『デーヴダース』(原題:Devdas)
監督:サンジャイ・リーラ・バンサーリー
出演:シャー・ルク・カーン,アイシュワリヤー・ラーイ・バッチャン,マードゥリー・ディークシト,ジャッキー・シュロフ他
NGK→TOHOシネマズなんばで『マリウポリの20日間』→第七藝術劇場でこれ。
“ゴールデンウィークインド映画祭”で上映されておりまして、鑑賞料金は2,000円。
だけど、2,000円だからということで、スタンプを2個押してくださいました。
ちなみにナナゲイの“インド映画祭”のラインナップはこれを含めて4本で、
未見だったのは本作のみだったわけですが、2002年の作品って、20年以上前じゃあないか。
現在58歳だから、本作のときは30代だったのか。うーむ、タイプとは言えません。
本作の中では彼のことをさんざん「美しい」と言っているけれど、どやねん。
大地主の息子デーヴダースが弁護士となり、10年ぶりにロンドンから帰国することに。
母親のカウシャリヤは嬉しくてたまらず、息子の帰宅を誰よりも待ちわびているというのに、
デーヴダースが帰国して最初に会いに行ったのは、母親ではなくて幼なじみのパーロー。
デーヴダースとパーローはただの幼なじみではなく、お互いに想いを寄せ合っている。
デーヴダースの兄嫁クムドは、姑カウシャリヤが息子のことばかり気にかけるのが面白くなくて、
母親を差し置いてパーローに先に会いに行ったとカウシャリヤにチクるなどして事を荒立てる。
パーローの母親スミトラは、わが娘とデーヴダースが結婚する事をつゆとも疑っていなかったが、
カウシャリヤはそれを受け入れたふりをしてスミトラを呼び出し、
さんざんコケにしたうえで、卑しい身分のアンタの娘を自分の息子の嫁にするわけがないと嘲笑う。
騙されて見下され、怒りに燃えるスミトラは、パーローをもっと凄い大地主のもとへ嫁がせるのだが……。
いや〜、もう、絢爛豪華。キラキラしているお屋敷とか衣装とか宝飾品とか、見ているだけで楽しい。
そこに惹かれて183分、1秒も目を閉じることはなかったのですから、面白かったのでしょう。
だけど、物語を振り返ってみると(振り返るまでもなく)、グダグダだと思うのです。
大地主とフツーの地主の間には凄い差があるのでしょうけれど、パーローの家だってじゅうぶん以上にデカい。
だから「身分違いの恋」にイマイチ説得力なし。
そして、親を怒らせて想い人と結婚できなかったデーヴダースってば、
3時間超の作品のうち、3分の2ぐらいは酔っぱらっています。
こんなどうしようもない酒浸りの男を見ているだけで引っ張る引っ張る。
パーロー役のアイシュワリヤー・ラーイ・バッチャンと、
デーヴダースを介抱する娼婦チャンドラムキー役のマードゥリー・ディークシトがめちゃめちゃ綺麗。
美人ふたりを見ていられたおかげで最後までもったようなもの。
インドの女性観や結婚観にちょっと嫌悪感も抱いてしまいます。
本作から20年経って、どれくらい変わったのかなぁ。