夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『イン・ザ・ハイツ』

2021年08月10日 | 映画(あ行)
『イン・ザ・ハイツ』(原題:In the Heights)
監督:ジョン・M・チュウ
出演:アンソニー・ラモス,コーリー・ホーキンズ,レスリー・グレイス,メリッサ・バレラ,
   オルガ・メレディス,ダフネ・ルービン=ヴェガ,グレゴリー・ディアス四世,ジミー・スミッツ他
 
晩ごはんを六甲でいただくことになっていたため、
大阪ステーションシティシネマで2本観た後、TOHOシネマズ西宮へ移動して。
 
トニー賞で作品賞を含む4冠に輝いた大ヒットブロードウェイミュージカル」、
の「映画化」って怪しくないですか。
たとえば『キャッツ』(2019)、あれはホントに駄目だった。
その例があるから、これも観に行くのは躊躇しました。でも、観なきゃ文句も言えないし
結果、まぁまぁでした。『キャッツ』よりは遙かに良い。
 
監督は『クレイジー・リッチ!』(2018)のジョン・M・チュウ。
面白い作品でしたもんね。
 
マンハッタンのワシントン・ハイツ地区。
ラテン系の移民が多く暮らすこの街で食料雑貨店を営む青年ウスナビ。
彼自身もドミニカからの移民で、大物になる夢がある。
 
真面目にコツコツと働いていればいつか夢が叶う。
そう信じてきたけれど、現実は厳しい。ここにいてもつらいだけ。
今は逆に故郷へ帰る日を夢見ている。
 
ウスナビが想いを寄せているのは、やはり移民のヴァネッサ。
彼女の夢はファッションデザイナーになること。
店の常連客である彼女にウスナビは声をかけるが、ちっとも相手にしてもらえない。
 
そんなウスナビを見てからかうのは、親友のベニー。
タクシーの配車係を務める彼は、同じ街に暮らしていた秀才ニーナに夢中。
ニーナは街の希望の星で、スタンフォード大学へ進学したが、突然帰省して……。
 
映画評論家は大絶賛しているそうですが、そこまで良いとは思えず。
移民の人たちの気持ちを汲み取ることが難しいからかなぁ。
とはいうものの、先日『東京クルド』を観たばかり。
日本にやってきたクルド人も、こうしてハイツで暮らす移民も、
歯がゆい思いを抱えて生きているのだと思うと、
単なる楽しいミュージカル作品だとは思えません。
 
単なるミュージカルとして観れば、もう少しイケメンのほうがいい(笑)。
主演のアンソニー・ラモスは、『ファイナル・プラン』の汚職に苦しむ警官役のほうが似合っていたかも。
ベニー役のコーリー・ホーキンズもちょくちょく観る俳優だけど、
『ブラック・クランズマン』(2018)を思い返しても何役だったか覚えていません。
どうやらTVドラマに多数出演している人のようですね。
 
一緒に観に行った姉さんが、アンソニー・ラモスのことを「地味な顔やなぁと思ったけど、
最後まで観たらやっぱりあれぐらい地味じゃなきゃあかんわ」言うてました(笑)。
 
美容院経営者のダニエラ役、ダフネ・ルービン=ヴェガが良い味を出しています。
彼女はパナマ出身の女優で、本作はほかにもキューバやらプエルトリコやら出身の俳優が目白押し。
だから、映画の中だけの世界ではなくて、実際に彼ら彼女らが夢を叶えた作品なわけで。
それを感じながら観るのがいちばんかと思います。
 
観るもんがなくなったら、もう1回観てもええかな。

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