしが亡くなり久しい。福井市での9条の会講演会を、福井へは私が行きます、と引き受けられたが、病魔で叶わなかった。大江健三郎さんが代わりに講演にいらした、そんなことがあった。
広島原爆で命を奪われた移動演劇の、さくら隊。描かれた映画、さくら隊散る、は福井ではゆきのした文化協会によって100箇所を超える上映がとりきまれ、私も当時駅東にあった民青の古い事務所で観た。

井上ひさしは戯曲、神屋町さくらホテルで取り上げた。
こちらは創作がさらに加わり、福井市出身の海軍大将 長谷川清が天皇の密命を帯びて各地の軍の状況を調査する役として、そして、さくら隊の重要な役回りとして描かれた。
さらに、当時いわゆる左翼劇団を監視していた特高警察官までが、監視のために劇団員となる。

苛烈な戦争を推進した軍、反戦運動などを弾圧した特高警察。
これらをも取り込んだ さくら隊の設定。

戦争下の緊迫する時勢を笑いで斬るだけでなく、涙と笑いで包みこむ。

井上さんの娘さんが劇団こまつ座を主宰し、井上さんの戯曲上演を続けています。
井上の戯曲にお客さんが集まるのは時代が悪い時、と述べています。

たしかに9条の会の活動の発展は改憲の動きと呼応してきましたし、今でもそうです。
井上さんの戯曲にもそういう時代に、つぎの展望を求める人たちの渇望があるのかもしれません。
9条の会の講演会、井上演劇、次代への勇気を与えてくれます。