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『私はいったい、何と闘っているのか』

2022年01月02日 | 映画(わ行)
『私はいったい、何と闘っているのか』
監督:李闘士男
出演:安田顕,小池栄子,岡田結実,ファーストサマーウイカ,SWAY,金子大地,
   菊池日菜子,小山春朋,田村健太郎,伊藤ふみお,伊集院光,白川和子他
 
「今年観た映画50音順」を開始した後、旧年中に観た作品をしばらくはUPします。
本作は仕事納めの翌日、冬休み初日にテアトル梅田にて。
 
原作はお笑い芸人つぶやきシローの同名小説。
予告編を観たときはバカバカしくて笑える話だろうと思っていましたが、
なかなかどうして、数箇所に渡って涙が頬を伝いました。マスク濡れるがな。(^^;
 
スーパーマーケット“ウメヤ”に勤める45歳の伊澤春男(安田顕)は、万年主任ではあるものの、
店長の上田(伊集院光)から頼られる存在で、従業員たちの人望も厚い。
 
一方、家庭での彼は空回りしっぱなしだが、しっかり者の妻・律子(小池栄子)が切り盛り。
長女・小梅(岡田結実)、次女・香菜子(菊池日菜子)はいずれも美人で優しく、
末っ子でデブの長男・亮太(小山春朋)もユーモアたっぷりの可愛げのある奴。
 
ある日、上田店長が急逝し、次期店長は春男で間違いなしと誰もが噂する。
ついに昇進だと本人も家族も高揚を隠せないが、
本社の経理部にいたという西口(田村健太郎)が新店長として就任して……。
 
こんなに美人で年頃の娘たちが、冴えない父親に何故ここまで優しいのか。
ネタバレになりますが、ふたりとも春男の実の子どもではありません。
沖縄出身の律子はかつて地元の男とつきあっているときに身ごもり、
そのとき相手に逃げられたというのに、再会してまた妊娠、そしてまた逃げられました。
傷心の彼女と出会ったのが春男で、彼は何もかも承知のうえで律子と結婚。
じゃないと娘たちが父親をこれほど持ち上げるのは変だとは言わんけど。(^^;
 
本当に良い家族なのです。
頼りない父親をみんなで見守り、勇気づけて、盛り立てる。
その理由は、このお父さんがいなければどうしようもなかったと、
長男を除く全員がわかっているからなのですね。
 
スーパーでただひとり春男に冷たい従業員、高井役のファーストサマーウイカが素晴らしい。
彼女が異動する春男に贈った言葉は、
「努力しても報われない奴はいる。ただ、成功した奴は必ず努力している」。
長州力の名言だそうな。私も覚えておこう。
それと、春男がたまに寄る食堂のマダム役に白川和子
彼女の台詞は「それだけ食えりゃ大丈夫さ」3回と「それだけ叫べりゃ大丈夫さ」1回のみ。
そうだよね、いくら落ち込んでいたとしても、それだけ食えりゃ、人間大丈夫。

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