夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『あなたの名前を呼べたなら』

2019年09月09日 | 映画(あ行)
『あなたの名前を呼べたなら』(原題:Sir)
監督:ロヘナ・ゲラ
出演:ティロタマ・ショーム,ヴィヴェーク・ゴーンバル,
   ギータンジャリ・クルカルニー,ラウル・ヴォラ他
 
平日に休みを取って、北浜で今年89歳になる母とランチ。
が数独と将棋と読書にしか興味がないようで、
「しゃべりかた忘れそうやわ」と母が言うものですから。
学生の頃に私がバイトしていた単車屋の店長のお母様もお誘いすることに。
なんでそんな人もお誘いしたのか説明すると長くなるから割愛(笑)。
とにかく凄く楽しくて、ランチタイムの初めから終わりまで居りました。
 
食べて飲んで(飲んだのは私だけやけど)しゃべり倒し、3時間半。
それぞれ相方の晩ごはんの仕度をせなということで解散。
ダンナ出張中の私はそんな仕度もないから、
テアトル梅田で観たかった映画2本を鑑賞。
 
ハシゴの1本目はインド/フランス作品。
インド映画ってこんなのもあるんだとまた印象が変わる。
これも良かったです。
 
インドの田舎で生まれ育った女性ラトナは、
19歳で両親が決めた相手と結婚するが、結婚生活わずか4カ月で夫が病死。
未亡人となり、口減らしのために夫実家からムンバイへと追い出される。
 
故郷とは何もかもが異なる大都会。
建設会社御曹司が暮らす高級マンションにメイドとして住み込むラトナ。
その御曹司=「旦那様」は結婚するはずだったのに、
挙式当日に婚約者の浮気が発覚してキャンセル、傷心の日々を送っている。
ラトナは旦那様を気遣いながら家事をこなすのだが……
 
インド映画を観ると、いったいいつの時代のことかと毎度驚きます。
本作も、これだけ経済が発展しているインドなのに、
いまだにこんなに階級格差があるのかと目が点に。
ムンバイが大都会であることも改めて知りましたし、
金持ちたちは家族同士でも英語で会話することを初めて知りました。
これって常識なんですか。すみません。
 
メイドを見下した態度を取る金持ちが多いなか、この旦那様はえらくいい奴なんです。
ラトナは自分の立場をわきまえてほとんどしゃべらないし、別段愛想がいいわけでもない。
でも正直で優しい女性であることがよくわかる。
ひそかにファッションデザイナーになることを夢見るラトナを心から応援する旦那様。
やがて旦那様はラトナを愛している自分に気づきますが、
ラトナは階級を飛び越えた恋など決して叶わないと拒絶します。
 
この恋、どうなるんだと見守らずにはいられません。
って書くと、叶わぬ恋のベタベタな恋愛ものっぽい。
でも全然そうではありません。
 
叶わないよね、叶わないだろうけれど。
叶うかもしれないと思えるラストシーン。嬉しくなりながら席を立ちました。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『ロケットマン』 | トップ | 『ドッグマン』 »

映画(あ行)」カテゴリの最新記事