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『サイダーのように言葉が湧き上がる』

2021年08月11日 | 映画(さ行)
『サイダーのように言葉が湧き上がる』 
監督:イシグロキョウヘイ
声の出演:市川染五郎,杉咲花,山寺宏一,潘めぐみ,花江夏樹,梅原裕一郎,
     中島愛,諸星すみれ,井上喜久子,神谷浩史,坂本真綾他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて。
 
アニメーション映像の音楽レーベル“フライングドッグ”の設立10周年記念作品。
監督はTVアニメ版『四月は君の嘘』のイシグロキョウヘイ。
脚本と演出も彼自身によるもの。
『団地ともお』とか『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第2期なども
この人が絵コンテを担当していたそうです。
 
本作もコロナのせいで公開が1年以上延期されました。
その後どうなるのかも不明のまま半年が経過し、今夏の公開がようやく発表された模様。
梅雨時のはずが、それもまたまた延びて先月末なんとか公開に至る。
 
初めて予告編を目にしたとき、主人公の声を市川染五郎が担当していると聞き、
え~、染五郎ってもう50歳ぐらいとちゃうん?高校生役ってあつかましすぎん?
違和感ないほど声は若いんかなぁ?などと思ってしまった私はアホです。
そんなわけないやん。あの染五郎はもう松本幸四郎でしょ(笑)。
20年前に今井美樹と共演したTVドラマ『BRAND』、懐かしくないですか。
はい、本作の主人公の声を務めるのは、もちろんあの染五郎の息子、八代目です。
 
小田市という地方都市に暮らす17歳の高校生、佐倉結以。
佐倉=サクラでみんなからは「チェリー」と呼ばれている。
人づきあいが苦手な彼の趣味は俳句
口には出せない思いを詠んではひそかにSNSに投稿していた。
 
一方、前歯にコンプレックスを持つ16歳の星野ユキは、歯の矯正中。
歯が見えないように常にマスクをしているが、
SNSでは“カワイイ”をコンセプトにライブ配信する人気者。
街を歩けば「スマイル」として方々から声をかけられる。
 
そんなふたりがショッピングモールに居合わせた折、
アクシデントが起きてぶつかった拍子に、スマホを落とす。
マスクも外れて慌てたスマイルは、誤ってチェリーのスマホを持ち帰ってしまう。
スマホの取り間違いに気づいたふたりは再会して無事交換。
以降、少しずつ距離を縮めていくのだが……。
 
おそらく私と同世代の人ならば、この絵を見て思い出すのは、鈴木英人やわたせせいぞう。
はやりのフル3DCGもいいけれど、なんかこういう絵のほうが落ち着きます。
俳句の心得はありませんが、高校生の趣味が俳句というのも昔っぽくて良い。
 
でもいろいろと引っかかるところがあります。
 
チェリーはモール内の福祉施設で腰を痛めた母親に代わってバイトをしていますが、
そこにかよっているのが元レコード店の経営者、フジヤマのおじいちゃん。
記憶が次第に薄れていくおじいちゃんが片時も離さずに持っているレコードジャケット。
中身は空っぽで、レコード本体をどこにやったか思い出せないらしい。
このエピソードを上手く生かし切れていないなぁという印象。
 
それ以上に気になったのは、レコードをあんなふうに持ちますかね。
今はレコードを見たことがない人も多いでしょうが、
貸しレコード屋に頻繁に出入りしていた私たちの世代は、
レコードの端っこを挟むようにして持つと思うのですよ。
あんなにベタッと盤を握ったりしない。その持ち方に興醒め。(^^;
 
スマイルをイマイチ好きになれなかったのも乗れなかった要因。
巷で人気のライブ配信ってこういうものなのか。
モールを歩いてカワイイと思うものをカワイイカワイイ言って回るだけ。
チェリーの俳句もカワイイと言われちゃうんだから。
カワイイって何やねんとイライラするところがおばちゃんか(笑)。
 
カワイイって何が!?
ただ、大貫妙子の曲はとってもよかったです。
 
タイトル自体が五・七・五になっているって、観る前からわかってました?

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