
火の国熊本の「あかど漬け」
私が捜したのは「尾鷲のずいきのお漬物」
おんなじ味わいなのだけれど、作り方は…


12月初旬、友人のともちゃん(さくらの年齢の半分!)ちで夕ご飯をご馳走になったおり、「こんなん、食べはる?」と、ともちゃんのお母さんが食卓に出してくださった。
「あ、尾鷲のずいき漬け! …うれしっ」。
亡くなった恭子ねえさんは尾鷲に嫁ぎ、今から四半世紀も前、当時中学生の私と高校生の則子ねえさんは、夏休みに度々遊びにいかせてもらった。
同じじ三重県なのに食文化は大いに違い、お姑さんが整えてくれる食卓の魚の美味しさはもちろん、炊き立てのごはんと自家製味噌のお味噌汁、揚げたてのさつま揚げとずいきのお漬物でいただく朝食の美味しさは今も忘れがたい。
私のお姑さんも尾鷲の隣、紀伊長島の出身で、そのせいか日ごろずいきのお漬物が当たり前のように供され、それは夫の好物でもあった。
結婚後、墓参のため鳥羽の墓所に向かう度に、あちこちの八百屋さんやスーパーを捜したものの見当たらず、まさか、ともちゃんちで巡り合うとは!
「喜んでくれるなら、持って帰って…」
お母さんに言ってもらって、帰宅後さっそく亡夫の仏前に供えましたよ。
赤黒みを帯び、主産地・熊本では「畑の馬刺し」などと呼ばれる「あかど漬け」。一方、三重の主産地・美山町では「くき漬け」。私の記憶では「尾鷲のずいきのお漬物」。
いずれにしても、酸っぱくていがらっぽい食味がたまらない。
八頭、また赤目芋とも呼ばれる里芋系の芋の茎を塩漬けし、そのままの赤みを生かすあかど漬けに対し、美山産のくき漬けは、下漬け(塩漬け)と本漬け(赤紫蘇で漬ける)と手間がかかり、もはや業者が撤退している…と美山町関係者は嘆く。
少女の頃の甘酸っぱい、希望に溢れた日々を思い出させる尾鷲のくき漬けの復活を願う今日この頃である。
皆さまにも、少年少女のころの”懐かしの味”や”幻の味”がおありでしょう。
いえ、決して「古郷(ふるさと)へ廻る六部(りくぶ)は氣の弱り」(『誹風柳多留』初篇)などではありません。(きっぱり!)
皆々さま、ありがとうございます。
明日からも、勇気凛々、明るく強く前向きに、生き抜いてまいりましょう。






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