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『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』

2020年06月23日 | 映画(さ行)
『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(原題:Little Women)
監督:グレタ・ガーウィグ
出演:シアーシャ・ローナン,エマ・ワトソン,フローレンス・ピュー,エリザ・スカンレン,
   ローラ・ダーン,ティモシー・シャラメ,メリル・ストリープ,クリス・クーパー他
 
仕事帰りに109シネマズ箕面にて1本だけ。
 
女優であり脚本家であるグレタ・ガーウィグのことがもともと好きです。
それにしたって、ルイーザ・メイ・オルコットの『若草物語』といえば、
150年以上も経っても読み継がれてたびたび映画化されている不朽の名作。
いずれの映画版も当時のアカデミー賞にノミネートされるなど、
そこそこ以上の評価を得ていますから、わざわざそれに挑むとは。
 
と心配もするところ、この現代的解釈がとても頼もしくて面白い。
監督デビュー作の『レディ・バード』(2017)もよかったけど、本作のほうが断然好き。
何の役をしても同じに見えてきていたシアーシャ・ローナンは、
本作でもやっぱり同じに見えなくもないけれど、役にピタッとハマっています。
 
1860年代のアメリカ・マサチューセッツ州に暮らすマーチ家。
世は南北戦争の時代。牧師である父親は、奴隷解放を目指す北軍に篤志。
母親と4人の娘が家に残り、父親の留守を守りつづけている。
 
長女メグ(エマ・ワトソン)は結婚こそが女の幸せと信じる、おしとやかな女性。
次女ジョー(シアーシャ・ローナン)は結婚すれば何もかも終わりだという考えを持つ。
小説家になる夢を叶えるべく、執筆に勤しむ毎日。
三女ベス(エリザ・スカンレン)は自分よりも他人の幸せを願う優しい女性。
四女エイミー(フローレンス・ピュー)は金持ちと結婚することが人生の目標。
 
ある日、メグと共に舞踏会に参加したジョーは、
マーチ家の向かいの裕福な家に暮らす若者ローリー(ティモシー・シャラメ)と出会って意気投合。
ほどなくして四姉妹とローリーは、お互いの家を行き来するようになる。
 
四姉妹がそれぞれいきいきとしていて、だれるところがありません。
母親役のローラ・ダーン、伯母役のメリル・ストリープ、どちらも素晴らしい。
シリアスなイメージしかなかった美少年ティモシー・シャラメは
こんな役もできるのだと驚きました。
お向かいのお金持ち、ローレンスさん役のクリス・クーパー
なんだかものすごくお爺さんになっていてこれまたビックリ。でもさすがの上手さ。
 
物語は今と過去を行ったり来たり。
今の話だと思いきや、いきなり過去の話になっていたりしますが、
不思議とややこしくはなく、自然にこっちも回顧しています。
 
『ストーリー・オブ・マイライフ』という邦題はとてもよくできている。
この物語自体がジョーの書く本になっているわけで、
原作者オルコットにジョーをそのまま重ねた仕立てなんですねぇ。
映画が終わるとき、本も完成を見るのでした。
 
『若草物語』を読み返したくなること、間違いなし。

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