そろそろ稲の刈り取り時期に入りJAからは米出荷等のお知らせのチラシが配布される。山口沢の圃場ではまだ俺の他に誰も刈り取りを始めて人はいない。JAに米出荷でそれぞれの庭先に集荷をお願いする農家は珍しくなった。
昔はそれぞれのJAの支所単位で集荷してその倉庫で検査していた。米の検査日は毎日のようにあって自己搬入の他に臨時雇用や全職員の協力で農家の庭先まで集荷に行っていた。賑やかな米の集荷で検査場の倉庫にも大勢の出荷者で雪の降る頃まで長い期間混雑していた。
水分過多や籾の混入が多く再度調整の為に返されたりで検査結果を見守っていた。1等米から3等米までの等級で悪い等級になると忽ち噂が広がり話題になった。1戸平均30アールの圃場で減反除きの小さい面積の米作りでも農家にとっては貴重な収入源だった。 今では刈り取り脱穀作業は委託して個人出荷米は少なく庭先集荷は極僅かな戸数になる。検査場も大きい米倉庫1ケ所に運んで検査日も飛び飛びに日数で1週間も無い。圃場には市内の大きい乾燥調整に施設を持っている農家に委託して圃場には耕作者は見当たらない。
小さい圃場に化け物のような大きいコンバインで刈り取り作業も来週の飛び石連休辺りが賑やかになるだろう。天気の良い予報で刈り取り作業も順調に進むだろうが今年の米価の安値では元気が無い。脱穀調整、農薬、法人組合の利用料等の経費で懐に入るお金は年々少なくなって行く米作り。
米の豊作貧乏、片や降雹被害でなかなか農業経営も難しい年。健康であれば良しとして又百姓の来年で頑張る他はない。