
9月1日(水) 曇
今日から9月。
毎年の今日は、堀辰雄の『風立ちぬ』の主人公二人が、死生の意味を問いかけながら生を生きる、 あの中編を想う。
作者の誤訳と言われる「風立ちぬ、いざ生きめやも」の解釈についても、度々過去ログに残してきたけれど、今ではもう、どちらでも良くなった。
私は死ぬその時も、「明るく強く前向きに、生きる」と決めているし、【死は覚めない眠り】だと思っているから、ほんとうに、もうどちらも同じことなのだ。
「おれ達がこうしてお互いに与え合っている幸福、…皆がもう行き止まりだと思っているところから始まっているようなこの生の愉しさ、おれ達だけのものを形に置き換えたい」と確認しあうくだりは、のちに「がんを明るく前向きに語る・金つなぎの会」の設立をみたときに、ストンと心の腑に落ちた。
多分、今なら末期の肺がんと診断される作者の婚約者は、1年後には黄泉のひととなられた。 院内の病友が縊死されるなど死の影が色濃く語られる中で、高原のサナトリウムの明るい光と風が、いつも、余命半年の私を勇気づけてくれた。
風立ちぬ いざ生きめやも!
ほんとうに。
午後4時、イオンモールまで片道30分を徒歩で行く。
大腿骨頭の痛みを覚えて以降は、【2勤1休】と決めているので、今日からまた歩く!
調剤薬局のお若い薬剤師さんが、「このお薬が手に入らなくて困っているんですよ」とお取り寄せのVD薬を手渡してくださった。
昨年来の新型コロナ禍の影響で、この種の薬の流通が滞っているそうだ。
調べてみたら、数多くの論文に、「ビタミンDはCaの吸収以外に、インフルエンザ等のウイルス感染症に有効である」、「新型コロナウイルスに血中ビタミンD濃度が30ng/ml以上の者はほとんど感染せず、さらに重症化しない」などと明記されている。※中には検体数が少なかったり、不確かな内容であったりするものも。
それにしても。
Web全盛の時代、あっという間に有用情報が手に入り、あっという間に拡散し、薬剤の流通にまで影響を及ぼす。
便利ではあるけれど、一面危うい時代ではある。

風立ちぬ いざ生きめやも♪
往復1時間歩いて薬局に行き、少し買い物をし、今日の歩数は6747歩。

今日は、銀鮭のハ-ブ塩ソテー、鉄板の周囲でマイタケを焼いて、黒酢を少量。
司馬遼太郎さんの奥さま・みどり先生が、逝かれた夫君を偲んで『菜の花忌』に合わせてお配りなされた、黒い磁器に菜の花が乱れ咲く鉢に、常備菜の千切り大根の煮物を盛りつけた。
千切り大根、にんじん、エノキタケ、京の薄揚げ、紀文のちくわ。
みどり先生。次の世の、お幸せの日々を想像いたし居ります。
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