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『ANNIE/アニー』

2015年02月02日 | 映画(あ行)
『ANNIE/アニー』(原題:Annie)
監督:ウィル・グラック
出演:ジェイミー・フォックス,クヮヴェンジャネ・ウォレス,ローズ・バーン,ボビー・カナヴェイル,
   アドウェール・アキノエ=アグバエ,デヴィッド・ザヤス,キャメロン・ディアス他

TOHOシネマズ西宮にて、『KANO 1931 海の向こうの甲子園』とハシゴ。
12月封切りだったアメリカでの評判は散々の大コケ、これは期待せずに観にいきました。
ハードルをものすごく下げていたおかげで、思ったよりは楽しかったですが、
上映時間の185分の『KANO』が一瞬たりとも眠くならなかったのに対し、
118分の本作は一瞬寝たこと三度ほど。

1977年初演のブロードウェイミュージカルの『ANNIE』が映画化されるのは3回目。
1回目は1982年、ジョン・ヒューストン監督によって(別監督による続編あり)。
2回目は1999年、ディズニーがTV映画として。
3回目となる今回は、もともとの舞台である1930年代を現代に置き換えて。

ニューヨーク。
4歳のときに両親にレストランで置き去りにされた10歳の少女アニーは、
里子としてミス・ハニガンに引き取られる。
ハニガンの目当ては里親になれば支給される週157ドル。
同じようにハニガンに引き取られた少女4人とともに暮らす。

ある日、アニーは犬を追いかけていて、車の前に飛び出してしまう。
轢かれそうになったところを助けたのがスタックス。
彼は携帯電話会社のCEOで、市長選に出馬することが決まっていた。
支持率の伸び悩みに悩んでいたスタックスは、
側近のガイの入れ知恵により、アニーを利用することに。

早速アニーを食事に招待すると、賢いアニーはスタックスの狙いをずばり当てる。
招待を断ることもできたが、もしも自分が有名になれば、
両親が会いに来てくれるかもしれないと話に便乗。
スタックスの好感度がアップするように一緒に写真に収まって見せる。
アニーを一時引き取ればより支持率が上がるとガイに言われ、
子ども嫌いで潔癖症のスタックスは渋々アニーと暮らしはじめる。

陽気に見えても子ども、戸惑ったり寂しがったりするアニーに、
スタックスの秘書グレースは優しく接する。
彼女のおかげで日々を楽しく過ごすアニー。
しかし両親と再会する夢はあきらめきれず、
金曜日の夜は必ずあのレストランの前で待っていたのだが……。

昔の『アニー』にはありえない携帯やネットの駆使。
ツイッターではアニーのフォロワー多数。
アニーの危機もそのおかげで回避できます。思いっきり現代風。

それなりに笑えるシーンもありますが、私はこれでは泣けない。
いい話にしようという魂胆が透けて見えるからでしょうかねぇ。
だけど、もともとの『アニー』だって、見え見えのいい話だからみんな好きなわけで、
だったらこれに文句をつけるほうがひねくれているのか。

よかったのはハニガン役のキャメロン・ディアス。
強欲女のキレキレっぷりは、『海月姫』の片瀬那奈の上を行きます。
そんな彼女なのに、心根はいい人で良心に目覚めるというオチで。

アニー役のクヮヴェンジャネ・ウォレスは上手すぎて引いてしまうほど。(^^;
『ハッシュパピー バスタブ島の少女』(2012)では普通の女の子に見えましたが、
この『アニー』を見ると過剰な演技のほうが似合いそう。
ミュージカルなどの舞台向きに思えます。
本作のプロデュースを務めたのがウィル・スミスで、
当初はアニー役を彼の娘のウィロウ・スミスが演じるはずだった模様。
降板理由は知りませんが、なんぼ愛娘に主演させたくても、
クヮヴェンジャネ・ウォレスには敵わんと思ったか。

ウィル・グラック監督を知ったのは『小悪魔はなぜモテる?!』(2010)でした。
これは残念ながら日本では未公開、DVDにて鑑賞しましたが、
主演はエマ・ストーンでその後ブレイク。
処女なのにヤリマンと噂されて、開き直った彼女が噂のイメージを貫くという、
かなり面白い1本でした。
私的にはそっちのほうがこの『アニー』よりずっと、普通じゃなくて○。

アメリカで大コケ、日本ではレビューサイトの評価わりと高し。
日本人のほうが素直だということでいいですか。

ちなみにアニーが毎週金曜日にレストランからお裾分けしてもらうお菓子は
あのカンノーリ(カンノーロ)です。

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