夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『クレイジー・リッチ!』

2018年10月11日 | 映画(か行)
『クレイジー・リッチ!』(原題:Crazy Rich Asians)
監督:ジョン・M・チュウ
出演:コンスタンス・ウー,ヘンリー・ゴールディング,ミシェル・ヨー,
   アウクワフィナ,ケン・チョン,ソノヤ・ミズノ,ジミー・O・ヤン他

もう10月も半ばになろうとしていますが、まだ9月に観た映画の話です。

9月最後の金曜日、ダンナが飲み会へ。
飲む相手を考えると帰りはおそらく終電近くになると予想され、
ならば私は終業後に2本観ても大丈夫だろうと思いました。
体力のことを考えると1本にしておきたかったのですが、
観たい作品が公開されたばかりのときにチャンスがあるなら観ておかないと
いつ何が起こって観逃してしまうかわからない。

原作はケヴィン・クワンの世界的ベストセラー『クレイジー・リッチ・アジアンズ』。
この映画版もアメリカで大ヒット、批評家にもベタ褒めされているようです。
でもこれは日本で客を呼び込むのは難しい。
そもそも宣伝をほとんど見かけません。
そのわりに大きめのシアターが用意されていて、ものすごい違和感。
封切りだったこの日、109シネマズ大阪エキスポシティの350席以上のシアターに
客は私ともうひとりのみでしたから。もったいない。

てな様子で、かなり残念な興行になりそうですが、私は非常に楽しかった。
中国資本の作品が激増しているとはいえ、
派手なアクションなしのハリウッド作品は珍しい。
キャストは全員アジア系、中国語と英語どちらも激しく飛び交います。
移民のコミュニティに興味のある人にはオススメ。

ニューヨークで生まれ育った中国系アメリカ人のレイチェル。
全米トップクラスのニューヨーク大学で経済学の教鞭を執る才女。
恋人は中国系シンガポール人のニック。

ニックが親友コリンから結婚式の招待を受け、
家族に紹介しがてら故郷へレイチェルを連れて行きたいという。
レイチェルは喜んで同行することに。

シンガポールへ向かう飛行機に搭乗したレイチェルは
ファーストクラスへ案内されてビックリ。
だって、ニックはいたって普通の金銭感覚の持ち主のはず。
ファーストクラスなんて何かの間違い。
しかしニックは飛行機会社が実家の取引先だからと平然とした顔。
実は彼は世界有数の不動産王の御曹司だったのだ。

シンガポールへ到着したレイチェルとニックは、
空港でコリンと結婚相手のアラミンタから温かく迎えられる。

ところが、ほかの面々はレイチェルを歓迎するつもりがないらしい。
イケメンで金持ちのニックをかすめ取って行った女がレイチェル、そんな認識。
独身セレブ女子たちの激しい嫉妬を買ったばかりか、
ニックの母親エレノアからも辛く当たられて……。

もともとハリウッドで映画化の話が浮上したとき、
キャストに白人を起用することの是非で揉めたそうです。
白人以外の役柄に白人をキャスティングする(=ホワイトウォッシング)、
黒人以外の役柄に黒人をキャスティングする(=ブラックウォッシング)、
性同一性障害の役柄に性同一性障害でない俳優をキャスティングする、
映画界にはいろいろと揉める要素があるようで。

本作では結局全員アジア系俳優をキャスティングすることに落ち着いたけれど、
そうなったらなったでまた新たに揉める。
アジア系っちゅうても中国系、韓国系、日系、マレーシア系などなどさまざま。
原作では何系なのに、映画はそれ系とちゃうやん、てな感じで。
いやもう何でもええがな、あかんのんかいなと思ったりも(笑)。

会話も面白いのですが、ホンマの金持ちってこんなんなんやと驚くばかり。
「クレイジー・リッチ」って、「あり得ないぐらいの金持ち」という意味なのですよね。
金持ちにもいろんな金持ちがいて、由緒正しい金持ちもいれば、成り上がり的金持ちもいる。
セレブの世界を垣間見ることができて興奮しました。

金持ちに意地悪されて凹んでも負けないヒロイン。
そりゃ応援したくなるというものです。
知的好奇心をくすぐられる楽しい作品でした。

麻雀をナメとったらアカンでぇ。

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