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『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』

2020年07月21日 | 映画(ら行)
『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』(原題:A Rainy Day in New York)
監督:ウディ・アレン
出演:ティモシー・シャラメ,エル・ファニング,セレーナ・ゴメス,
   ジュード・ロウ,ディエゴ・ルナ,リーヴ・シュレイバー他
 
TOHOシネマズ伊丹で前述の『MOTHER マザー』を観終えたのが20:10。
本作は109シネマズ箕面にて20:35から上映。
これまた結構キワキワというのか、無謀なハシゴです。
でも間に合いました~。
 
ウディ・アレンがかつて同棲していたミア・ファローから告発されたのは1992年のことでした。
彼らの養女がアレンから性的虐待を受けていたとのことで、
しかしこれはファローが親権を取るためにでっちあげたものとして訴追されず。
その後も映画を撮り続けて、各賞にノミネートされることも多々あったアレンだから、
あれはアレン側の主張通り、でっちあげだったのだろうと私は思っていたのですけれど。
 
数年前からハリウッド女優による#MeToo運動が盛んになり、
約30年前のアレンへの容疑がふたたび話題にのぼるように。
その結果、本作を製作したアマゾン・スタジオが非難されるに至り、
アマゾン・スタジオはアレンとの既契約をすべてキャンセル。
本作もアメリカでは未公開となっています。
 
本作の出演者らが、「出演したことを後悔している」と話しているのは残念なこと。
そんななか、アレンと同棲していたことのあるダイアン・キートンが「彼を信じる」と言い、
スカーレット・ヨハンソンが「アレンとは今後もいつでも仕事をする」と言っているのは嬉しい。
真実は闇の中、アレンが本当にそんなことをしたのかどうかわかりませんが、私は信じたくないなぁ。
だって、あの顔ですよ。と言ったら怒られるか。
 
ギャツビーとアシュレーは郊外の同じ大学に通うカップル。
ジャーナリスト志望のアシュレーは、著名な映画監督ローランドにインタビューできることになって大喜び。
面会場所がマンハッタンと聞き、生粋のニューヨーカーであるギャツビーも同行。
インタビューが無事終わったら、ニューヨークのあちこちをアシュレーに案内するつもり。
 
ところが、ローランドは若い美人アマチュア記者を気に入ったのか、
新作の試写を観ていけとアシュレーを誘う。
取材は長引き、ギャツビーが立てた入念なデートプランは丸ごとおじゃんに。
がっかりするギャツビーの気持ちも知らず、
アシュレーは人気俳優とも会う機会を得てはしゃぎまくるのだが……。
 
ギャツビーにティモシー・シャラメ、アシュレーにエル・ファニング
ローランドにはリーヴ・シュレイバー、人気俳優フランシスコにディエゴ・ルナ
ローランドのお付きの人にジュード・ロウ
この間、ジュードの髪が増えたと思ったのは気のせいだったみたい。(^^;
元カノの妹チャン役のセレーナ・ゴメスがめちゃくちゃイイ。
 
お嬢で素直なアシュレーが実に嫌な感じなんです(笑)。
ギャツビーのことを知り合ったばかりの他人にアスペルガーかもと話したり、
清純なふりして誘われる計算ありありだったり。
そもそも中年男性へのインタビューにそんな丈短いひらひらスカートで行くか?
んで、オヤジの目の前で脚組むか?
 
と、最近よくありがちな「イライラし通し」でしたが、このラストは最高。
これだけでこの映画を観た甲斐があるというものです。100点。
とても皮肉なオチながら「だから人は映画を観る」と思えた『カイロの紫のバラ』(1985)。
それとは異なるハッピーエンドで、「こういうことがあるから私は映画を観る」と思えます。
ニューヨークをこよなく愛するアレン監督ならでは。
 
追記:『ミッドナイト・イン・パリ』(2011)をこよなく愛する私の上司が、
   「人間を粗末に扱う人に、あんな映画が撮れるわけがない」と言ってます。
   それを聞いて、ちょっと泣きそうになりました。同感。

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