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『月の満ち欠け』

2022年12月09日 | 映画(た行)
『月の満ち欠け』
監督:廣木隆一
出演:大泉洋,有村架純,目黒蓮,伊藤沙莉,田中圭,柴咲コウ,菊池日菜子,
   小山紗愛,阿部久令亜,寛一郎,波岡一喜,安藤玉恵,丘みつ子他
 
TOHOシネマズにて、前述の『THE FIRST SLAM DANK』とハシゴ。
 
1年間になんぼほど撮っとるねん、廣木隆一監督。
観ますよ、観ますけど、私はやっぱりこの監督が苦手なようです。
 
原作は佐藤正午による直木賞受賞作
同じ原作者の作品ならば、私は圧倒的に『鳩の撃退法』(2021)のほうが好き。
たぶん一般的には逆なのでしょうけれど。
 
青森県八戸市出身の小山内堅(大泉洋)は、同じ町出身の梢(柴咲コウ)と東京の大学で出会い、
恋を実らせて結婚。娘の瑠璃(菊池日菜子)と幸せな日々を送っていた。
しかしある日、梢と瑠璃が交通事故に遭って亡くなってしまう。
 
失意のまま東京の会社を退職して郷里に戻った堅を訪ねてきたのは、三角哲彦(目黒蓮)と名乗る男性。
哲彦は「梢と瑠璃が自分に会いに来る途中に事故に遭った」と言うが、ふたりも哲彦とは面識がないはず。
なぜ見知らぬ男に妻子が会いに行こうとしたのか、堅には理解できない。
 
すると哲彦は、かつて自分が深く愛した女性(有村架純)が堅の娘と同じ“瑠璃”という名前で、
堅の娘はその女性の生まれ変わりなのではないかと言い出す。
そんな馬鹿げた話は到底信じられないと哲彦を帰らせる堅だったが……。
 
演技派が揃っているはずなのに、序盤はなんだかとても拙い演技に思えます。
どうして私が廣木監督の作品を苦手に思うかというと、たぶん「あざとさ」なんですね。
泣かせること前提で作っているように見えて、一滴の涙もこぼれない。
 
もしもこんなふうに、自分の妻が、娘が、誰かに生まれ変わったとします。
生まれ変わりの女児が、子どもらしいとはいえない仕草をしたり、
自分のことを何でも知っている素振りで妻のような話し方をしたりしたら、怖くないですか。
 
堅の娘“瑠璃”の親友・緑坂ゆい(伊藤沙莉)の娘役の子は怖いと思わなかったけど、
ほかの女児役の子は女を感じさせる演技が怖かった。
哲彦の彼女“瑠璃”のモラハラDV気質の夫・正木竜之介(田中圭)もめちゃくちゃ怖い。
彼はこの後いったいどうなるのか。
 
生まれ変わりだとわかった後は、彼女にどのように接すればよいのですか。
最後のほうはほとんどオカルトを観るような気持ちになりました。
堅の母親の介護に当たる女性役の安藤玉恵にだけは救われると思うものの、
彼女だって自分の娘があの人の生まれ変わりだと知っているわけだし。
 
私にとってはじゅうぶんにホラーです。怖っ。

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