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『MOTHER マザー』

2020年07月20日 | 映画(ま行)
『MOTHER マザー』
監督:大森立嗣
出演:長澤まさみ,阿部サダヲ,奥平大兼,夏帆,皆川猿時,仲野太賀,
   土村芳,荒巻全紀,大西信満,郡司翔,浅田芭路,木野花他
 
TOHOシネマズ伊丹にて。
終業時間が17:15、上映開始時間が17:50だったから、
キワキワかなと思ったら、わりと余裕でした。
 
大森立嗣監督は大森南朋のお兄さん。つまり麿赤兒の息子。
昔はあまり似ていない気がしていたけれど、最近なんか似てる。
頭もつるっぱげのお父さんと同じなのか、潔く剃ってはる(笑)。
 
2014(平成26)年に埼玉で実際に起きた事件がモチーフとなっています。
母親から虐待を受けていた17歳の少年が、
自分の祖父母の家を訪ねて殺害した事件。
 
周平(郡司翔)はシングルマザーの秋子(長澤まさみ)と二人暮らし。
金がないのに秋子にはまったく働く気なし。
生活保護で受けた金はパチンコに注ぎ込み、
周平をだしにして両親や妹、元夫に金を無心してばかり。
堪忍袋の緒が切れた母親(木野花)から出禁を言い渡される。
 
そうなってすら落ち込む様子を見せない秋子は、
ゲームセンターで出会ったホストの遼(阿部サダヲ)と意気投合。
電気もガスも止められた部屋に周平を残し、
ふたりは旅行へと出かけてしまうのだが……。
 
ちょうど、24歳の母親が3歳の娘を残して交際相手と出かけ、
8日後に戻ってみたら娘が死んでいたという事件がありました。
どうしてこんなことができるのか、私にはわかりません。
子どもの面倒を見るつもりがないなら産まないでほしい。
 
どんな扱いを受けようとも母親のもとを離れようとしない子どもたち。
母親と離れて暮らす選択肢もあると言われてもそうできない。
共依存の関係だと本人たちは気づいているのかいないのか。
 
「私の子なんだから、どう育てようがいいだろ」。
いいわけがない。早く逃げてと子どもたちに言いたい。
 
一種の呪縛なのでしょうか。
なぜか私は本作を観て、『サンタ・サングレ 聖なる血』(1989)を思い出しました。
彼が解き放たれる日は来るのか。
出所したらまた母親のもとへ戻ってしまうのか。
どうか、自分のために生きて。

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